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流浪演舞 イベント会話セリフ一覧
戦国無双4攻略 流浪演舞 イベント会話セリフ一覧を掲載しています。友好度を上げていくと武将固有の会話イベントが発生して会話を聞くことができる 一度会話を聞いたあとはタイトル画面→武家屋敷→宝物庫→イベント鑑賞→流浪演舞でいつでも見ることができる |
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真田幸村|
前田慶次|
織田信長|
明智光秀|
石川五右衛門|
上杉謙信|
お市|
阿国|
くのいち|
雑賀孫市|
武田信玄|
伊達政宗|
濃姫|
服部半蔵|
森蘭丸| 豊臣秀吉| 今川義元| 本多忠勝| 稲姫| 徳川家康| 石田三成| 浅井長政| 島左近| 島津義弘| 立花誾千代| 直江兼続| ねね| 風魔小太郎| 宮本武蔵| 前田利家| 長宗我部元親| ガラシャ| 佐々木小次郎| 柴田勝家| 加藤清正| 黒田官兵衛| 立花宗茂| 甲斐姫| 北条氏康| 竹中半兵衛| 毛利元就| 綾御前| 福島正則| 藤堂高虎| 井伊直虎| 柳生宗矩| 真田信之| 大谷吉継| 松永久秀| 片倉小十郎| 上杉景勝| 小早川隆景| 小少将| 島津豊久| 早川殿| |
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真田幸村 | |||||
恐るべき集中力 | |||||
-------------------- 遠くで幸村が木の下で瞑想しているのを新武将は見ていた そこに直江兼続が現れる -------------------- 【直江兼続】 私は幸村とは義で結ばれた同志だ。幸村の人となりが気になるか? 教えてやろう、それ! -------------------- 兼続は幸村の上の木に大きな石を投げつける。木の葉などがはらはらと幸村に降りかかる -------------------- 【真田幸村】 はっ! -------------------- 幸村はそのことごとくを瞬く間に真っ二つに斬ってしまった -------------------- 【直江兼続】 恐るべき集中力だろう、それが幸村だ。ま、実生活ではそれが天然となって出ることも多いが… 【真田幸村】 これは…。お会いできて光栄です。なんのお話をなさっていたのですか? -------------------- 幸村は爽やかな笑顔を見せ、新武将に近づいてきた -------------------- 【選択肢:天然物の魚が好きとか嫌いとか】 【選択肢:幸村が天然だという話】 -------------------- 【真田幸村】 …父や兄によく言われます、お前は天然、だと -------------------- 【選択肢:あの! 私は天然、好きですよ!】 【選択肢:いい意味で天然という話で…】 -------------------- 幸村は手を差し出してきた。新武将は戸惑いつつも握手をした -------------------- 【真田幸村】 どうやらあなたは天然がお好きなようですね。これからも末永く、おつきあいのほどを…失礼 -------------------- 幸村は木のほうに駆け戻り、先の投石で枝から落ちてしまっていた雛を巣に戻した 葉っぱがことごとく真っ二つになっている中、雛には、傷一つ負わせていなかった -------------------- |
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はちまき騒動 | |||||
-------------------- 新武将は幸村に会いに行った。たいてい幸村は鍛錬をしているのだが… 幸村は、何かを必死に探していた -------------------- 【真田幸村】 おお、ちょうどよかった。私の鉢巻きを一緒に探してもらえませんか? --------------------
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焼酎酩酊 | |||||
-------------------- 新武将は幸村を仲間に誘うべく、手土産を持って、彼の元を訪れた -------------------- 【真田幸村】 これは…焼酎…! ありがとうございます! 嬉しいです! 【真田幸村】 こんな手土産などなくても、私も常々、あなたについていきたいと思っていました -------------------- 幸村はそう言うと、嬉しそうに焼酎の蓋を開けた -------------------- 【真田幸村】 この焼酎を飲みながら、今後の話をしましょう。なに、私は酒にめっぽう強いので一晩でも大丈夫です! -------------------- 飲み始めてからすぐに幸村はぶっ倒れてしまった -------------------- 【選択肢:どうなってんの…】 【選択肢:これが天然、か…】 -------------------- 幸村はスースーと、寝息を立てていた。新武将はそっと、幸村の頭を撫でた -------------------- ※新武将の性別が「男」の時 【真田幸村】 …兄上 -------------------- ※新武将の性別が「女」の時 【真田幸村】 …くすぐったいです -------------------- 幸村はそう寝言を言った後、口元に笑みを浮かべて新武将の手を握った -------------------- |
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本当の幸村 | |||||
-------------------- 新武将は幸村の鍛錬を見守っていた。幸村は一心不乱に槍を振り続けていた 突然、突風が吹き、花びらが舞った。幸村は舞い上がった花びらを一瞬にして串刺しにした -------------------- 【真田信之】 幸村は本当に天然なのかな… -------------------- いつの間にか、新武将の隣には、幸村の兄・真田信之が立っていた -------------------- 【真田信之】 時々、身内である私も自信が持てなくなるんだ…。どの幸村が、本当の幸村なんだろうか、と -------------------- 信之は、新武将をじっと見つめた -------------------- 【真田信之】 あなたのことは幸村から聞いている。あなたの前の幸村は、本当の姿であると信じたい -------------------- 信之はにっこりと笑って去っていった。心配になった新武将は幸村に尋ねた --------------------
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前田慶次 | |||||
傾奇者の戦 | |||||
-------------------- 新武将が町を歩いていると、前田慶次が、傾奇者や武芸者、牢人の群れに囲まれていた -------------------- 【傾奇者】 前田慶次、てめえも傾奇者だ、覚悟はあるだろうぜ。戦さ人がまさか、多勢に無勢は卑怯なりとは言わんよな 【前田慶次】 傾奇者のケンカは言うなれば、戦だ。戦場で、兵力差について文句を言う気はねえさ 【傾奇者】 てめえを倒して、俺らは傾奇者として名を上げる! みんな、一斉にかかるぞ! -------------------- 一斉に襲いかかる傾奇者たちを、慶次は瞬く間に素手でいなし、投げ、のしていった 慶次は最後に残った傾奇者の刀を手刀でへし折ると、そのまま腕を逆に薙ぎ、傾奇者を張り倒した -------------------- 【前田慶次】 人を往来で数襲いかかって消そうってのも戦。逆にのされて、命を失うのも戦だな -------------------- 慶次は傾奇者を踏みつけ、ぐっと力を込めようとした。傾奇者は、慶次の足元で命乞いをした -------------------- 【前田慶次】 戦に臨めば死人と化す、それが戦さ人、傾奇者だろう。死人が命乞いなんてするもんかね -------------------- 傾奇者は、慶次の言葉に観念した。その時、涙とともに女の名前が傾奇者から出た -------------------- 【前田慶次】 …好きな女がいるのかい。それじゃ死人にゃ、なれねえなあ -------------------- 慶次は傾奇者を助け起こすと、この場を立ち去らせた -------------------- 【選択肢:いいことをしたね】 【選択肢:甘いね】 【前田慶次】 あとは奴次第。生まれ変われれば、未来が開ける。このままなら、いずれ命をドブに捨てることになるさ しっかしこの騒ぎを最後まで見届けようなんざ、あんた、腹のすわった御仁だねえ…気に入った! -------------------- 新武将はこうして、慶次と知己となった -------------------- |
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甥と叔父 | |||||
-------------------- 新武将は利家が同輩の侍と戦のことで口論しているところに出くわした -------------------- 【前田利家】 …だから、なんであそこでてめえだけ突出すんだよ! 危険だし味方も不利だ、てめえだけ目立とうってのか? 【織田の将】 あーあーあーあーうるさいうるさい。細っけえんだよ! てめえなんかにゃ武士の心ってのがわかんねえんだよ その点、慶次殿との戦はいいぜ、あの人はわかってる。押し引きも知ってるから突出とか馬鹿は言わねえし 慶次殿となら乗れるけど、てめえじゃダメなんだよ。上の言うことばかり気にして、武士じゃねえよ、お前 -------------------- その後、慶次の元を訪れたとき、新武将はこのことを慶次に話した -------------------- 【前田慶次】 武士にゃ、一つの命を捨てるかも知れない戦、悔いなく出し尽くさせたいって思ってただけなんだが… なるほどそう来るかい。ままならないモンだねえ! -------------------- 慶次は新武将の背中をバシッとたたいた。その笑いは、華やかだったが、どこか寂しかった -------------------- |
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水風呂 | |||||
【前田慶次】 おお、新武将、あんたを茶の湯でもてなしたい。明日、俺の家まで来てくれ
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月が綺麗だから | |||||
-------------------- 新武将と慶次は月を見ていた。慶次はふとひとりごちた -------------------- 【前田慶次】 七年の病なければ三年の蓬も用いず。雲無心にして岫を出るもまたおかし 詩歌に心なければ月花も苦にならず。寝たき時は昼も寝、起きたき時は夜も起きる 九品蓮台に至らんと思う欲心なければ、八万地獄に落つべき罪もなし 生きるまで生きたらば、死ぬるでもあろうかと思う
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織田信長 | |||||
笑い、踏破せよ | |||||
-------------------- 新武将は狩りをしている織田信長に出くわした。いきなり信長が新武将に抱きつき、押し倒す 次の瞬間、矢が四方八方から飛来し、まわりにいたおつきの侍たちはバタバタと倒れた -------------------- 【織田信長】 予のかたわらにいたうぬは運がよい…。暗殺だ…逃げるぞ -------------------- 信長はそう言うとなれた感じで痕跡を消しながら身を低くして、山道を走る。新武将も続く すぐに暗殺者たちが信長の死を確かめに現れた。長らしき男が信長の死体がないことに舌打ちして命じる -------------------- 【暗殺者】 死体は片づけろ。織田家の奴らに暗殺を気取らせるな。まだ遠くには逃げておらぬはずだ。探せ! -------------------- それを背中に聞きつつ逃げ、木の陰に身を隠し、しばらくすると遠くから声が聞こえた -------------------- 【織田の将】 信長様ー! どちらにおられますー! お助けに参りましたー! 出てきてくだされー!
おそらくこの一帯はあの者が探索担当だったのだろう。追っ手に遭遇することなく、二人は無事逃げられた 信長は突如、高らかに笑い出した --------------------
新武将はこうして、信長と知己となった -------------------- |
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時代と踊る | |||||
-------------------- 左義長の祭り、その先頭にきらびやかな衣装をまとい舞い狂う姫君があり、皆の目を独占していた -------------------- 【織田信長】 新武将…予がわからぬか? -------------------- その姫君は信長であった --------------------
【織田信長】 新武将、この世界は、すなわち祭りよ。この熱狂が失われし時、すなわち世界は終わる ならば、面白くせねば…! 生きるべきは、この祭りをより面白くする者…! さような者の登場を予は待っている。そして現れたならば、予は死に、かの者を生かせばよい それまでは、時代と舞い狂うまでよ。この祭りの先頭でな -------------------- 再び、信長は美しい姫君に身をやつすと、舞い狂い、観衆に熱狂を振りまいていった -------------------- |
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早駆け | |||||
-------------------- 新武将が柴田勝家と共に、信長が馬場で馬を走らせるのに同行した 信長は最近、まるで趣味のように敵を作り、自ら、窮地に立つような真似ばかりしていた。 --------------------
-------------------- 信長は、馬に乗り、馬場をひたすらに馬を走らせた。休みもせず、無茶苦茶な速さでずっと… -------------------- 【柴田勝家】 大殿は、ああいうお方だ。通常というものに囚われぬ。ただ一人突き進み、突き進み続ける…悲しいほどに 風当たりは激しい。単独行動でいつも危機に陥る。敵は多い。大殿の世は長く続くものではあるまい 大殿に従うばかりの我らはそれと共に滅ぶのだろう。それでも、大殿に従わずにはいられぬ 我らは、そんな大殿に魅入られてしまったのだから。ただ一人進む大殿に、せめて供としてつき従いたいと -------------------- やがて、馬を乗り潰し、信長が馬場から戻ってきた。あれだけの運動をして、その顔には、汗一つない -------------------- 【織田信長】 新武将、信長のかたわらにあれ -------------------- 新武将は笑ってうなずいた -------------------- |
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世界という祭りの先頭 | |||||
-------------------- 新武将の部屋につかつかと信長がやってきて、いきなり、新武将のあごを持ち上げた -------------------- ※新武将の性別が「男」の時 【織田信長】 新武将、女子の装いをせよ。世界という祭りの先頭で、信長と舞い狂おうぞ? -------------------- ※新武将の性別が「女」の時 【織田信長】 新武将、その美しい生き方を抱きたい。世界という祭りの先頭で、信長と舞い狂おうぞ? --------------------
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明智光秀 | |||||
神眼の射手 | |||||
-------------------- 新武将が歩いていると銃声が聞こえてきた。ダーン、ダーン…と等間隔に十回 新武将が銃声のほうへ行くと、明智光秀が土塁に的を置き、鉄砲を撃っていた -------------------- 【明智光秀】 これは…新武将殿でしたか -------------------- 光秀は鉄砲を置いて、新武将に挨拶した。土塁の的を見るとど真ん中に一つしか穴が空いてない --------------------
新武将はこうして、光秀と知己となった -------------------- |
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密会を好み | |||||
-------------------- 新武将は、話したいことがあるとのことで、光秀の居室に、二人っきりで招かれていた -------------------- 【選択肢:他の人はいないの】 【選択肢:二人っきりだね】 【明智光秀】 ええ、人と話しをするときは基本一対一で話します。私は、あまり大勢で話をするのが苦手なものですから 家臣と話をするときも、一人ずつ呼び出しますね。そのほうがちゃんと意見を聞ける気もしますから 大勢だと話がそれやすく、結論も出にくいです。またたくさんの人の時間を同時に拘束するので効率も…
その後、新武将は光秀としめやかに話をした -------------------- |
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静かなる平和 | |||||
-------------------- 新武将は光秀の髪をすいていた 光秀の髪は黒くなめらかで張りと弾力があり艶やかだ。くしが流れるように通り、いいにおいがしてくる --------------------
…静かですね そして私の知らない何百万…いえそれ以上の人たちが、こうやってなにげなく静かな幸せを、今、生きている 激しい喜びではないにせよ、何物にも代えがたい こんな静かな幸福を平然と奪う戦乱を、私は憎みます… 皆の今を守りたい…そのための未来を築きたい… あ…すみません、他の人なら髪を触らせたくないのにあなたの手だと気持ちよくて、ずっと髪をすかせて… -------------------- こうして光秀は、新武将の仲間になった -------------------- |
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一途な男 | |||||
-------------------- 新武将は城下で、松永久秀に会った -------------------- 【松永久秀】 あれを見ろ、八面玲瓏、万事に才覚の人と評判の明智光秀が歩いて城から帰宅しておるだろう。んん? 【松永久秀】 見ておれ、あいつ、転ぶぞ 【明智光秀】 あう -------------------- 久秀の予言通り、光秀は転んだ --------------------
久秀は、新武将に包みを渡した -------------------- 【松永久秀】 面白い実験を見せてやる。このぼた餅を奴に持ってけ。我輩の手作りだが、毒は入っておらん。んまいぞ?! -------------------- 新武将は久秀に言われるまま、ぼた餅を土産に光秀を訪ねた -------------------- 【明智光秀】 ぼた餅ですか。私は、お酒が飲めないので、甘い物に目がないのです。では失礼していただきます -------------------- 光秀は喜んでぼた餅をはむはむと食べ始めた。すると、そのとき外から助けを求める声がした -------------------- 【松永久秀】 うわあー! 辻斬りだー! 助けてくれー! こんな一般の、か弱いおっさんを襲わないでくれー! -------------------- これを聞くと、光秀は押っ取り刀で声の主を助けるべく、ぼた餅をくわえたまま飛び出した 声の主…いたずらをした久秀はすでにいなかった。飛び出した光秀の口のまわりはあんこまみれだった -------------------- 【明智光秀】 こ…これは…民の危機と慌てて飛び出したもので…。は、恥ずかしい…
なんだか可愛いな。我輩まで奴を好きになりそうだ |
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石川五右衛門 | |||||
五右衛門、吠える | |||||
-------------------- 新武将はまんじゅうを買うために、まんじゅう屋に向かった。騒ぎはそこで起きた -------------------- 【石川五右衛門】 よおよお…このまんじゅう、古かったぜ? おかげで俺様、腹ぴーぴーじゃねえか 【まんじゅう屋】 言いがかりだね! いいかげんなこと言うとお上に訴えるぞ! 【石川五右衛門】 悪徳まんじゅう屋、古い商品でだましてもうけてるってこちとらにゃあ、確かな証拠もあるんだぜ?
新武将、義賊活動、お疲れさん! さすが俺様の仲間! いい芝居だったぜ? -------------------- 五右衛門はそう言うと、奪った金を貧しい人々に渡すため、外に飛び出していった -------------------- |
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義賊に盗めぬ恋心 | |||||
-------------------- 五右衛門がいらいらしながら、立っていた -------------------- 【石川五右衛門】 俺様は天下の大泥棒! 盗めねえ物はねえ! って思ってたけどよ…やっぱ女心は盗めねえな… -------------------- しょげる五右衛門の目の前には楽しそうに話す慶次と阿国の姿があった --------------------
五右衛門様?、うちに何かご用どすか? 好きとか聞こえましたけど? 【石川五右衛門】 お、阿国さん、いやね、こいつがね、まんじゅう好き好き、なんていきなりね、たはっ 【阿国】 はい? 【石川五右衛門】 いやほんとに、何言ってんだか、この、新武将! なんて、たはは! それじゃ皆さん、さよならー! 【阿国】 あ? 五右衛門様?、待っておくれやす? -------------------- 慌てて逃げる五右衛門を阿国が追いかけていった。新武将は慶次と一緒に取り残された -------------------- 【前田慶次】 天下の大泥棒、石川五右衛門。俺は好きだねえ、ああいう面白な御仁 |
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そのお宝、値万両 | |||||
-------------------- 新武将の居室に、五右衛門がドタドタと走りこんできた -------------------- 【石川五右衛門】 ついに天下の宝・千鳥の香炉の在り処がわかったぜ! 新武将! さっそく盗みに参上でい! -------------------- 新武将は五右衛門とともに城に忍び込んだ。そして香炉の持ち主・秀吉の寝室の天井裏にたどりつく -------------------- 【石川五右衛門】 …しめたぜ、新武将。秀吉の野郎はぐっすりお寝んねだ… -------------------- 秀吉の枕元に千鳥の香炉が置かれていた。五右衛門は天井の隙間から糸をゆっくりと垂らす… 糸が香炉に届こうとしたその時…香炉が「ちりちり」と鳴った! -------------------- 【豊臣秀吉】 …ん? 天井に誰かおる! 出会え! 【石川五右衛門】 アウチ! なんでこんな時に鳴きやがるー! 新武将! 俺様が騒ぎを起こすから、逃げろ!
新武将はからくも逃げ延びた。やがて五右衛門も、ふらふらになりながら逃げてきた -------------------- 【石川五右衛門】 死んだと思った? 俺様、こう見えてもしぶといの、よ… -------------------- 新武将は五右衛門に肩を貸して逃げた。その時、新武将の肩に固い物が当たった -------------------- 【石川五右衛門】 …俺様は石川五右衛門! 腐っても天下の大泥棒、だ。これで貧しい連中がまた助かる…ぜえ?… -------------------- 五右衛門の胸の辺りから「ちりちり」という音が聞こえた -------------------- |
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世に盗人の種は尽きず | |||||
-------------------- それは突然の出来事だった 五右衛門と新武将は二人でいるところを、秀吉の兵に取り押さえられてしまった 二人は千鳥の香炉を盗んだ罪により、死刑と決まり、京の三条河原に連行された 三条河原は見物客であふれかえっていた -------------------- 【石川五右衛門】 新武将、すまねえ…。てめえまで巻き込んじまったな… 最後だし、言っちまおう…。俺はてめえが…だ…大好きでい! あの世でも一緒になってくれるか? 【選択肢:諦めるな!】 【選択肢:もちろんでい!】 -------------------- 五右衛門と新武将の前に大きな釜が置かれた。その中には湯がなみなみと入っていた -------------------- 【石川五右衛門】 ああ、愉快! 煎り殺されるたあ、前代未聞! 天下の大泥棒の最期、あ、とくと見やがれ?! -------------------- 五右衛門は何を思ったか、新武将を頭上に掲げて、湯の中に飛び込んだ -------------------- 【石川五右衛門】 おあっちっ! あっち! あっ…あれ、熱くねえ? なんかちょうどい?い、お湯加減…? -------------------- その様子を見て、衛兵の一人がニヤリと笑い、大声で騒ぎ出した -------------------- 【前田慶次】 五右衛門たちを取り戻すべく一味が大挙して押し寄せてきてるぜ! 逃げなー! -------------------- 処刑場は大混乱に陥った。五右衛門はその混乱に乗じて、駆け出した -------------------- 【石川五右衛門】 これぞ天の助け! 逃げるぜ! 新武将! それからさっきの俺様の言葉は忘れろ! いいな! -------------------- 五右衛門は新武将の手を引っ張って、どこまでも逃げ続けた -------------------- |
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上杉謙信 | |||||
軍談は愉悦 | |||||
【上杉謙信】 汝、諸国流浪して数多の闘争に身を投ぜし者 軍談は美酒、我に馳走せよ
新武将は、最近の戦の様子を、臨場感たっぷりに語ってあげた -------------------- 【上杉謙信】 汝が闘争、愉悦… -------------------- 謙信は、無表情のままだったが、顔がわずかに火照っているようにも見える。愉しんでくれたようだ -------------------- 【上杉謙信】 大義なく闘争を為すことは許されぬ。ゆえに闘争に飢える身には、汝の話は大変な馳走だった いずれまた謙信の元に立ち寄り、愉悦なる軍談を聞かせよ -------------------- 新武将は快く承諾し、謙信の元を辞した -------------------- |
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所望 | |||||
【上杉謙信】 来たか、新武将。汝が軍談、心待ちにしていた。早速、馳走になろう 【選択肢:その前に、腹ごしらえを…】 【選択肢:まずは、のどをうるおしたく…】 -------------------- そこへ、謙信の姉・綾御前が膳を持って現れた -------------------- 【綾御前】 さ、新武将、遠慮なく召し上がれ -------------------- 綾御前は新武将に膳を勧めると、謙信に厳しい視線を向けた -------------------- 【綾御前】 謙信、当家の客人に無礼でしょう? わざわざお越しいただいたのです。いきなり軍談を所望するなど… 【上杉謙信】 は、姉上。新武将、これよりは汝を我が友として遇さん 我は汝に軍談を所望せり。我が汝に所望あらば、聞こう -------------------- そういうと、謙信は無表情のまま新武将を見つめて押し黙った -------------------- 【選択肢:すぐには思いつきませんが…】 【選択肢:では、次の機会に…】 【上杉謙信】 ならば次にまみえしときは、謙信が汝の望みに応えん |
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秘密の出陣 | |||||
【上杉謙信】 来たか、新武将。我らは友、くつろぐがよい。まずは一献… -------------------- 謙信は予め用意してあった飲み物を新武将に勧めてきた -------------------- 【上杉謙信】 こたびは汝が、謙信に望みを言え -------------------- 新武将は、予め考えておいた謙信へのお願いを口にした --------------------
そこまで言うと、謙信は無表情のまま沈黙した。無表情のまま、何か考えているらしい -------------------- 【上杉謙信】 なれど汝との約定には背けぬ 一時であれば…謙信の名を伏せ、汝と共に遠出も可能か 我の加勢を得たき戦あらば来るがよい。さらば、我は一牢人となり、汝と共に戦わん |
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別離の時 | |||||
-------------------- 牢人として城を出てきた謙信は、城下の飲み屋で新武将と対していた -------------------- 【上杉謙信】 汝と共に駆ける闘争は愉しかった…。なれど、これまで -------------------- 謙信が化けた謎の牢人の武名は天下に轟き、もはや正体を隠し通すのが困難になっていた -------------------- 【上杉謙信】 新武将、礼を言う -------------------- 謙信はいつもの無表情だったが、その瞳には寂しさが宿っているのがわかる -------------------- 【上杉謙信】 我は謙信に戻る。いずれまた我が元に立ち寄り、軍談を披露せよ -------------------- そう言うと、謙信は立ち上がり、新武将に背を向けた --------------------
なるほど…これなら謙信とは誰も気づかぬ 新武将、この先も闘争を愉しもうぞ -------------------- 謙信の口角がわずかに上がっている。それは謙信、渾身の笑顔だった -------------------- |
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お市 | |||||
欄干の姫 | |||||
-------------------- 月の美しい夜…。新武将が空を見上げると、天守閣の欄干の側にお市が立っていた お市は哀しげに夜空をぼんやり浮かんだ月を眺めていた -------------------- 【お市】 あ…あなたは…新武将 -------------------- 新武将に気づいたお市はにっこりと笑って、手を振った -------------------- 【選択肢:何をしてるんですかー!】 【選択肢:好きだー!】 【お市】 えっ? 何です? よく聞こえませーん -------------------- お市は聞こえないフリをして新武将の反応を愉しんでいるようだった 新武将はぴょんぴょん飛び跳ねたり地団太を踏んだりした しばらくクスクス笑っていたお市だったが、誰かに呼ばれたのか、部屋の中を振り返った -------------------- 【お市】 新武将! また、会いにきてくださいね! -------------------- お市は静かに屋内に入っていった -------------------- |
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高嶺の花 | |||||
-------------------- 月の美しい夜…。新武将が空を見上げると、天守閣の欄干の側にまたお市が立っていた お市は新武将に気づくと微笑んだ -------------------- 【お市】 約束、守ってくれたんですねー! -------------------- 居ても立ってもいられなくなった新武将は… --------------------
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あばら家にて | |||||
-------------------- 新武将はお市から書状を受け取った。書状には「城外のあばら家で会いたい」と書いてあった -------------------- 【お市】 新武将はあばら家に向かった。数刻後、お市が息を切らして入ってきた 遅れてごめんなさい。お兄様や、お兄様の家臣の目が厳しくて… -------------------- お市は新武将の隣に腰掛けた。湿ったあばら家に不釣合いな、花の香りが漂う -------------------- 【お市】 いつも、会いに来てくれてありがとうございます。私、毎晩すごく楽しみにしてて… お兄様ったら、ああ見えて心配性で…。私、出歩くこともままならないんです… --------------------
沈黙の時が流れた。やがて、お市は意を決して話し始めた -------------------- 【お市】 …時々でいいんです。私とまたこうやって、一緒にいてくれますか? -------------------- 新武将は大きくうなずいた -------------------- |
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悲恋 | |||||
-------------------- ある日、お市が他家に嫁ぐとの噂が流れた その噂が流れた辺りから、お市は姿を見せなくなった。どうやら兄・信長に外出を禁じられたらしい そして婚礼が行われるとされた日…。お市は自ら死を選んだとの情報が飛び込んできた --------------------
【選択肢:せめて市の墓参りを…】 -------------------- 新武将はお市が埋葬される予定の寺に着いた。そこには、お市がひとり横たえられていた お市の顔は蒼白だったが、相変わらず美しかった。新武将は沈痛の面持ちのまま、彼女の側に座った しばしの静寂の後、お市の目が静かにゆっくりと開いた! -------------------- 【お市】 私…あなたと離れることはどうしても嫌だった…だから… -------------------- 信長より政略結婚を命じられたお市は、信頼できる家臣・大谷吉継に相談した 吉継は一計を案じ、お市を仮死状態にした。お市は、信長の監視を死を装うことで潜り抜けたのだ -------------------- 【お市】 でも、このことがお兄様に知れたら…あなたも私も…ただでは済みませんね… -------------------- 新武将はお市をいきなり抱え上げて、寺の外に駆け出した -------------------- 【お市】 新武将! ど、どこへ行くのです? -------------------- 新武将は駆け続けた。お市の体からは、いつぞや嗅いだ花の香りがした そして、お市の両腕は、新武将の首にしっかりと巻きついていた -------------------- |
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阿国 | |||||
1-1秘密 | |||||
-------------------- 真夜中、新武将は阿国が舞っているのを見た。満開の桜の下、その光に照らされるように… -------------------- 【阿国】 やあ、新武将様…。見てしまわはったんどすか…? -------------------- 3つ妙な点があった。まず桜が満開の時期でない。また桜の花びらが輝いている、最後に桜の幹自体がない -------------------- 【阿国】 さ、お逝きやす -------------------- 空中に浮く桜の花びら…白くほの赤い光の群れに阿国が優しく言うと、光は幾百に別れ、飛び去った -------------------- 【阿国】 新武将様…見てしまわはったらしょわおへん。連れて往なんとあきまへんわなあ… 【選択肢:み、見てません!】 【選択肢:誰にも言わないので命だけは!】 【阿国】 やあ、ほんまどすか! 新武将様が物わかりのええ人で嬉しおす! せやけど、もし約束破らはったら… -------------------- 阿国は指を、新武将にからませて、にこっと笑った -------------------- 【阿国】 今夜のことは、二人だけの秘密。よろしゅう頼んますえ? |
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2-1かぶき躍り | |||||
-------------------- 新武将は阿国が主宰を務める舞台を見ていた。女性だけで演じられる艶やかで華やかな舞台だった だが、主宰の阿国の姿が舞台上にない。そこへ… -------------------- 【牢人】 あ…あれは…! あの人は死んだはずじゃなかったのか…! -------------------- 先年死亡した傾奇者で美男子で有名だった武士が、舞台に立ち、舞を舞い始めた よく見れば、その武士は阿国だった。阿国の演技で、その武士が生き返ったように見せたのだ -------------------- 【牢人】 な…なんという演技力! そして舞台構成! さすが日本一と称されるだけのことはある! -------------------- 新武将は、舞台が終わったあと、楽屋に阿国を訪ねた --------------------
新武将は、何度も何度も深くうなずいた -------------------- |
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3-1阿国の記録 | |||||
-------------------- 新武将はどういうわけか毛利元就と、阿国についての記録を調べていた -------------------- 【毛利元就】 彼女についての記録なんだけど、まずこれが最初だね。天正十年、大和で舞を舞っている…この直後だよ… 本能寺で信長公が亡くなったのは。次は慶長五年夏…言うまでもない、その秋が関ヶ原だ 歴史的に重要な事件が起きる直前、何年もの時を挟み、少女の姿で大きな公演を行う…彼女は何者なんだろうね
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4-1禁忌 | |||||
-------------------- 阿国と共にいるうち新武将は、あの日のことをどうしても聞きたくなった -------------------- 【阿国】 もう新武将様…それ聞かはったら、うち、あなた様を連れて往なんなりませんえ?
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くのいち | |||||
1-1乱世の掟 | |||||
-------------------- 新武将は、後ろからくのいちに声をかけようとした -------------------- 【くのいち】 何奴! -------------------- 新武将は、首に苦無を突きつけられた -------------------- 【くのいち】 教えときやしょう…。無闇に忍びの後ろに立っちゃいけませんぜ…
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2-1忍びの掟 | |||||
-------------------- 新武将はくのいちに声をかけようとした。その瞬間、くのいちの姿が消えた -------------------- 【服部半蔵】 七方出…変化の術だ 新武将…あの女の忍びには近づくな 【選択肢:嫉妬?】 【選択肢:嫌だ】 【服部半蔵】 近頃…あの忍びに情が見える。原因はお前だ 思考がぬるくなれば、反応が鈍る。それは忍びにとって致命的 過ぎた情が生むは、悲劇… 【くのいち】 あれ? 新武将。どうしたんですかい? 一人でぶつぶつと… -------------------- 新武将は半蔵を指差した。だが、そこにはもう誰もいなかった -------------------- |
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3-1忍びの仕事 | |||||
-------------------- 新武将は最近、誰かにつけられているような気がしていた -------------------- 【くのいち】 …さすがにバレてました? いや…その、前も話したんすけど、どうも危なっかしくて、気になっちゃって… 密かに後をつけて見守ってたんすよ…。お節介とは思ってたんですけど…
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4-1情ゆえに | |||||
-------------------- 新武将とくのいちは、謎の忍者集団に襲われた 忍者集団は数に任せて攻撃を繰り出す。新武将は隙を突かれ、背後から斬りつけられた -------------------- 【くのいち】 あ…危ない! きゃっ! -------------------- くのいちに突き飛ばされた新武将は、敵の攻撃を間一髪かわした 激昂した新武将は忍者集団を蹴散らし、倒れて動かないくのいちを抱き起こした -------------------- 【くのいち】 笑ってくだせえ…結局甘かったのはあたしって落ちで…つか、全員倒せるなら早いとこ追っ払ってほしかったな -------------------- くのいちの呼吸が荒くなった -------------------- 【くのいち】 最後のお願い…聞いてくれますか… もっと強く抱いて…。流れる血が止まるほどに… -------------------- 新武将の腕の中で、華奢な体がふるふると震えだした -------------------- 【くのいち】 ククク…やっぱり甘いにゃあ。あたしはどこもやられちゃいませんぜ?
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雑賀孫市 | |||||
1-1色男の挨拶 | |||||
※新武将の性別が「男」の時 -------------------- 孫市が誰かを口説いている -------------------- 【雑賀孫市】 やあ、阿国さん。あなたの舞はいつ見ても惚れ惚れする… でも俺は…気づいちまったのさ。俺は舞ではなく、あなたの美しさに惚れてるってね 【阿国】 ややわあ、孫市様、てんご言わはって。出雲に連れて往んでもよろしおすんの? 【雑賀孫市】 ああ、俺は今、天にも昇る気持ちだ…。行きましょう! 出雲でもどこでも今すぐに! 【阿国】 やあ、孫市様、あきまへんえ? ほら、人さんも見てはりますし…? -------------------- 孫市は振り返って、新武将を見た -------------------- 【雑賀孫市】 ん? 誰だお前? 今いいところだから邪魔すんな。男なら…わかるだろ? -------------------- そのすきに阿国は消えてしまっていた -------------------- ※新武将の性別が「女」の時 【雑賀孫市】 やあ、お姫様…。あなたから会いに来てくれるなんて光栄だ この素敵な運命に乾杯…なんてね。さ、手を貸して? -------------------- 孫市は新武将の手の甲に口づけをした -------------------- 【選択肢:いきなり何を!】 【選択肢:ちょっとくすぐったい!】 【雑賀孫市】 驚かせちまったかな? これは世界基準のイケてる挨拶だぜ あなたの美しさは罪だ…本当はその愛しい口に、挨拶をしたいところをぐっと我慢し… 【豊臣秀吉】 お、孫市じゃねえか!まーた女を口説いとるな! やあやあ、お嬢さん、ご機嫌麗しゅう… 【雑賀孫市】 ちっ! 思わぬ邪魔が入っちまった…。じゃあ、お姫様、また会おう! -------------------- 孫市は秀吉を引きずって去っていった -------------------- |
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2-1色男の口説き言 | |||||
※新武将の性別が「男」の時 -------------------- 孫市が誰かを口説いている -------------------- 【雑賀孫市】 ああ、お市…あなたはなぜ市なんだ…。その可憐さ、優雅さ…もはや罪だぜ… 【お市】 あの…大げさです。それに私にはもう、決めた殿方がいますから… 【雑賀孫市】 ちっちっ! 恋に後先なんてないのさ。まくる自信がなけりゃ、あなたを口説きやしない 【お市】 弱りましたね…あっ! 見てください! あなたの背中を熱く見つめるお方がいますよ? 【雑賀孫市】 確かに…背後に視線を感じるぜ。口説いてる最中に、熱視線を浴びるなんて、俺ってどんだけ色男… -------------------- 孫市は振り返って、新武将を見た -------------------- 【雑賀孫市】 って…お前の視線かよ! なに覗いてんだ? 人の恋路を邪魔する奴は…って言うだろうが -------------------- そのすきにお市は消えてしまっていた -------------------- ※新武将の性別が「女」の時 【雑賀孫市】 やあ、また会いに来てくれたのかい。今日は幸運なことに時間もたっぷりある さ、愛を語ろうぜ。そしてその愛を形にするんだ…二人でさ
は、はは…ちょっと急用を思い出しちまった…。…じゃあな、お姫様! 次こそはたっぷりと… -------------------- 孫市は一目散に逃げていった -------------------- |
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3-1色男の誘惑 | |||||
※新武将の性別が「男」の時 -------------------- 孫市が誰かを口説いている -------------------- 【雑賀孫市】 宗茂とはうまくいってねえんだろ? なあ、俺だったらあなたの孤独…埋められるぜ? 【立花誾千代】 余計なお世話だ。貴様こそ、あちこち口説いている割には孤独に見えるが? 【雑賀孫市】 そうなんだよ、俺、孤独なんだ…。孤独者同士なら、仲よくなれるんじゃないか? 【立花誾千代】 失敬。立花の見識が間違っていた。貴様は孤独ではないな…後ろを見てみろ 【雑賀孫市】 確かに…背後に視線を感じる…。このねっとりとした視線はまさか… -------------------- 孫市は振り返って、新武将を見た -------------------- 【雑賀孫市】 やっぱりお前かよ! 何だよ、もう勘弁してくれよ… わかったよ。仲間にでも何でもなってやる! だから、今はどっかに行ってろ! 頼む! -------------------- そのすきに誾千代は消えてしまっていた -------------------- ※新武将の性別が「女」の時 【雑賀孫市】 新武将…三度、来てくれたのかい。俺のことが気になって夜も眠れないって顔だな いいさ、いいさ。眠れない夜は、俺が隣にいてやるよ… -------------------- 孫市が肩を抱いてきた --------------------
安心しろ…。いついかなる時でもお前の側にいてやるよ -------------------- 孫市の顔が近づいてきた -------------------- 【ガラシャ】 孫ーっ! みーっけ、なのじゃ! むむ…孫、何故その女子の肩を抱いておる? 【雑賀孫市】 げーっ! ややこしい奴が来ちまった…。新武将、続きはまた今度な! -------------------- 孫市はガラシャを引きずって去っていった -------------------- |
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4-1色男の結末 | |||||
※新武将の性別が「男」の時 【雑賀孫市】 なんだよ。結局、お前とべったりかよ… 野郎と二人きりなんて、絶対に嫌だからな。だいたい…
孫市と新武将は仲よく、夜の町へ繰り出した -------------------- ※新武将の性別が「女」の時 【雑賀孫市】 はいはい。またどうせ、邪魔が入るんだろ? わかってんだ、出てこい! おらっ! -------------------- 誰も来る気配はなかった… -------------------- 【雑賀孫市】 なんか、拍子抜けだな…。ま…これでようやく、二人きりになれたわけだ そういや正式な挨拶は、まだだったな。今なら受けてくれるかい? お姫様… 【選択肢:いきなり何を…】 【選択肢:いや、そんな、ちょっと…】 -------------------- 新武将の次の言葉ふさがれた -------------------- |
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武田信玄 | |||||
1-1信玄の忍び | |||||
【武田信玄】 おこと…わしの忍びにならんかね 【選択肢:いきなり何言うんです?】 【選択肢:忍び?】 【武田信玄】 おことの職業… 忍びの隠れ蓑として最適じゃよ わし、こう見えても武田家当主だし? 国許からそんなに動けんし? 時々、情報を持ってきてくれるだけでいいよ。ね? 頼むよ -------------------- 新武将は黙っていた。信玄はそれを肯定の意味として受け取ったようだ -------------------- 【武田信玄】 引き受けてくれるのかね? いやあ、ありがたい 人の動きや地形の詳細、中央の情勢…。この乱世、先に知った者勝ちじゃからね 優秀な忍びは多いほどいい。じゃ、頼んだよ |
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2-1足長坊主 | |||||
【武田信玄】 仕事を順調にこなしておるようじゃね。表も裏も…いや、結構、結構 さて、さっそくじゃが、報告を聞きたい。京の様子を教えてくれんか?
役目大儀。おことのおかげでわしは動かずとも情報を得られる 忍びを使いこなす足長坊主、武田信玄の真骨頂じゃ。ま、わし、こう見えて本当に足、長いけどね |
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3-1影武者 | |||||
【武田信玄】 おことから各地の話を聞くと、何だかうきうきしてきてね ってことで、わしもおことと共に、諜報活動に勤しむことにするよ 【選択肢:武田家当主なのにいいの?】 【選択肢:もしかしてあなたは…】 【武田信玄】 あれ、今まで気づかなかった? わし影武者じゃよ? 声も体型もそっくりじゃろ? 顔もそっくりなんじゃが、披露できんのか残念じゃ さて、早速、二人だけの約束の証を作ろうか。忍びと言えば、合言葉、じゃろ? -------------------- そう言うと影武者信玄は、両手の親指と人差し指を合わせて、ひし形を作った -------------------- 【武田信玄】 わし考案、頑張れ武田菱! くじけそうな時は、この合図を出して励まし合う! …かっこ悪いと思ってる? -------------------- 新武将はぶんぶんと首を振った -------------------- |
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4-1頑張れ武田菱 | |||||
-------------------- 新武将が武田家を訪れると本物の信玄が、家臣を集めて号令をかけている最中だった -------------------- 【武田信玄】 甲斐の民…いや天下万民のため、わしは必ず王道を敷く! いかなる困難があろうとも、上洛してみせる! 皆も左様心得よ! -------------------- その威風堂々たる姿は新武将がいつも会っていた影武者とはまったく違っていた 信玄の重い言葉に、家臣たちも深々と頭を下げる。その時、信玄と末席にいた新武将の目が合った 信玄はさりげなく、両手の親指と人差し指を合わせてひし形を作った --------------------
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伊達政宗 | |||||
1-1草原を駆ける兄弟 | |||||
-------------------- 草原を駆ける馬がいた。その馬には幼い兄弟が乗っていた 奥州の大名・伊達政宗は、馬上からそんな光景をじっと見ていた やがて、政宗は新武将に気づいた -------------------- 【伊達政宗】 見よ…あの兄弟の駆る馬の速いこと 奥州の子らは皆、馬に慣れ親しんでおる。鍛え上げれば優れた騎馬軍団となろう わしはいつか、あ奴らとともに大暴れしてみせるわ
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2-1肉親の情 | |||||
【伊達政宗】 新武将 貴様にひとつ問いたいことがある 貴様にとって親とは、どのような存在か?
そう言うと、政宗は足早に去っていった -------------------- |
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3-1書を引き裂く | |||||
-------------------- 新武将は政宗の居室に招待された -------------------- 【伊達政宗】 新武将、よくぞ参った 貴様に友誼の証を送りたいと思うてな。うむ…これでよかろう -------------------- 政宗は床の間に掛けてあった掛け軸を、いきなり半分に裂いた -------------------- 【伊達政宗】 半分、受け取れ。これを我らの友誼の証としようぞ 【選択肢:それって有名な人の書じゃ!】 【選択肢:あーもったいない!】 【伊達政宗】 形あるものはいつか壊れる。書も茶器も何でもそうじゃ そんなものより大切なものなど数多ある。じゃが、人は物や品に執着する 人の性と言えばそれまでじゃが… 悲しゅうないか? わしは…貴様との結びつきが強うなるのなら、どんな名物だろうと惜しゅうない -------------------- 政宗は半分になった書を、嬉しそうに丸めて、懐にしまった -------------------- |
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4-1天下を駆ける竜 | |||||
-------------------- 草原を駆ける馬がいた。その馬には幼い兄弟が乗っていた 奥州の大名・伊達政宗は、そんな光景をじっと見ていた 政宗は、口では威勢のよいことを吐きながら、実は誰よりも情深く、誰よりも泰平を望んでいる そして誰よりも家族の愛に飢えている…。そう思った新武将は… --------------------
政宗と新武将は幼い兄弟のように一頭の馬に乗り地平線へ向かって駆けていった -------------------- |
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濃姫 | |||||
1-1騙して | |||||
【濃姫】 あなた…目障りね。消えてくれないかしら? 【選択肢:いきなり、何なんだ】 【選択肢:何か気に障ることでも…?】 【濃姫】 あなたのこと、知ってるわ。諸国をフラフラしてるんですってね お気楽なものよね…誰にでも節操なく味方して、少し腕が立つからって得意顔… 織田家にも仕官を求めて来たわけじゃない。ただ得意顔をしに来ただけ…違うかしら?
…でも、いいわ。あなたがそう言うなら騙されてあげる その代わり、あなたがうつけだとわかったら… -------------------- 濃姫は新武将から視線をそらさぬまま胸元から懐刀を取り出して見せた -------------------- 【濃姫】 あなたのすべてをもらうわ…永遠に |
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2-1愉しませて | |||||
【濃姫】 あなた…単なるうつけではなさそうね。うっかり命を取るところだったわ でも、まだ分からない。あなた結局、何をしようとしているの?
ま、あなたの言い分が嘘でも本当でも構わない だって、あなたを見てると退屈しないもの。それだけで、無価値、ではないわ |
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3-1連れ去って | |||||
※新武将の性別が「男」の時 【濃姫】 ねえ、新武将… -------------------- 濃姫は豊満な肉体を新武将に密着させ、吐息がかかるほどに顔を寄せてきた -------------------- 【濃姫】 もしも、あなたに勇気があるなら…、私を、ここから連れ出して
濃姫は、密着させていた体を離して新武将に背を向けた -------------------- 【濃姫】 退屈なわけじゃないの…。あの人の側にいれば、地獄も快楽も愉しめる ただ、あの人の苛烈な生き様を見ていると、私自身を見失いそうになる… だから、たまに取り戻したいの…自分を -------------------- 振り返った濃姫は、いつもと変わらない調子に戻っていた -------------------- 【濃姫】 気が向いたら、私に声を掛けて。待ってるわ…あなたのこと ※新武将の性別が「女」の時 【濃姫】 ねえ、新武将… -------------------- 濃姫は新武将を真っ直ぐに見つめ、おもむろに手を握りしめてきた -------------------- 【濃姫】 お願いがあるの…、私を、ここから連れ出して
濃姫は、握っていた手を放すと、新武将に背を向けた -------------------- 【濃姫】 退屈なわけじゃないの…。あの人の側にいれば、地獄も快楽も愉しめる ただ、あの人の苛烈な生き様を見ていると、私自身を見失いそうになる… だから、たまに取り戻したいの…自分を -------------------- 振り返った濃姫は、いつもと変わらない調子に戻っていた -------------------- 【濃姫】 気が向いたら、私に声を掛けて。待ってるわ…あなたのこと |
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4-1満たして | |||||
【濃姫】 あなたといても、満たされないわ -------------------- 濃姫は物憂げな表情で空虚な視線を泳がせている -------------------- 【濃姫】 でも、なぜかしら…落ち着くの -------------------- 濃姫の視線は、新武将の顔で一瞬止まり、また、あらぬ方向へ泳いでいく -------------------- 【濃姫】 あの人は、私が今の私であり続けることを、決して肯定しないわ 今はすぐに過去になる…。だから私は、変わり続けるしかない 【選択肢:人はそんなに簡単に変われない】 【選択肢:今のままで十分だ】 【濃姫】 嫌いよ、あなたのそういう甘いところ…。でも、私はそれを求めてしまっているのね あなたで、満足できたらよかったのに… -------------------- 濃姫は立ち上がると、新武将にくるりと背を向けて去っていった 数日後、新武将は、戦場、静かな夜に、ひとりただずむ濃姫を見つけた 濃姫は、うるんだ瞳で新武将を見つめていた --------------------
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服部半蔵 | |||||
1-1鬼の半蔵 | |||||
-------------------- 新武将は服部半蔵に声をかけようとして動きを止めた -------------------- 【服部半蔵】 抜け忍だ -------------------- 半蔵の足元には村人が横たわっていた --------------------
半蔵はしばし手を合わせた後、闇に消えた -------------------- |
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2-1教育係 | |||||
【服部半蔵】 …… -------------------- 半蔵は一人の若者が剣を振るのをじっと見ていた -------------------- 【服部半蔵】 三郎君という。主の子だ -------------------- 年は二十歳ぐらいだろうか、懸命に剣を振っていた -------------------- 【服部半蔵】 才能も、熱意もある
半蔵は微動だにせず、引き続き三郎君の訓練を見ていた -------------------- |
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3-1裏切れば死 | |||||
【服部半蔵】 用件は -------------------- 新武将は半蔵に仲間になってほしいと伝えた -------------------- 【服部半蔵】 影を裏切れば死だ、いいのか
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4-1鬼の目にも涙 | |||||
【服部半蔵】 主より命を受けた。来い -------------------- 新武将はうなずいた。彼らの向かった先は、処刑場だった -------------------- 【服部半蔵】 主の子…三郎君を今から斬る。見届けよ -------------------- 新武将は固唾をのんで見守った。だが…半蔵はいつまでも刃を振り下ろさなかった -------------------- 【服部半蔵】 斬れぬ…三代相恩の主だ…
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森蘭丸 | |||||
1-1虚を衝く | |||||
-------------------- 新武将が蘭丸を訪ねると、蘭丸は目を閉じ、精神を集中させていた --------------------
【選択肢:許せ、蘭丸を試したのだ】 【選択肢:精進せよ、蘭丸】 【森蘭丸】 ありがとうございます、新武将様 何が起こるかわからぬ乱世…油断は禁物。常に心を戦場に置く修羅となれとのお教えですね… 新武将様、どうかこれからも、至らぬ蘭を、厳しく導いてくださいませ -------------------- 新武将は、深くうなずいた -------------------- |
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2-1不逞の輩 | |||||
-------------------- 新武将が夜道を歩いていると、森蘭丸が不逞の輩に襲われているのに出くわした -------------------- 【牢人】 おうおう、女が夜道の一人歩きたあ危ねえなあ。俺らとつきあわねえかい、カワイコちゃんよ 【森蘭丸】 なにを馬鹿な! 蘭は男です! そのふざけた台詞の代償、体で払ってもらいましょう! -------------------- 新武将も蘭丸の助っ人に入る。こんな相手に武器は無用、二人は素手で次々と倒す あっという間に不逞の輩は、たたきのめされ全員戦意を失って逃げ散っていった -------------------- 【森蘭丸】 あなたは…新武将様…。危ないところをありがとうございました
先ほどの乱闘で、新武将の人差し指から血が流れていた。少し切ってしまったものと見える --------------------
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3-1心は常在戦場たれ | |||||
-------------------- 新武将は蘭丸の膝に頭を横たえ、耳かきをしてもらっていた --------------------
【選択肢:意地悪を言ったな、すまぬ】 【選択肢:まだまだだな】 【森蘭丸】 は…蘭の至らなさを思い知りました。精進いたします、新武将様 -------------------- こうして蘭丸は、新武将の仲間となった -------------------- |
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4-1最後の試練 | |||||
-------------------- 蘭丸が一人たたずんでいる。その足首は麻縄できつく縛られている そこに数名の忍びを連れて新武将が現れた。忍びたちは手に墨をたっぷり含んだ筆を隠し持っている -------------------- 【森蘭丸】 新武将様…いついらしていただいても結構です。蘭のすべて…ご覧ください -------------------- 新武将が無言で合図すると、忍びたちは蘭丸を囲み、墨汁まみれにすべく、音もなく動き出した -------------------- 【森蘭丸】 はあ…はあ…はあ…はあ… -------------------- 蘭丸は一滴の墨汁を浴びることもなく、すべての忍びたちを返り討ちにしていた あなたのお教えに従い、寸毫も油断いたしません。蘭に不意打ちは、もはや無効にございます 新武将様…蘭は、常に心を戦場に置く修羅となれましたでしょうか…? --------------------
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豊臣秀吉 | |||||
1-1意趣返し | |||||
-------------------- 秀吉は目の前に広がる青々とした田んぼを眺めていた -------------------- 【豊臣秀吉】 おう新武将か。ここはわしの故郷じゃ。今でこそわしは将として働いとるが、昔は貧乏でのう… 体も小さかったもんで、よう、苛められてな…。とくに仁王っちゅうガキ大将にはボコボコにされたわ… で、今日はその意趣返しに来たんじゃ…。悪いが仁王を探してくれ。ボコボコにしちゃるわ! -------------------- 新武将は仁王を見つけ出した。仁王は貧乏のせいか、痩せこけていた --------------------
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2-1誰も死なせぬ | |||||
-------------------- とある戦の後、一人の捕虜が秀吉の前に引き出された。その者は義に篤く、戦上手の強者だった 秀吉はその縛られた強者を前に腕を組み、新武将に尋ねた -------------------- 【豊臣秀吉】 この者、斬るべきか、斬らざるべきか…。お前さんならどうする?
秀吉は、捕虜を解放した。捕虜は秀吉に一礼し、去っていった -------------------- 【豊臣秀吉】 わしは甘いかのう…。でも、考えてみい。お前さんが敵の捕虜になったとする そんなお前さんが無傷で戻ってきたら、わしゃ嬉しいし、敵に一目置くで? |
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3-1ごぼう | |||||
-------------------- 新武将は秀吉の元に向かっていた。仲間になってほしいと頼み込むためである 新武将の前を突然、影がさえぎった -------------------- 【松永久秀】 我輩は他人の運命にはまーったく興味がない。が、忠告しておこう。サルは怖いぞ??
新武将は一抹の不安を覚えながら、秀吉の元に向かった 秀吉はたくさんのごぼうを抱えていた -------------------- 【豊臣秀吉】 新武将! 見てみい! あの仁王からじゃ! これから毎年送ってくれるとよ! こいつを見るたびにわしは、故郷を思い出す。いくら偉くなっても、初心を忘れることはない! ありがたいこっちゃ…仁王、ありがたいこっちゃ… -------------------- 秀吉はごぼうを抱きしめ、泣き始めた。そして真っ赤になった目で新武将を見つめた -------------------- 【豊臣秀吉】 みっともないとこ見せてまったな。お前さんの仲間になるんで、内緒にな? -------------------- 新武将は力強くうなずいた -------------------- |
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4-1闇に沈む秀吉 | |||||
-------------------- 秀吉に毎年ごぼうを送っていた男、仁王が死んだ。 仁王がやせ細っていたのは貧困と病からであった やがて、秀吉は出世し、一国を任されるほどの大身となった そんな時、秀吉の屋敷の外壁に秀吉を馬鹿にする落書きが発見された -------------------- 【豊臣秀吉】 わしを馬鹿にするとは、許さん! この落書きを描いた者を捕らえよ! -------------------- 落書きを描いた犯人は捕まらなかった。怒り心頭の秀吉は、屋敷の衛兵を呼びつけた -------------------- 【豊臣秀吉】 こんな落書きを許すとは…なんのための衛兵か! …お前は処刑じゃ! すぐに執行する!
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今川義元 | |||||
1-1鞠は友達 | |||||
-------------------- うららかな昼下がり…新武将は義元の屋敷に招かれた 新武将は氏康と共に縁側に腰かけ、義元が鞠を蹴るのを見ていた -------------------- 【北条氏康】 あいつの近くにいるとよ…どうも眠くなる。乱世とは無縁の、のどかさがあらあな… 世が平和だったら蹴鞠の名手として生きられたかもな。戦嫌いの殿様じゃ、乱世はどうしようもねえが… -------------------- 義元はぱっと目を輝かせ、新武将と氏康の下に駆け寄ってきた -------------------- 【今川義元】 そうじゃの! まろは戦は…嫌いじゃの! 皆で、仲よう蹴鞠がしたいの! 【北条氏康】 ド阿呆。今は乱世だ。いくらてめえが嫌がろうが国のため、民のため、戦は避けられねえ… 【今川義元】 氏康…いや義弟よ。ならば戦を蹴鞠に変えればいいの! 【選択肢:何だか嫌な予感がするの】 【選択肢:どういうこと?】 -------------------- 義元は胸元から書状を出した -------------------- 【今川義元】 義弟には見せておらなんだかの? 天下蹴鞠戦の案内じゃの! すでに諸大名に送ったの! 大会には二人一組で参加するの! まろと氏康は東海兄弟組として登録してあるの! -------------------- 氏康は、煙管を口からぽろりと落とした -------------------- |
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2-1目指せ、天下一 | |||||
-------------------- 天下蹴鞠戦。それは蹴鞠で勝った者が天下を治められるという大会 義元の発案で行われたこの大会は、なぜか、大名たちの支持を得て開催の運びとなった 競技の規則は簡単。鞠を交互に蹴り続け、鞠を落とした組が負けとなる 新武将も、義元と氏康を応援するため大会に馳せ参じた -------------------- 【今川義元】 天下蹴鞠戦…ついに始まったの! 我ら東海兄弟組最初の相手は…日本竜風会…? 【立花宗茂】 お手柔らかにお願いしますよ、義元公 【伊達政宗】 天下を賭けた大戦じゃ…負けんぞ、義元! -------------------- 試合が始まった。義元も宗茂も蹴鞠の達人。政宗も若さで喰らいつく…白熱の試合となった そのうち日本竜風会は氏康に狙いを定めた -------------------- 【北条氏康】 ド阿呆! だから! 言ったろうが! 俺に! こんなもん! やらせんじゃ! ねえ! -------------------- 宗茂は氏康が蹴られるか、蹴られないか絶妙なところに鞠を飛ばした --------------------
勝った、勝ったの! 義弟よ、よくやったの! 新武将、応援ありがとう、の! -------------------- 喜びを爆発させる義元の隣で、氏康がぐったりと地面に突っ伏していた -------------------- |
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3-1傷だらけの英雄 | |||||
-------------------- 天下蹴鞠戦・準決勝。相手は関東乙女組…甲斐姫とくのいちだった 新武将は前回と同じく、東海兄弟組を応援すべく、大会に馳せ参じた -------------------- 【くのいち】 熊姫さん、天下獲って、号令かけるんですって。世の男たちよ、あたしを愛せ! 天下人を愛せって 【北条氏康】 ったく…俺の周りはどうしてこう…ド阿呆ばかり… -------------------- 試合が始まった。甲斐姫の力強い蹴り、くのいちのしなやかな技の前に、東海兄弟組は防戦一方となった とくに氏康は緒戦の疲れもあり、動きが鈍かった -------------------- 【甲斐姫】 でいやあああああ! -------------------- 甲斐姫の一撃必殺の蹴り技が炸裂した。すさまじい速さの鞠が氏康を襲う --------------------
勝った、勝ったの! 義弟よ、よくやったの! 新武将、応援ありがとう、の! -------------------- 喜びを爆発させる義元の隣で、氏康は足を押さえ、うずくまっていた -------------------- 【北条氏康】 俺の足はもう限界だ…。ってことで次からはよろしくな、新武将 -------------------- 氏康はニヤリと笑った。新武将は急遽、義元の相棒となった -------------------- |
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4-1輝け! 黄金二人組 | |||||
-------------------- 天下蹴鞠戦・決勝。相手は日本天下組…信長と秀吉であった -------------------- 【豊臣秀吉】 わしゃ、こう見えて蹴鞠は得意中の得意! 信長様! 勝って天下、獲りましょうや! -------------------- 試合前、新武将は不安のあまり頭を抱えていた。義元が新武将に静かに語りかける -------------------- 【今川義元】 新武将、不安にならずともよい。この大会、開催することに意義があったのじゃ この大会…参加者も観衆も、皆、楽しんでおる。地獄の日々を今は忘れ、熱中しておる 蹴鞠を通じて、人々がかように一体とならば…戦など…なくなるのではないか? -------------------- 新武将は、ハッと頭を上げて義元を見た。そこにはいつものリスのような目をした義元がいた やがて試合が始まった。信長も秀吉も蹴鞠は名人級。対して新武将はド素人であった 試合は一対二の様相を呈してきた。さすがの義元にも疲れの色が見えてきた そして…信長の無慈悲な鞠が新武将目がけて飛んできた --------------------
勝った…勝ったの! 新武将、やったの! まろたちが一番! 蹴鞠で天下、獲ったのー! -------------------- 義元と新武将は抱き合って喜んだ。そんな二人を大歓声とまばゆい光が包み込んだ… -------------------- 【北条氏康】 ん? 何ぼーっとしてんだ? あまりの気持ちよさに寝ちまったのか? -------------------- 新武将の目の前には、いつものように蹴鞠を楽しむ義元の姿があった -------------------- |
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本多忠勝 | |||||
1-1忠勝のお戯れ・遭遇編 | |||||
【本多忠勝】 曲者 -------------------- 新武将が振り返ると、豪槍を構えた本多忠勝と目が合った -------------------- 【本多忠勝】 犬死したくば、我に挑め 【選択肢:敵ではありません!】 【選択肢:犬死したくありません!】 【本多忠勝】 問答無用、参れ! -------------------- 忠勝の槍が唸りを上げて振り下ろされ、新武将の頭上でピタリと止まった -------------------- 【本多忠勝】 勝負あった。新武将、精進が足りぬ -------------------- 新武将が固まっていると、忠勝の背後から、稲姫が顔を出した -------------------- 【稲姫】 父上、戯れが過ぎます。新武将様、父の無礼、なにとぞご容赦を 【選択肢:いたずら…って!】 【選択肢:ご容赦できない!】 【本多忠勝】 愚問。近頃、名を馳せている新武将が、いかほどの腕か、試したまで しかし、未熟よ。精進ののち、再び我に挑むがよい 【稲姫】 新武将様、本当にごめんなさい。父は、あなたの戦ぶりを見て気に入ったらしく… 稲も修行が足りず、父を止められません。これに懲りず、どうぞおつきあいください… |
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2-1忠勝のお戯れ・再臨 | |||||
【本多忠勝】 隙あり -------------------- 新武将が振り返ると同時に、本多忠勝が槍を振り下ろしてきた --------------------
勝負あった -------------------- 冷や汗をかいて動けずにいる新武将のもとに稲姫が駆け寄ってきた -------------------- 【稲姫】 新武将様、大丈夫ですか! 【本多忠勝】 修行を積んでいるようだな。前にしかけたときより動きがよい 【稲姫】 父上! 頼まれてもいないのに、稽古をつけるのはおやめください!
稲も修行が足りず、父を止められません。これに懲りず、どうぞおつきあいください… |
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3-1忠勝のお戯れ・達成編 | |||||
【本多忠勝】 待ったなし -------------------- 新武将が振り返ると同時に、忠勝が猛然と突進してきた --------------------
そこへ、例によって稲姫が現れた -------------------- 【稲姫】 新武将様、お見事!父が課した試練、ついに達成しましたね! 【選択肢:試練…って!】 【選択肢:ついにやったぞ!】 【本多忠勝】 今日より新武将は、この忠勝と対等の武人。拙者の加勢が入り用のときは、いつでも参られよ 【稲姫】 稲はまだ、父の試練を達成できずにいるのに…。さすがですね! 稲も精進しなくては! これからも、父上とよろしくおつきあいください! |
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4-1忠勝のお戯れ・逆襲編 | |||||
-------------------- 日頃、一方的に忠勝に襲われていた新武将は稲と結託して忠勝を襲撃する計画を立てた -------------------- 【稲姫】 まず新武将様が草むらから飛び出して父上を襲ってください 新武将様に気を取られている父上の背後から、稲が矢を放ちます -------------------- 新武将は、作戦どおりに草むらで待ち伏せし、忠勝が通りかかると同時に飛び出した -------------------- 【本多忠勝】 甘い! -------------------- 新武将は、即座に応じた忠勝によって組み伏せられた -------------------- 【井伊直虎】 勝負あって、ごめんなさい! -------------------- 忠勝に抑えられながら顔を上げると、井伊直虎が稲姫を羽交い絞めにしていた -------------------- 【稲姫】 う…参りました… 【本多忠勝】 敵は一人とは限らぬ。ぬかったな、新武将、稲 【選択肢:だからって、直虎…?】 【選択肢:なんでバレたんだ…?】 【井伊直虎】 たまたま通りかかったら忠勝さんに頼まれてしまって…新武将さん、稲さん、すみません 【稲姫】 いえ…勝負は勝負、修練が足りませんでした 【本多忠勝】 武は、遥けき高み…。我らの修練に終わりなどない |
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稲姫 | |||||
1-1挑戦 | |||||
【稲姫】 あっ! 新武将様! 捜しておりました! -------------------- 凛とした声に振り向くと、稲姫が立っていた -------------------- 【稲姫】 大層お強いとの噂。後学のため、手合せ願います!
新武将は稲姫との立ち合いに応じた。しかし、決め手となる技が出ず、引き分けとなった。 -------------------- 【稲姫】 この勝負、今日のところは引き分けですね… お互い、さらなる精進を積んだのち、また立ち合いましょう どちらがより強くなれるか…正々堂々、勝負です! |
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2-1再戦 | |||||
【稲姫】 あっ! 新武将様! 捜しておりました! -------------------- 元気な声に振り向くと、稲姫が立っていた -------------------- 【稲姫】 あれから精進を重ね、少しは強くなったつもりです。いざ、お手合せ願います!
新武将は稲姫との立ち合いを受けた。しかし、決め手となる技が出ず、引き分けとなった。 -------------------- 【稲姫】 …修練を重ねていたのは、あなたも同じだったようですね… この勝負、今日も引き分けです… -------------------- 稲姫は、額に汗を光らせ、肩で息をしていたが、新武将に向けられた表情は明るかった -------------------- 【稲姫】 あなたという目標ができて、日々の修練に張りが出てまいりました お手合せいただき、感謝します! ですが、次は負けません! |
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3-1奇襲 | |||||
【稲姫】 新武将様、覚悟ーっ! -------------------- 新武将が振り返ると同時に、稲姫が襲いかかってきた --------------------
さすがです! …でも、甘いっ! -------------------- 稲姫が言い終わると同時に。新武将の頭にコツンと何か当たった -------------------- 【稲姫】 あらかじめ、矢を空に向かって放っておいたのです。時間差で降ってくるように -------------------- 矢じりの代わりにたんぽがつけられた矢を拾い上げつつ稲姫は嬉しそうに解説した -------------------- 【稲姫】 この勝負、私の勝ちですね! 【選択肢:正々堂々の勝負はどうした!】 【選択肢:もう一番、勝負!】 【本多忠勝】 愚問! 命は一つ、敗者は何も語れぬ。潔く負けを認めよ、新武将 -------------------- 一部始終を見ていたらしい忠勝が、歩み寄ってきた -------------------- 【本多忠勝】 だが、稲の初撃に対する応じ方は見事であった。まっとうに立ち合えば、稲は敗れていただろう 【稲姫】 はい…父上のおっしゃる通りです 【本多忠勝】 両者互角、ゆえに勝者なし。この後は、戦場にて功を競うがよい 【稲姫】 は、父上。…新武将様、ふつつか者ですが、よろしくお願いいたします! |
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4-1縁談 | |||||
-------------------- 新武将と稲姫は、共に武を磨くべく立ち合いを繰り返し、戦場では功を競い続けた ある日、新武将は、いつものように稲に立ち合いを申し入れに行った -------------------- 【選択肢:今日こそ打ち負かしてやる!】 【選択肢:問答無用、覚悟ー!】 【稲姫】 新武将様、今日はそういう気分では… -------------------- いつもなら目を輝かせて立ち合いを受ける稲姫が、今日は身構えるでもなくうつむいている。 -------------------- 【稲姫】 実は、私に縁談が来ているのです。でも稲は… -------------------- 稲姫は新武将に近づくと、上目使いで、チラリと新武将をうかがった。 -------------------- 【稲姫】 新武将様は…その…どう思われますか -------------------- いつも猪突な稲姫が、今日は別人のようにしおらしい。艶やかな表情の稲姫に新武将は思わず叫んだ --------------------
稲、そこにいたか ふむ、新武将も来ていたか -------------------- 突然、忠勝に声を掛けられ、稲姫は慌てて新武将から離れた -------------------- 【稲姫】 ち、父上! 【本多忠勝】 何を慌てておる…? ところで、例の縁談だが…断った 【稲姫】 え? 父上は乗り気だとばかり… 【本多忠勝】 愚問、未熟な娘を他家にはやれぬ。なあ、新武将 -------------------- 新武将と稲姫は、お互いにホッとした表情で顔を見合わせると、どちらからともなく笑いだした -------------------- 【本多忠勝】 笑っている暇あらば、稽古を続けよ。どうせ新武将は稲と手合せに来たのであろう 【稲姫】 そうでした。新武将様! 正々堂々、勝負です! -------------------- 新武将と稲姫の修練は、この先もまだまだ終わらない -------------------- |
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徳川家康 | |||||
1-1三菜採り | |||||
-------------------- 新武将は山で徳川家康に出会った -------------------- 【徳川家康】 これは、これは、新武将殿。かような場所で奇遇にござるな わしは鯛の天ぷらを好みまするが、鯛はちと高直にて。それで山菜の天ぷらを食おうと山菜取りに参ってござる 自ら採りに参れば、ただでごさるゆえ。あ、無論、山菜採りの許可は取っておりまするぞ -------------------- 新武将は家康の山菜取りにつきあうことにした --------------------
新武将はこうして、家康と知己となった -------------------- |
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2-1狸 | |||||
-------------------- 新武将が家康を訪ねると、家康は、しかみ像のような思案顔をしていた -------------------- 【徳川家康】 ああ、新武将殿。この間、また、狸と呼ばれてしまいましてな
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3-1人の一生は | |||||
-------------------- 新武将は家康と話をしていた -------------------- 【徳川家康】 人の一生は重き荷を背負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず 不自由を常と思えば不足なし。心に望み起こらば、困窮したる時を思い出すべし 堪忍は無事長久の基。怒りを敵と思え 勝つことばかり知りて負くることを知らざれば、害、その身に至る 己を責めて、人を責むるな。及ばざるは過ぎたるに勝れり…これが我が信条にござる 【選択肢:家康らしいね】 【選択肢:全然守れてないじゃん】 【徳川家康】 なかなかにこの通りに成すのは難しく…。それゆえ、日々こうあらねばと思うのでござるよ ついては、新武将殿、心身の修行も兼ね、そなたの仲間に、わしを加えてはもらえませぬかな? -------------------- こうして家康は、新武将の仲間になった -------------------- |
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4-1鷹狩り | |||||
-------------------- 新武将は家康と共に鷹狩りに来ていた -------------------- 【徳川家康】 わしは鷹狩りが好きでしてな。鷹狩りは運動になり体にもよく、また民の生活にも触れられまする またちょっとした訓練にもなり、戦がなくとも、平時ではわからぬ、家臣の才覚などがわかりまする
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石田三成 | |||||
1-1持つべきもの | |||||
-------------------- とある戦の出陣前、三成は各陣を忙しそうに回っていた そのかたわらで悠々と自らの支度のみを進める他の将に三成がいらいらしているのが見てとれた 新武将は見かねて、三成に協力を申し出た -------------------- 【石田三成】 要らぬ。仕事を一から説明するほうが手間だ -------------------- 新武将は思わずむっとした。そこに加藤清正、福島正則、大谷吉継が現れた -------------------- 【加藤清正】 おい三成、お前いつまでその格好だ。そろそろ支度しないと、まずいんじゃないか? -------------------- 三成は清正をものすごい形相でにらんだ後、仕事を片づけ、自分の出撃準備をしに行った 鎧具足に身を包んで現れた三成を見て、思わず新武将たちは失笑した 新品の甲冑は三成の華奢な体よりかなり大きいらしく、数歩歩くたび、三成は不安定によろめいた -------------------- 【福島正則】 ぐ…ぷぷぷぷぷ、無理すんなって頭デッカチ! かっこつけたとこで余計弱そうだっつの! -------------------- 三成の顔がみるみるうちに真っ赤になった -------------------- 【石田三成】 そうだな。重い武具など思考を鈍らせるだけだ。俺はこのまま出る -------------------- 三成は甲冑を脱ぎ捨てると、いつもの格好のまま行ってしまった -------------------- 【加藤清正】 待て。馬鹿な意地張るな。どうなっても知らんぞ 【大谷吉継】 …他の者の物資補給に気を配るあまり自分の武具など煩わしく採寸を適当に見積もった流れか -------------------- その戦で、薄着の三成を新武将と清正、正則、吉継は協力して援護した -------------------- |
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2-1計数の才 | |||||
【石田三成】 …お前か。この前は世話になったな -------------------- 三成は新武将のために時間を作ってくれた。二人は秀吉が作り上げた町を散歩した -------------------- 【石田三成】 …俺は武働きが不得手でな。清正や正則によく馬鹿にされる 非常に不愉快だが…感謝もしている。戦ではさりげなく、俺を援護してくれるしな 【選択肢:三成は戦もできる男だ】 【選択肢:素直にお礼を言えばいいのに】 【石田三成】 まったく正則といい、お前といい…深く考えずに物を言える頭がうらやましい 戦は苦手だが…算術は昔から得意でな。軍備、補給、帳簿、検地、まあ何でもだ この世に、数の理ほど揺ぎないものはあるまい。どれほど難解な問いであろうが、答えは必ず存在する …俺の算術の才を、秀吉様は買ってくださった。そしてこの町が築かれ、民の豊かな生活が生まれた 新武将、俺もいつかこんな町を作ってみたい。それが俺の夢、なのだ |
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3-1夢の始まり | |||||
-------------------- 三成は出世して、自らの領土を得ていた。新武将は三成の町を訪れた -------------------- 【石田三成】 新武将。なかなかいい町だろう? 俺の、夢の始まりだ -------------------- 三成の領土はまだ発展途上だったが、人々は皆、笑顔にあふれ、希望に満ちていた -------------------- 【石田三成】 確かに今は、まだこれからの町だ。だが…俺はここを、いつか秀吉様の町のようにしてみせる -------------------- 三成はふいに言葉を切った。そして、ぎこちなく新武将に尋ねた -------------------- 【石田三成】 お前には、その…夢というものが、あるのか?
二人はお互いの夢のため、協力し合うことを誓った -------------------- |
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4-1計れぬもの | |||||
-------------------- 新武将は、再び三成の町を訪れた。町は見違えるほど豊かになり、活気にあふれていた -------------------- 【石田三成】 …お前とともに旅をして、わかったことがある 俺は数がすべてだと思っていた。だがそれは違う。将らの志が結び合ったとき、数にも勝る力になる 常に絶対的な答えを求め、思考するあまり、思うに…俺には勇が足りぬのだ 人を数としてとらえ、動かそうとするのではない… ただ人を人として信じ、心を通わせようという勇気が -------------------- 三成はそこまで言うと、新武将の瞳をまっすぐ見つめ、言った -------------------- 【石田三成】 俺はいつか、日本中をこの町のように豊かにする。新武将、その夢を共に追いかけてくれないか
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浅井長政 | |||||
1-1二兎を追う | |||||
-------------------- 新武将が山を歩いていると、その足音に驚いた兎が二羽、草むらから飛び出した 兎はよほど驚いたのだろう、闇雲に駆け回り、崖から落ちようとした -------------------- 【浅井長政】 危ない! -------------------- 草むらから現れた長政が、兎を一羽助けあげた。だがもう一羽はもう…! それでも長政は手をのばす! もう一羽…! ああっ、落ちる! --------------------
一羽でやめておけば、そなたに迷惑をかけずに済んだ。だが、どうしても二羽とも助けたくてな 一羽だけ生き残っても、残された兎が可哀想だろう? 皆が幸せになれなければ、悲しいからな -------------------- 新武将はこうして、長政と知己となった -------------------- |
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2-1浅井岳 | |||||
-------------------- 新武将が長政を訪ねると、織田信長が来て話をしていた -------------------- 【浅井長政】 最近、伊吹山に南蛮渡来の薬草を植えられたと聞きました 【織田信長】 そういえば、長政、近江にはかかる昔話があるそうな。伊吹山の神と、なんとかという山の神が高さを競った なんとかという山のほうが高く、勝った。怒った伊吹山の神はその山の神の首をはね、低くした それゆえに、今、近江で一番高い山は伊吹山。その山の首は琵琶湖に落ち、竹生島となったそうな… -------------------- 信長は、意味深なことを言い、去っていった --------------------
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3-1急がば回れ | |||||
-------------------- 新武将は浅井長政と共に近江・草津の宿から大津の宿へ渡ろうとしていた -------------------- 【浅井長政】 ここから大津に渡るには琵琶湖を直線で突っ切る水路の矢橋の渡しと、湖を迂回する陸路の瀬田の長橋がある どちらも風光明媚な近江の名所だが…新武将、どちらから行く?
なんにせよ、そなたとゆっくり旅ができたので、某は愉しかったよ -------------------- 浅井長政は、満面の笑顔でほほ笑みかけた こうして長政は、新武将の仲間になった -------------------- |
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4-1その「誰か」となる | |||||
-------------------- 新武将は長政が戦場に出た。戦に利あらず、撤退途中、長政ははたと気づいた -------------------- 【浅井長政】 まだ撤退できていない者がいる! 敵中に取り残されているのだ。助けに行く! -------------------- 家臣たちが危険だと止めるのも聞かず、長政は戦場に取って返し、一人の若者を救出して戻った 戦後、陣中で二人っきりになったとき、新武将は長政に言った --------------------
乱世が悪い。人の世はそうなっている…確かにそうだ。でも、ならば、自分がここにいる意味はなんだろう? 自分がそこにいる意味はそれを変えるためじゃないか? 自分が見たい世界を見るために生きてるんじゃないか? 皆が幸せになれる世など今は夢物語にしか見えない。だが、動かなければ夢はいつまでたっても夢のままだ そう、誰かが、それも大勢の誰かが動かなければ。その誰かのうちの一人に、まず某がなろうと決めたのだ 新武将、そなたにも誰かの一人になってほしい。某と共に夢を見てほしい。某の隣で… |
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島左近 | |||||
1-1飲み屋の一時 | |||||
-------------------- 新武将が飲み屋で飯を食べていると、酔っ払った牢人たちに絡まれた -------------------- 【牢人】 おい、見ろよ、こいつ…。酒飲まねえで、飯ばかり食ってやがる 下戸か? お子ちゃまなのか? ほら?酒やるから一緒に騒ごうや -------------------- 牢人の身なりは貧相だった。貧困の憂さを、飲みで解消しているのだろう そう思った新武将は怒りもせず、温かい眼差しで解釈し、飯を食べ続けた すると突然、牢人の一人が新武将の飯を放り投げた -------------------- 【選択肢:もったいないでしょうが!】 【選択肢:……】 【牢人】 てめえ、やるってのかあ? 俺はこれでも元は筒井家家臣の… 【島左近】 そこら辺でやめませんか。酒がまずくなります 【牢人】 あん、誰だ、てめえは! 【島左近】 元筒井家臣の牢人、島左近です。お宅らも筒井家の人間だったと? 見ない顔ですね? 【牢人】 し、島、左近…! -------------------- 牢人たちはそそくさと逃げていった -------------------- 【島左近】 ま、牢人たちも日々大変で、荒んでるんです。今日のとこは、これで許してあげてください -------------------- 左近は自分のおかずを一品、新武将にあげた -------------------- |
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2-1兵士の行き場所 | |||||
-------------------- 新武将はとある戦に参戦していた。 その戦は勝利に終わり、兵たちが勝ちどきを上げていた -------------------- 【島左近】 あんたもこっち側にいたんですかい。どうりで楽に勝てたわけだ -------------------- 隣にいつの間にか左近が立っていた。左近も押しかけ軍師として参戦していたらしい -------------------- 【島左近】 今は勝利を無邪気に喜んでますが…泰平の世が来たら、あの兵たちはどうするのかね…
ま、みんな俺と同じ牢人に格下げ、ですな 国や家族のため、命懸けで戦った連中を皆、蔑むような目で見るわけだ…たまんないね -------------------- 左近は寂しそうに首を振り、戦場を去った -------------------- |
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3-1これも軍学 | |||||
-------------------- 新武将は左近の姿を求めて賭場に向かった 賭場は熱気に満ちていた。あちこちで歓声と悲鳴が聞こえる -------------------- 【島左近】 おや、新武将さん。ダメですよ、こんな所に来ちゃ 【選択肢:調子はどう?】 【選択肢:あなたもダメでしょ】 【島左近】 俺はそんなに賭けてませんよ。場の雰囲気を楽しんでるだけです -------------------- 島左近はにやりと笑うと新武将にささやいた -------------------- 【島左近】 賭場は人間の本質が出る。こういうとこで目を肥やすと、後々生きてくるんですよ あ、手持ちがなくなっちまった…。新武将さん、貸しちゃいただけませんか? -------------------- 新武将は仕方なく、少しばかりの銭を貸した。だが、左近は無残にも負けた -------------------- 【島左近】 あーあ、すっからかんになっちまった…。借りた金も返せないね、こりゃ 仕方ない、体で払うとしましょ。この島左近、どうぞこき使ってください -------------------- こうして、左近は新武将の仲間となった -------------------- |
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4-1軍略の生き場所 | |||||
-------------------- 新武将はとある戦に参戦していた。その戦は勝利に終わり、兵たちが勝ちどきを上げていた 新武将の隣には左近がいた。彼もまた押しかけ軍師として参戦していたらしい -------------------- 【島左近】 兵たちは泰平まで生き抜いたとしても、厄介者扱い。牢人となって、町をさまようだけだ… いっそ華々しく討死したほうが、幸せかもしれないね。…俺も含めて
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島津義弘 | |||||
1-1丁半 | |||||
-------------------- 新武将は、島津義弘のもとを訪れ、その知己になりたいち申し出ていた -------------------- 【島津義弘】 知己…のう。わしにバクチで勝てたら、な -------------------- 義弘は持ち歩いている壺にさいころを入れ、振った。そして一度壺を揺すると、言った -------------------- 【島津義弘】 ピンゾロの丁 -------------------- 壺を上げると中の目はまさに1が2つで出目は2、丁だった -------------------- 【島津義弘】 お主が次、丁半の目を当てられたら知己となろう。さて、丁半どっちだ? 【選択肢:丁】 【選択肢:半】 -------------------- 義弘は新武将の言葉を聞くとにやりと笑い、先ほどと同じように、壺を揺すろうとした --------------------
※【選択肢:見ている】を選択時のみ
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2-1鬼仔猫 | |||||
【島津義弘】 おお、新武将。息災そうで何より -------------------- 義弘の肩当てから、にゃあという鳴き声がした。声からして、仔猫が肩当てにもぐりこんでいるようだ -------------------- 【島津義弘】 こやつは狭い所が好きでな。気がつくと潜り込んでおる
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3-1おいちょかぶ | |||||
【島津義弘】 お主とはずいぶん長いつきあいになるな。今日はお主が、わしの戦の友にふさわしいが試したい これは南蛮渡来の「かるた」というものだ。札には1から10までの数字が振ってある 遊び方はいろいろあるが、今日は足して一桁めが9に近いほうが勝ちという遊びで一勝負参ろう -------------------- そう説明しつつ、義弘は札を操って配った。繰り方が綺麗で規則的すぎる…イカサマくさい --------------------
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4-1茶話 | |||||
-------------------- 新武将が島津義弘を訪ねると、そこには民が入れ替わり立ち替わり訪れていた -------------------- 【島津義弘】 わしも年を取り、寂しがりになってな。誰でもよいので茶の相手をしてくれと高札を出したのよ
義弘の肩当てから仔猫も、それがいいというように にゃあと一声、嬉しそうに鳴いた -------------------- |
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立花誾千代 | |||||
1-1颯爽と | |||||
-------------------- 夜更けの山道を歩いていた新武将は、山賊に落ちた牢人たちの群れに囲まれてしまった -------------------- 【牢人】 ここを通るにゃ俺らに通行料を払わんといかんのよ。身ぐるみ置いてってもらおうかい? ああん? -------------------- そこへ一つの影が現れ、牢人たちに突っ込んでいった -------------------- 【立花誾千代】 うなれ、雷切! 悪人どもをなぎ倒せ! -------------------- 誾千代は牢人どもをあっという間に平らげて、その首領とおぼしき男に剣を突きつけた -------------------- 【立花誾千代】 この場で改心するか、死ぬか、好きなほうを選ばせてやる -------------------- 牢人たちは絶対に改心すると、命乞いをして、ほうほうのていで逃げていった -------------------- 【立花誾千代】 大丈夫か? ケガはないようで安心した。私は立花誾千代。お前の名は?
夜更けの一人歩きは危ない。私が送っていこう、いいかな? -------------------- 新武将がうなずくと、誾千代は嬉しそうに微笑んだ -------------------- 【立花誾千代】 父上から譲り受けし雷切に誓って、この道中、お前を守ろう。誰にも傷一つつけさせはしない |
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2-1ぼた餅 | |||||
-------------------- 新武将は、先日の礼に、ぼた餅を持って誾千代のもとを訪れた -------------------- 【立花誾千代】 はあああ! そ、それはぼた餅ではないか! ま、丸い、丸いぞ! はあああ! -------------------- 誾千代はひとつだけ取ると、あとは家臣領民に分けてやるようにいい、小さな口で食べ始めた -------------------- 【立花誾千代】 はあああ! 丸いな! 小豆色だ! そして甘い! もぐもぐ…幸せだ! もぐもぐもぐ…はあああ!
そう言って、誾千代は指についたあんこをペロリとなめて、微笑んだ -------------------- |
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3-1ぼた餅を作る | |||||
-------------------- 新武将が、甲斐姫に会ったとき、誾千代とぼた餅の話をした -------------------- 【甲斐姫】 なにそれ。ぼた餅くらいで面白いお姫様ね。いいわ、あたしが行って、ぼた餅作ったげる -------------------- 誾千代に仲間になってほしいと考えていた新武将は、ぼた餅で釣るのも一手だなと考えた そこで甲斐姫は、酔狂にも、新武将とともに誾千代のもとへ行き、ぼた餅を作ることになった -------------------- 【立花誾千代】 はあああ! ぼ、ぼた餅を作ってくれるのか? 丸くて可愛いぼた餅を、しかも、目の前で!? 【甲斐姫】 お菓子作り得意なのよ。あたしの女子力ナメんな? さーて、んじゃ、気合い入れていくわよ! -------------------- 甲斐姫はそういうとてきぱきと作業を続けた。炊きあがった小豆のおいしそうなにおいがする -------------------- 【甲斐姫】 さて、ここでお塩をぶち込みます 【立花誾千代】 ええええええ!? 甘いぼた餅にそんなにお塩を…! だだだ、大丈夫なのか? そ、そんなに入れて! 【甲斐姫】 え? 大丈夫に決まってるでしょ? さ、できた、食べてみ -------------------- できあがったぼた餅を、誾千代は恐る恐る口に運ぶ。…と、神妙な顔つきは一転、笑顔になった -------------------- 【立花誾千代】 うん、おいしい! さっぱりとして味が立つな。塩や私のような甘くないものも、こんなになれるのか… -------------------- 誾千代は感慨深げに言った -------------------- |
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4-1ぼた餅様の休息 | |||||
-------------------- 山で、開墾作業をしている男が休憩しているところに新武将は出くわし、呼び止められた -------------------- 【牢人】 おおい、あんた、いつぞやは悪かったな。俺だ! 昔、あんたを襲った山賊だ -------------------- 聞けば、今は皆、改心し、誾千代の世話で、開墾の仕事に就いているという -------------------- 【牢人】 キツいが、この仕事は誇りを持ってやれる。姫さんは俺らをねぎらってぼた餅を差し入れてくれたよ -------------------- 男は、手にしたぼた餅を頬ばり、笑った。顔には、以前にはなかった活き活きとした生気を感じる -------------------- 【牢人】 俺らみたいのまで気づかって、姫さんも大変だ。姫さんとこ行くなら、少し休むよう言ってくれや -------------------- 誾千代のもとを新武将が訪れると夜だというのに、誾千代は仕事にかかりきりだった -------------------- 【立花誾千代】 ああ、お前か…すまない…。少し待ってくれ。まだ、この書類に目を通さねばならないの…だ… -------------------- その言葉も終わらないうちに、誾千代は倒れ込み、新武将の膝の上で静かな寝息を立て始めた 数刻後、誾千代は、新武将の膝の上で目を覚まし ばつが悪そうに顔を真っ赤にして怒鳴りだした -------------------- 【立花誾千代】 な、なんだ、お前が悪いのだぞ! 立花に休息はない! お前が一緒にいると、私はすごく安心して、つい…! …失態だった、今の言葉は忘れてくれ。…そして失態ついでに、もう少しだけ、こうしていたい -------------------- そう言って、誾千代は新武将の膝にやわらかく温かい頬をすり寄せた -------------------- |
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直江兼続 | |||||
1-1田植え唄 | |||||
-------------------- 新武将は田んぼで驚くべき光景を見た。兼続が民に交じって田植えをしていたのだ -------------------- 【直江兼続】 つんつんつんつん、早苗を植えよ? 今年も豊作、次も豊作、万年豊作、ハア、めでたい 腹が減ったら、みんなでおにぎり? 腰が痛けりゃ、連れにもませろ?ハア? -------------------- 兼続は呆然としている新武将に気づいた。彼の顔は泥まみれだった -------------------- 【直江兼続】 おお! よいところに! 一緒に田植えをしよう! そして唄おう!
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2-1犬猿の仲 | |||||
-------------------- 新武将は兼続とともに政宗に招かれ、伊達家の茶室に向かっていた -------------------- 【直江兼続】 将たる者、茶器に金をかけるなど言語道断! が…政宗は茶の作法を知らぬ私を敢えて招き、私を笑い者にしようと言うのであろう 浅はかだな…私にはお前がいるのだ、新武将! 茶の席ではお前のまねをするゆえ、よろしく頼むぞ! -------------------- 政宗の茶室に着いた。政宗は流れるような所作で茶を点てた いかにも高そうな茶碗が新武将の前に置かれた --------------------
政宗の茶室を辞した後、兼続は満面の笑みを浮かべた -------------------- 【直江兼続】 山犬のあんな顔を見られて楽しかった! たまには上方のくだらぬ遊びもよいものだな! |
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3-1義戦士誕生 | |||||
-------------------- 新武将は兼続の屋敷を訪れた。屋敷は人でごった返していた -------------------- 【直江兼続】 義とは! 【牢人】 弱きに寄り添い、強きをくじく正義の心なり! 【直江兼続】 愛とは…! -------------------- 兼続は数十人の牢人の前で演説をしていた。牢人たちは皆、目をきらきらさせていた 新武将は演説を終えた兼続に近づいた -------------------- 【直江兼続】 人は財産だ。私は食い扶持にあふれた牢人たちを義戦士として養成している だが、さすがに我が俸禄だけでは厳しいのでな。自ら田を耕し米を作り、質素倹約に努めているのだ
兼続は新武将の手を取り、牢人たちの前に立った -------------------- 【直江兼続】 諸君! 今ここに新たなる義戦士が誕生した! -------------------- 兼続の屋敷は割れんばかりの歓声に包まれた -------------------- |
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4-1愛の唄 | |||||
-------------------- 新武将は田んぼでいつか見た光景に出くわした -------------------- 【直江兼続】 つんつんつんつん、早苗を植えよ? 今年も豊作、次も豊作、万年豊作、ハア、めでたい 腹が減ったら、みんなでおにぎり? 腰が痛けりゃ、新武将にもませろ?ハア?
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ねね | |||||
1-1ねね特製の忍者薬 | |||||
-------------------- 今日の戦もまた厳しいものだった。だが、ねねの励ましでなんとか乗り切ることができた -------------------- 【ねね】 こら! そのまま帰る気? ほんと世話の焼ける子。ほら、膝小僧が擦りむけてるよ -------------------- ねねは懐紙に謎の薬をつけ、すり傷をふいてくれた。なんだか痛い! -------------------- 【選択肢:優しくお願いします】 【選択肢:その薬はなんぞ?】 【ねね】 動いちゃダメ! もうちょっとの辛抱だからね。はい、強い、強ーい こうして、こうして…はい、これでよし! よくガンバったよ、いい子だね -------------------- …さっきより痛みが増した気がする -------------------- 【ねね】 ねね特製の忍者薬を塗っといたからね。二、三日はズキズキうずくけど、すぐによくなるよ -------------------- ねねは笑顔で去っていった。傷はめちゃくちゃうずいたが、三日後、綺麗に治った -------------------- |
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2-1浮気封じ | |||||
-------------------- とある日の夕方、新武将はねねに呼ばれた。ねねはいつになく思い詰めた顔をしている -------------------- 【ねね】 実は、うちの人のことで相談があるんだけど、聞いてくれる? うちの人の浮気癖のことなんだけどね? こないだも、きっつーくお仕置きしたんだけど… あの様子じゃきっとまた…! ね、何かいい方法ない? 金輪際、二度と浮気したくなくなるような方法… -------------------- 見れば、ねねの前には、忍び道具がずらりと並べられている くない、撒きびし、鎖鎌、拘束具、爆弾…その他、使い方もよくわからない恐ろしい道具ばかりだ -------------------- 【ねね】 あたしはうちの人のためなら何だってできるのに…。どうして心が通じないのかな… -------------------- ねねは砥石で鎖鎌を研ぎ始めた。…このままでは秀吉の命が危ない! --------------------
ねねは鎖鎌の刃先を確かめるとにっこり笑った -------------------- 【ねね】 さて、道具の手入れはこれでおしまい。そろそろ夕飯の支度をしなくちゃ。ね。お腹空いた? -------------------- ねねは、忍び道具を手早く葛篭にしまうと、鼻唄を歌いながら出ていった …どうやら秀吉の命の心配はないようだ -------------------- |
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3-1いい夢 | |||||
-------------------- とある日の夜、新武将は母の夢を見た 気づくと、ねねの部屋の前に立っていた。気配を察したねねは、快く部屋に上げてくれた -------------------- 【ねね】 ほら、湯漬けでも食べてあったまって。そういえば、うちの人の浮気癖なんだけど…
※【選択肢:ねねだって同じだ】を選択時
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4-1あたしの子供たち | |||||
-------------------- 夜、新武将はねねに呼ばれた。新武将は枕を持ってねねの部屋に向かった 新武将はねねの布団に横になった -------------------- 【ねね】 こら! 何やってるの! お行儀が悪い子だね! -------------------- 新武将は慌てて身を起こした。だが、ねねはふすまの向こうを睨んでいる ややあってふすまが開いた -------------------- 【加藤清正】 おねね様、俺は… 【ねね】 こないだもそうやって盗み聞きしてたでしょ! まったく、やきもち焼きが多くて困っちゃうよ -------------------- 清正は真っ赤になって顔を伏せた -------------------- 【ねね】 新武将、清様を許してあげてね。清様の気持ちはわかるでしょ? -------------------- ねねは清正の手を取ると、新武将の手と重ねた -------------------- 【加藤清正】 ……? 【ねね】 みんな、あたしの子供たち。仲よくしなきゃ! 二人っきりで親睦を深めてね! 【加藤清正】 …… -------------------- 清正と新武将の間に気まずい沈黙が流れた -------------------- 【ねね】 素敵な旦那様と仲のいい子供たち。お前様、あたしは日本一の幸せ者だよ! |
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風魔小太郎 | |||||
1-1凶つ風 | |||||
-------------------- 新武将は道を歩いていると、目の前に風魔小太郎が突然、風のように現れた -------------------- 【風魔小太郎】 風の噂に聞いている…。各地をさまよっているようだな
我こそは終末、混沌をもたらす風よ。うぬも壊してやろう…
混沌の世、生きていれば、また会うこともあろう… |
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2-1混沌の正体 | |||||
-------------------- 新武将は町を歩いていると風魔小太郎を見かけた あとを追いかけるが、完全に見失ってしまった -------------------- 【風魔小太郎】 誰を探している -------------------- 新武将の目の前に急に小太郎が現れた -------------------- 【風魔小太郎】 何故我をつける
新武将は言われた通りに、小太郎の体を触り、その秘密を探ってみる だが、小太郎の甲冑がどんな素材で作られているのかすらわからなかった -------------------- 【風魔小太郎】 おしまいだ、いつまで触っている。…で、わかったか? -------------------- 新武将は首を振った -------------------- 【風魔小太郎】 それでよい。わかった瞬間、うぬの首は一周していた |
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3-1虚と実 | |||||
-------------------- 新武将は、再び町で小太郎を見かけた 新武将が追いかけると、小太郎は腕を落とした。新武将は拾って、小太郎に手渡した -------------------- 【風魔小太郎】 ほう、これを我に? 動じぬな…いい子犬だ、これをやろう -------------------- 小太郎はそう言うと、まんじゅうを新武将の足元に落とした --------------------
これは、石を術でまんじゅうに見せただけだ… -------------------- 小太郎の手の中で、まんじゅうは石に変わった -------------------- 【風魔小太郎】 可愛い子犬の困る顔が見たかっただけよ。ほら、これで機嫌を直せ -------------------- そういうと、小太郎は綺麗なまんじゅうを新武将に手渡した -------------------- 【風魔小太郎】 これは本物だ…食え… 我の言うことが本当ならば…の話だがな -------------------- 小太郎は不気味な笑いを残して去っていた -------------------- |
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4-1魅入られしもの | |||||
-------------------- 新武将は町で小太郎を見かけた。いつも町で何をやっているのか尋ねてみた -------------------- 【風魔小太郎】 いいだろう…。うぬは特別だ… -------------------- 新武将は小太郎のあとをついて行く そこには一匹の子犬がいた -------------------- 【風魔小太郎】 うぬによく似た生き物よ。ときに正直で、ときにあまのじゃく だが、目はまっすぐ先を見つめている
うぬは魔を前にしても、恐れず、歪むことなく、壊れずにいる うぬが魔に魅入られたか。魔がうぬに魅入られたか 可愛い子犬よ…。手元に置かずにおれぬ… うぬが壊れる様、最期まで見届けたくなった… -------------------- 小太郎は、新武将の影の中へ消えていった 地面を調べてみたが、小太郎は見つからなかった -------------------- |
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宮本武蔵 | |||||
1-1剣馬鹿 | |||||
-------------------- 夜更け、新武将が宮本武蔵と人気のなくなった街中を家路へ急いでいると -------------------- 【河内守永国】 御免! -------------------- 突然、剣を持った男が暗闇から襲いかかってきた。武蔵はとっさに懐に潜り込み、剣を奪い男を締め上げた -------------------- 【宮本武蔵】 おい、お前、なんで襲いかかってきた? まさか辻斬りじゃねえだろうな? 【河内守永国】 私は刀工でございます。我が魂を込めた作品を、高名な武芸者である武蔵殿で試したく襲いかかりました 【宮本武蔵】 なんだ、そうだったのか。じゃ、いいや。許してやるぜ 【選択肢:いいの?】 【選択肢:ダメでしょ】 【宮本武蔵】 いいよ、俺だったら絶対斬られないから。罪の犯しようがねえだろ? 無罪無罪 【宮本武蔵】 それより、この刀…あんた、けっこういい腕だな。二度とこんなことしねえなら、仕事紹介するぜ? -------------------- 武蔵はそう言うと、刀工を自宅に招き、夜通し語り合い、自らの刀を打たせるようになった -------------------- |
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2-1天才の技術論 | |||||
-------------------- 新武将は宮本武蔵に剣を習うことにした -------------------- 【宮本武蔵】 技術論のほんのさわりだけな。精神論とか人を活かす剣とか俺もまだ極めてねえしよ まず、なんにでも、こう壊れる線ってのか、切れる線みたいなものあるだろ、それにそって斬るんだ 刀にもよく斬れる点てのがあるから、それをちょうど斬れる角度で入れてやりゃあいい -------------------- そういうと、人の大きさほどもある大岩を、一閃、武蔵は真っ二つにしてしまった -------------------- 【宮本武蔵】 相手が人間だと、岩ほど楽にはいかねえ。動くし、向こうも武器持ってっしな つい、間合いに踏み込むのが恐くなっちまう。そんな時は相手の動きを予測すれば、楽に踏み込める 【選択肢:そんなん無理!】 【選択肢:すごいね!】 【宮本武蔵】 おいおいおいおい。こんなこともできねえなら、俺に勝てねえぜ? 俺にも勝てないんじゃさ、人を活かす剣になんて到達できないだろ? だって、俺は少なくともそこを極められてねえんだ。それより剣の道で劣ってて、そこが見えるかよ? |
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3-1無刀取りと武蔵 | |||||
-------------------- 宗矩が無刀取りの演武を往来で行っていた。武蔵と新武将はそれを見ていた 宗矩は、打ちかかる弟子たちの真剣をかわし、奪い、急所に寸止めでつきつけては次々と降参させていった -------------------- 【宮本武蔵】 …なんだ、ありゃ? 芝居の殺陣か?
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4-1殺気 | |||||
-------------------- 山中、武蔵が目を閉じて一人たたずんでいた --------------------
近づいてきてるのはお前だって気でわかった。つっても気なんて隠せるモンでもねえし、どうせなら… -------------------- 武蔵がニヤリと笑うと、新武将に戦慄が走った。肌が栗立ち、髪の毛が逆立つような感覚があった …と、あたりから一斉に山の獣や鳥たちが飛び出した。武蔵の放った殺気に驚いたのだ --------------------
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前田利家 | |||||
1-1叔父と甥 | |||||
-------------------- 新武将が、利家のもとを訪れると利家は同輩の侍と戦のことで口論していた -------------------- 【前田利家】 …だから、なんであそこでてめえだけ突出すんだよ! 危険だし味方も不利た、てめえだけ目立とうってのか? 【織田の将】 あーあーあーあーうるさいうるさい。細っけえんだよ! てめえなんかにゃ武士の心ってのがわかんねえんだよ その点、慶次殿との戦はいいぜ、あの人はわかってる。押し引きも知ってるから突出とか馬鹿は言わねえし 慶次殿となら乗れるけど、てめえじゃダメなんだよ。上の言うことばっか気にして、武士じゃねえよ、お前 -------------------- 利家の同輩はそう吐き捨てると行ってしまった。利家も、その背をしばらくにらみつけ、行ってしまった その夜、新武将は偶然、利家が鍛錬しているところに出くわした 利家は、新武将に気づくと、武器を置いて、近寄ってきた -------------------- 【前田利家】 ああ、お前か…昼間は悪かったな…。すまねえ。変なとこ見せちまった上に、無視しちまってよ 【選択肢:なんで鍛錬してるの?】 【選択肢:鍛錬お疲れ様】 【前田利家】 あの野郎の言うとおり、俺なんて大した奴じゃねえ。大口たたくにゃ、いくら努力しても足りねんだ いつか叔父貴や慶次みたいな武士になって、正しいこと言ったら皆がついてくるようにならねえとな -------------------- そう言って、にっかと笑い、利家は再び鍛錬に戻っていった -------------------- |
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2-1狼はなぜ強い | |||||
-------------------- ある日、慶次と出会った新武将は、慶次の強さや鍛錬法などについて聞いてみた -------------------- 【前田慶次】 狼はなぜ強い? もともと強いからさ。野の虎が鍛錬などするかい? -------------------- この後、利家を訪ねた新武将はこの話を利家にした -------------------- 【前田利家】 かーっ! かっけーな、慶次の野郎…! 畜生、俺もこれ食らったら一発で慶次を尊敬するぜ… -------------------- そこへ、利家の後輩・加藤清正が訪ねてきた。やがて話が武芸のことになっていった -------------------- 【加藤清正】 やはり、武士には武芸の鍛錬はかかせませんよね。利家殿は、どんな鍛錬をなさってるんですか? 【前田利家】 狼はなぜ強い? もともと強いからさ。野の虎が鍛錬などするかい? 【加藤清正】 え…? は、はあ…。そ、そうですよね…。虎とか狼とか強いですもんね。いやー、すごいなー 【前田利家】 そうか? いや、それほどでもねえぜ! -------------------- 場には利家だけが気づいていない微妙な空気が流れ、清正はとりつくろうような笑いを残して帰っていった その夜、いつもの場所に鍛錬にいつも以上に打ち込む利家の姿があった -------------------- 【選択肢:虎や狼は鍛錬しないんじゃ?】 【選択肢:なんで鍛錬してるの?】 【前田利家】 俺は虎でも狼でもねえ、凡人だ。じゃあ、鍛錬しなきゃダメだろ? 俺のことを慕ってくれてる清正やお前をがっかりさせたくねえしな。頑張らねえとよ! |
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3-1凡人 | |||||
-------------------- 新武将が、利家の鍛錬場を訪ねると、物陰から清正が、利家の鍛錬をそっと見ていた -------------------- 【選択肢:おーい、何やってるの?】 【選択肢:おーっす、清正!】 【加藤清正】 しーっ! 俺がここにいることがバレるだろ? こっそり努力してる利家殿に恥かかす気かよ、馬鹿! -------------------- 清正は新武将の口をふさぐと、物陰に連れ込んで、一緒に利家の様子を見守った -------------------- 【加藤清正】 あんなに頑張ったってケンカじゃ正則にかなわない。算盤持たせても、三成なんかにゃ遠く及ばない だけど…だからかな、あの努力がまぶしいんだ。利家殿の背中には、黙ってついていける気がするんだ -------------------- 清正は去っていった。新武将は鍛錬が一段落ついた利家に近づいた -------------------- 【前田利家】 おう、お前か! いや、鍛錬に夢中で気づかなかった。すまねえな。今日は何の用だ?
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4-1背中で語る | |||||
-------------------- 新武将が利家のもとを訪ねると、さっきまで来客があったらしい痕跡が部屋に残っていた -------------------- 【前田利家】 いや、な、さっきまで慶次が来ててよ。…なんつーか、慶次はすげえな…のまれちまうっつーか 俺を慕ってくれるお前や清正に申し訳ねえんだけどよ、なんつーか、自信なくしちまうんだ… 俺って、お前らみたいなすごい奴らが慕ってくれるほど背中をお前らにちゃんと見せてやれてんのかってよ -------------------- そう言うと、利家は自分自信の背中を見ようとして、見切れず、結果としてくるくると回り始めてしまった --------------------
男は四の五の言わねえで、黙って背中を見せるだけ。あとはそいつの生き様次第、にわかにゃつくろえねえ -------------------- そう言うと、利家は新武将に背中を見せた。 利家の背中には、小さな紙切れが貼ってあり、「頑張んな、叔父御」と慶次の字で書いてあった -------------------- |
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長宗我部元親 | |||||
1-1地獄のライブ | |||||
-------------------- 新武将はにぎやかな祭りがあると聞いて、とある村を訪れた 紅白に飾り立てられた櫓が組まれ、その周りで村人たちが踊っていた… だが、新武将は違和感を覚えた。踊っている村人たちが皆、屈強だったのだ -------------------- 【長宗我部元親】 新武将! 魂が叫び、血が歌う宴にようこそ! -------------------- なぜか長宗我部元親が櫓の上で楽を奏でていた --------------------
やがて、この地の領主が従者を連れて現れた。祭りの見物に来たようだ。武装もしていない 元親は櫓の上から合図を送った。村人に化けていた兵士たちが瞬く間に領主を討ち取った -------------------- 【長宗我部元親】 汚いと思うか? 新武将。 だがこれが乱世。喰うか喰われるか… すべてを疑え、すべてに抗え…。最後に頼れるのは、己自身だ |
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2-1スパシートリック | |||||
-------------------- 新武将は元親に呼ばれた。新武将の前には食べさしのまんじゅうがあった -------------------- 【長宗我部元親】 あまりにおいしかったものでな…お前にも、と思った その極上の甘味に、お前の舌はとろけるはずだ。さあ、遠慮は要らぬ。かぶりつけ
この乱世、喰うか、喰われるかだ。たとえ親しき者の誘いでも…疑わねばならぬ 悲しい世と嘆くのは簡単だ。だが、それでは死ぬ。俺は…お前には生きていてほしいのだ、凄絶に! -------------------- 元親は、唐辛子まんじゅうを一口でほおばり、颯爽と去っていった -------------------- |
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3-1魂の同胞 | |||||
-------------------- 新武将は元親と共に海辺にいた -------------------- 【長宗我部元親】 何も言うな…新武将。俺になってほしいのだろう、魂の同胞に? -------------------- 新武将は黙っていた。ただ波の音だけが響く -------------------- 【長宗我部元親】 反骨とは…決して死ぬことではない。むしろ、生きねばならない。世に反骨を示すために だから俺は生きる…どんな汚い手を使っても 親しいお前といえど、騙し、裏切るかもしれない…。それでも俺を…同胞にしてくれるのか?
こうして長宗我部元親と新武将は魂の同胞となった -------------------- |
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4-1血の宴、凄絶に | |||||
-------------------- 新武将は元親に海辺の相撲見物に誘われた。普段は静かな海岸が、人でごった返していた -------------------- 【長宗我部元親】 相撲は好きだ…鎧うものすべてを脱ぎ捨てた男たちの熱く激しき肉弾戦…上等! -------------------- 新武将と元親は一番、一番を真剣に見つめた。やがて新武将は、違和感を覚えた… -------------------- 【選択肢:元親を誘い込む策か…?】 【選択肢:魂が叫ぶ血の宴か…】 -------------------- 元親は新武将の言葉ですべてを察した。元親は新武将の耳元でささやいた -------------------- 【長宗我部元親】 敵の狙いは、俺だ。俺が先に逃げては、騒ぎになる。二人で逃げても怪しまれるだろう 新武将、先に行け。手水に立つふりをして、そしらぬ顔でこの場から離れ、兵を連れて来い… -------------------- 新武将は元親の言うとおりにして逃げた。するとすぐに相撲場から怒声や悲鳴が聞こえてきた 新武将はたまらず一人で相撲場に戻った。相撲場には、武装した兵士が数人、うろついていた 新武将はその様子を隠れて見ていた。やがて兵士たちは、血のついた三味線を見つけた -------------------- 【兵士】 見よ! 奴はこの乱戦で死んだようだ!
呆気に取られている新武将に元親が優しく語りかけた -------------------- 【長宗我部元親】 …言ったはずだ。俺は生きる。そのためにはお前すら騙すかもしれないと -------------------- 元親はそう言うとまだ固まったままの新武将をゆっくりと抱き寄せた -------------------- |
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ガラシャ | |||||
1-1お話をせがむ姫 | |||||
-------------------- 所用あって明智屋敷を訪れた新武将は、帰り際、ガラシャに呼び止められた -------------------- 【ガラシャ】 そちの着物は奇妙じゃのう… -------------------- ガラシャは、新武将の装束をしげしげと眺めている -------------------- 【ガラシャ】 教えよ! なぜそのような格好をしておるのじゃ?
そちは、数多の国を回り、様々な物を見るのであろう? わらわも見たいのじゃ! まだ見ぬすべての物を! 聞かせてくれ、そちが見た面白き人、面白き物の話を! よいな? 約束なのじゃ! |
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2-1みやげ話 | |||||
-------------------- 所用あって明智屋敷を訪れた新武将は、帰り際、再びガラシャに呼び止められた -------------------- 【ガラシャ】 はぁ! 新武将! わらわに会いに来てくれたのじゃな? 何について教えてくれるのじゃ?
ううむ…面白かったのじゃ! 新武将、そちに何か礼をせねばのう…
…そうじゃ! わらわとダチになってくれぬか? うむうむ、それがよい! 今日より、互いに遠慮はなしじゃぞ? また、いつでも来るがよい! |
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3-1箱入り娘 | |||||
【ガラシャ】 新武将、久しぶりじゃのう -------------------- 街中を歩いていると、ガラシャに呼び止められた 新武将は、ガラシャはいつもどうやって屋敷を抜け出しているのか尋ねてみた -------------------- 【ガラシャ】 屋敷に出入りしておる商人がおっての、その者が持ち込む箱が、ちょうどよい大きさなのじゃ
その箱に入らば、父上に気づかれずに屋敷を出入りできるというわけじゃ とは申せ、わらわ一人ではどこへ行くにも不案内ゆえ、困っておったところじゃ -------------------- そう言うと、ガラシャはニッコリ笑って新武将の顔をのぞき込んだ -------------------- 【ガラシャ】 実によいところで会うたのう、新武将 わらわのこの目で! 様々な物を見とうてならぬ! のじゃ! そちの用事につきあうだけでも構わぬゆえ、たまに、わらわを遠くへ連れ去ってほしいのじゃ! 【選択肢:それはちょっと…】 【選択肢:遠くに連れ去ってって…】 【ガラシャ】 なに、大丈夫じゃ! 持つべきものは、ダチじゃのう! -------------------- こうして、ガラシャは新武将の仲間になった -------------------- |
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4-1友達以上 | |||||
-------------------- 新武将がガラシャと共に街を歩いていると、後ろから声を掛けてくる者がいた -------------------- 【雑賀孫市】 よう、お嬢ちゃん。箱入り娘のお前さんが、ブラブラしてていいのかい 【ガラシャ】 おお、孫なのじゃ! -------------------- 孫市はガラシャの言葉を無視して新武将に顔を向けた -------------------- 【雑賀孫市】 へえ…お嬢ちゃんの連れは新武将だったか 意外な組み合わせだが、案外お似合いかもしれねえな。新武将、お嬢ちゃんを幸せにしてやれよ?
ダチ以上とは何じゃ? 夫婦ではないぞ? 教えよ、ダチと夫婦と他人のほかに何があるのじゃ? 【雑賀孫市】 そりゃあ、お前…只ならぬ関係って奴さ 【ガラシャ】 ほむ。ならば、わらわと新武将はタダナラヌのじゃな! 【雑賀孫市】 やれやれ、お熱いこった! あー、俺も新しい出逢いを求めて旅に出るかあ! -------------------- そう言うと、孫市はさっさと行ってしまった。ガラシャは新武将を見てニコニコしている -------------------- 【ガラシャ】 ダチより上があるとは知らなかったのじゃ。わらわとそちが、タダナラヌ仲だったとはのう! -------------------- 妙に上機嫌なガラシャを見て、新武将は否定するのをやめた -------------------- 【ガラシャ】 フンフフンフン♪ タダナラヌ?♪ タダナラヌンヌン、タダナラヌ?♪ -------------------- しかし、妙な鼻唄だけは止めた -------------------- ※新武将の性別が「女」の時 -------------------- 新武将がガラシャと共に街を歩いていると、後ろから声を掛けてくる者がいた -------------------- 【雑賀孫市】 よう、お嬢ちゃん。箱入り娘のお前さんが、ブラブラしてていいのかい 【ガラシャ】 おお、孫なのじゃ! -------------------- 孫市はガラシャの言葉を無視して新武将に顔を向けた -------------------- 【雑賀孫市】 へえ…お嬢ちゃんの連れは新武将だったか 新武将、お嬢ちゃんの子守は疲れたろ。いい店を知ってんだが、一緒に行かないか?
ああ? 仕方ねえな…今日は特別だ! 二人まとめておごってやるから、ついて来な! -------------------- 孫市はどんどん歩いていく。慌てたガラシャは新武将の手を取って引っ張った ガラシャが、ふと新武将に向けた顔は溌刺とした笑顔に満ちていた -------------------- 【ガラシャ】 新武将とダチになれて、本当によかったのじゃ! |
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佐々木小次郎 | |||||
1-1化粧 | |||||
-------------------- 新武将が佐々木小次郎のもとを訪れると、小次郎は白面に、紅をさした唇で笑って出迎えた --------------------
とっくに死んでるから さ、せっかく訪ねてくれたのにそんな暗い話やめて、もっと愉しいこと話そうよ、人斬りのこととかさ そうそう、武蔵がどうしても試合に応じてくれなくて。で、こないだ武蔵に斬りかかったら、武蔵ったらさ… -------------------- 小次郎は、その後、話をそらし、ずっと愉しげに話し続けた -------------------- |
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2-1忍び寄る影 | |||||
-------------------- 新武将は佐々木小次郎のもとに向かう途中、往来で柳生宗矩に呼び止められた -------------------- 【柳生宗矩】 お宅、佐々木小次郎とつきあいがあるらしいねェ。彼、滅茶苦茶強いんだって? 自慢だけど、おじさんの親父も滅茶苦茶強いんだァ。大きな岩なんか、すぱって一刀両断しちゃうほど お宅の知り合いの佐々木殿もそのくらいできるのかなァ…知らない? -------------------- 知らなかったので、聞いておくよしを宗矩に告げ、新武将は小次郎のもとに向かった -------------------- 【佐々木小次郎】 うん、できるよ。見てて -------------------- そういうと、人の大きさほどもある大岩を、長剣を抜き払いざま、小次郎は一刀両断してしまった -------------------- 【選択肢:どうやったの?】 【選択肢:すごいね!】 【佐々木小次郎】 大したことないよ。岩でもなんでもさ、切れる線が見えてくるじゃない、そこを斬るだけ 刀にはよく斬れる点があるから、それをちょうど斬れる角度で入れてやればいいだけ。簡単でしょ? さ、せっかく来てくれたんだし、お茶でも点てて、いっぱいいっぱいお話しようよ 【柳生宗矩】 …あの太刀筋はかの流派のものだねェ。九州一揆のあの若様、やはり死んでなかったんだァ -------------------- 新武将をつけてきていた柳生宗矩は、物陰からこの様子を見て、つぶやいた -------------------- |
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3-1おとぎ話の若様 | |||||
-------------------- 新武将があばら屋の前を通りがかったとき、中から不穏な会話が聞こえてきた -------------------- 【牢人1】 今の天下に不満を持つ牢人は多い。若様さえ担ぎ出せれば、乱を起こすことも可能だ 【牢人2】 うむ、それなのだが、どうやら若様は生きていて今は小次郎と名を変え…待て、外になにやら気配が…! -------------------- 新武将は急いで去り、その足で小次郎を探した。小次郎は、廃城に一人たたずんでいた -------------------- 【選択肢:若様って?】 【選択肢:小次郎は何者なの?】 【佐々木小次郎】 お話をせがんでるの、新武将? じゃあしてあげる。ここに城があったって昔話 九州平定が成って、天下人は土着の豪族が邪魔だった。それで挑発して一揆を起こさせ、排除したんだ その豪族の中に、若様って人がいたらしいよ。家来も一族も、戦の中で皆殺しにされていく中… 剣に優れたその若様って人はひとり生き残っちゃった。で、討死を装い、名と姿を変え、別の人生を歩み出した でも、その一揆で家を失った牢人たちは、その若様って人を担ぎ出して乱を起こそうとしてる お上も乱を警戒して若様を処分しようとしてる…そんな架空のお話… もう僕は戦なんてイヤだ。なにもかも失うだけだもの。僕は何もかも忘れて、剣にだけ生きたいんだ… |
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4-1巌流島まで | |||||
-------------------- 新武将が佐々木小次郎を訪ねると小次郎は抱きつかんばかりに飛びついてきた -------------------- 【佐々木小次郎】 ね、聞いて、武蔵が僕と試合してくれるって! 時期はまだまだ先になりそうだけど
こののち、小次郎は武蔵と巌流島で試合をし、命を落とす 一説に、武蔵の弟子を名乗る者たちにより、暗殺されたとも伝わるが、その理由は謎のままである 小次郎は、そんな未来を知らないまま、新武将に満面の笑顔で答えた -------------------- |
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柴田勝家 | |||||
1-1親死ぬ子死ぬ孫死ぬ | |||||
-------------------- 新武将は柴田勝家の居室を訪ねた。勝家は黙ったまま、じろりと新武将を迎えた その床の間には「親死ぬ、子死ぬ、孫死ぬ」と大書された掛け軸がかかっていた --------------------
百年前の禅僧・一休宗純の言葉を大殿に書いていただき、掛字にしたのよ 人はいずれ死ぬ。ならば人は畢竟、次代へと伝えるべきものを伝えきれればそれでよいのだ この順序が逆であれば、それは悲劇であろう。この順ならば皆が天寿を全うし時代を伝えたことになる わしはこの言葉が好きでな。また、こうありたいと思っておる
新武将はこうして、勝家と知己となった -------------------- |
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2-1野郎飯 | |||||
-------------------- 新武将は柴田勝家の居室を訪ねた。勝家は、じろりと新武将をにらみつけた -------------------- 【柴田勝家】 わぬし、どこかで引っかけたか? 着物にかぎ裂きができておるぞ…貸せ -------------------- 勝家は、新武将の着物を脱がせると針と糸で、着物にできたかぎ裂きを奇麗に修復した --------------------
独り身が長いゆえ、一通りのことは大抵できる。できねば、戦場でも立ちゆかぬしな 飯も自分で作る。新武将、わぬし、食ってゆけ -------------------- 新武将は、勝家手作りのご飯を食べた。勝家らしい豪快な料理は、なかなかうまかった -------------------- |
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3-1鬼柴田の軍 | |||||
-------------------- 新武将は勝家を訪ねたところ、留守だったので、上がって待っていた -------------------- 【前田利家】 叔父貴ー! いるかー…って、客が来てんのか。新武将、お前も最近叔父貴を慕ってんだな -------------------- 前田利家が入ってきた。利家は勝家を慕う将らの軍団「鬼柴田の軍」の中で、兄貴分的な位置にいる --------------------
そういう意味じゃ、お前も立派な「鬼柴田の軍」だな。漢んなれ! 叔父貴の下で修行してよ! ※新武将の性別が「男」の時 【前田利家】 叔父貴の背中追っかけながらよ、男上げて! いずれ、下の奴らによ、背中魅せられる漢になる! ※新武将の性別が「女」の時 【前田利家】 あ…漢っつっても、つけ髭つけろとかんなんじゃねえ。なんつーか、魂、心構えよ。男女は関係ねえ! 【柴田勝家】 ごじゃごじゃうるさいわ、利家! 武士なら黙して、生き様で語れい! 【前田利家】 げえっ、叔父貴…! まーた叱られちまったい。ま、今日のところは帰らせてもらうぜ。またな! 【選択肢:勝家の背中についていきたい】 【選択肢:自分も鬼柴田の軍になりたい】 【柴田勝家】 勝手にせい… -------------------- こうして勝家は、新武将の仲間になった -------------------- |
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4-1親子のごとき | |||||
-------------------- 新武将は勝家と黙ったまま向き合っていた。時がかなり流れたあと、勝家はポツリと言った -------------------- 【柴田勝家】 独り身のわしが…まるで我が子を持ったようじゃ
勝家と新武将は、その後、黙ったまま、静かに夜は流れていった -------------------- ※【選択肢:我が子なんて嫌…!】を選択時
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加藤清正 | |||||
1-1遭難 | |||||
-------------------- さっきから同じところをさまよっている。どうやら道に迷ったようだ 歩けど歩けど森を抜けられない。足の感覚はとうになく、空腹で目がくらむ -------------------- 【加藤清正】 …おい、大丈夫か? こんなところで何してる
【選択肢:ありがとう、命の恩人だ】 【選択肢:こんなものぶら下げて重くない?】 【加藤清正】 別に…。大袈裟なんだよ -------------------- と、遠くから清正の友・福島正則の呼ぶ声が聞こえた -------------------- 【福島正則】 清正ー! おーい、どこだぁ? き?よ?ま?さ…っ痛えー! 何すんだこの頭デッカチ 【加藤清正】 …あの川沿いに行けば城下に出る いつ戦になってもいいように腰兵糧くらいつけとけよ。道に迷いやすいならなおさらな -------------------- 清正は声のしたほうへ去っていった。新武将は指についた味噌をなめて立ち上がった -------------------- |
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2-1犬小屋 | |||||
-------------------- 新武将は慣れない手つきで鋸を引いていた。昨晩拾った白い子犬に小屋を作ってやるためである そしてついに、見事に傾いた犬小屋が完成。子犬を入れようとしたら、嫌がる犬に指をかまれた -------------------- 【加藤清正】 ひどいもんだな。そんなボロ小屋、犬が可哀想だろ
清正は鋸を受け取ると、手際よく木材を切り始めた。間もなく人も住めそうなほど立派な犬小屋が完成した 子犬は喜んで小屋に入ると、中でくるくる駆け回っている -------------------- 【加藤清正】 そうか気に入ったか、よかったな -------------------- 清正は満足そうに犬の頭をなでている --------------------
こいつ、捨て犬だろ? こんな小さいのにさ 俺もガキの頃に親父が死んで秀吉様に助けてもらった。なんだか…放っとけないな -------------------- そう言うと、清正はまた子犬の頭をなでた -------------------- 【加藤清正】 なあ、頼む。この犬公、俺にくれないか。大事に育てるって約束する -------------------- 新武将は捨て犬を清正に託すことにした -------------------- |
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3-1腰兵糧 | |||||
-------------------- 新武将は行軍中、敵の奇襲を受けた。軍は散り散りとなり、山道を撤退する -------------------- 【加藤清正】 敵は振り切ったか。危なかったな -------------------- 川の水を飲み、木の陰に腰を下ろす。清正は腰の巾着から千飯を取り、こちらに差し出した -------------------- 【加藤清正】 …なんだよ。こんなところで遠慮するな -------------------- 新武将は首を横に振り、自分の腰兵糧を広げた。清正にも勧める -------------------- 【加藤清正】 …あの時の俺の忠告、覚えてたのか。だが、なんだこの茎みたいな奴は…食えるのか? …文句言わずに食やいいんだろ? おねね様みたいだな -------------------- 清正は芋の茎の煮付けを食べた。ねねの真似をして「いい子だね」と頭をなでてやった -------------------- 【加藤清正】 …ば、馬鹿! やめろ! -------------------- 清正は耳まで真っ赤になっている -------------------- 【加藤清正】 頭なでられてちょっと嬉しい自分が許せねえ! おねね様、俺を叱ってくれ! -------------------- 清正は駆けていった。新武将は清正を追って撤退を続けた -------------------- |
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4-1城 | |||||
-------------------- 久しぶりに清正と作った犬小屋にやってきた。近づくと、足音を聞きつけて子犬が飛び出してくる よしよしとなでていると、続けて1匹、もう1匹…。5匹の子犬が新武将にじゃれついた -------------------- 【加藤清正】 母ちゃんの小さい頃にそっくりだろ? -------------------- 清正が大きく立派な白い犬を連れて現れた 母犬が犬小屋に入ると、子犬たちも続く。小屋は窮屈なくらいだ 風雨にさらされていたはずなのに、がたついた様子もなくしっかりと建っている --------------------
清正は棒切れで地面に城の図面を書き始めた。新武将は子犬をなでながらその様子を見守った -------------------- |
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黒田官兵衛 | |||||
1-1倹約家 | |||||
-------------------- 黒田官兵衛と前田利家が、貯蓄談義をしているところに新武将は出くわした -------------------- 【前田利家】 やっぱいざって時のために金は貯めとかねえとなあ! 若い頃、織田家追放されて、俺ほんと苦労したからよ! -------------------- 利家も官兵衛もケチで有名な将である。三人が通りがかると部屋の中から困り声が聞こえてきた -------------------- 【豊臣の将】 困った…どうしても金が足らぬ…。お家のため…このお役目、なしとげたいのだが…無念 -------------------- 部屋に入って話を聞くと、お役目のための予算が私財すべてを投げ打っても足りず、困っているという -------------------- 【黒田官兵衛】 私が用立てよう。今から一筆したためて屋敷から必要な額を運ばせる 【織田の将】 あ、ありがとうございます、官兵衛軍師殿! こんな大金を…必ずお返しいたします! 【黒田官兵衛】 返済など無用だ。それよりも役目に集中せよ 【前田利家】 い、いいのかよ…けっこうな額だぜ…? それを…返さなくていいって…。 【黒田官兵衛】 これがいざという時でなくていつがいざという時かな。金が槍を持って戦ってくれるわけでなし、これでよい -------------------- 利家は、顔を赤らめて行ってしまった -------------------- 【選択肢:意地悪だね】 【選択肢:さすがだね】 【黒田官兵衛】 私がどのように思われようとたいしたことではない。重要なのは、泰平への進捗を進められるか否かだ |
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2-1築城の名人 | |||||
-------------------- ある日、新武将は、町で加藤清正に、最近、黒田官兵衛と親しいんだろ、と声をかけられた -------------------- 【加藤清正】 あいつ、お前の気に障るようなこと言わないか? 奴の信条は「人に媚びず、富貴を望まず」だからさ… でも、心の底から悪い奴じゃないんだ。城を造らせたら、そりゃもう天下一品の腕前だからな 俺が造る城を3日で落とせる敵を、奴の城なら一月は持ちこたえられる。すごいんだ、石積みが特に… …話がそれたが、奴もいいとこあるってことだ。心を閉ざしてるだけ…あきれずつきあってやってくれ -------------------- 清正はそれだけ頼むように言うと去っていった。その話を新武将は官兵衛にした -------------------- 【黒田官兵衛】 あきれたおせっかいだな。人を好きになるか否かは人格によるところが大きい、建築技術を褒めたところで 病的に気になるのだろうな。そして何もかもを完璧にやろうとする…それが摩擦を生んでいることも知らず 【選択肢:清正らしくていいんじゃない】 【選択肢:清正の言うことも一理あるよ】 【黒田官兵衛】 ふむ…。卿のそういうところは「優しさ」として評価すべきなのだろうな |
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3-1近在の童が遊ぶ庵 | |||||
-------------------- 新武将、竹中半兵衛、小早川隆景が、官兵衛の庵で思い思いにくつろいでいた -------------------- 【黒田官兵衛】 卿ら三名、昼間から何故ここで怠けきっている。邪魔だ。我が庵から出て行ってもらいたいのだが 【竹中半兵衛】 えーっ、ここ、子供たちが騒ぎ放題、遊び放題じゃん! 俺たちのほうが静かにしてるだけましでしょ? -------------------- 官兵衛の庵には、近所の子供たちが訪れていて、今も、まわりでドタバタと騒ぎまくっている -------------------- 【黒田官兵衛】 子供たちは、遊ぶのが仕事。大人は働け
そーだよ! だから官兵衛殿も仲間に入りなよ! 俺たち「まったりご隠居衆」のさ! 【黒田官兵衛】 それだけは御免こうむる。たとえ百歩譲っても卿らのように変な理屈をつけぬ新武将の仲間まで -------------------- 官兵衛は、こういう流れで新武将の仲間となった -------------------- |
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4-1碁を愉しむ | |||||
-------------------- 新武将は町で黒田官兵衛を見つけた --------------------
官兵衛軍師殿、非番中悪いが、急を要する案件だ。俺と一緒に来てもらおう。急いで支度せよ -------------------- 石田三成が、仕事の用向きで官兵衛を呼びに来た。だが、官兵衛に碁盤の前から動く気配はない -------------------- 【石田三成】 そうか。仕事よりも忙しい案件を抱えているようだな。このことはきっちり報告させてもらう。では御免 【選択肢:まずいんじゃ】 【選択肢:出世に差し障るよ】 【黒田官兵衛】 三成ずれの官僚が大騒ぎする案件など、大抵はくだらぬ些細なことだ、軍師の仕事ではない 人に媚びず、富貴を望まず 大切な人間を放り出して動くほどのことはない。それよりも卿の番だ。よく考えてな -------------------- 官兵衛は知らぬ顔をして、新武将との時間を愉しんだ -------------------- |
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立花宗茂 | |||||
1-1風神の家 | |||||
-------------------- 新武将は西国無双、宗茂の屋敷に招かれた。どんな豪奢な屋敷かと心弾ませていたが… -------------------- 【立花宗茂】 すまんな、狭くて。まあ、適当にくつろいでくれ -------------------- 新武将は宗茂は狭い部屋に対座した。どたどたと宗茂の家臣が行き来する足音が聞こえる --------------------
冗談だ -------------------- 宗茂はふっと笑った。新武将もまた、ぎこちない笑みを浮かべた -------------------- |
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2-1弓矢と鉄砲 | |||||
【立花宗茂】 新武将。弓と鉄砲、どっちが優れていると思う? 【雑賀孫市】 そりゃお前、鉄砲に決まってるだろ? 弓は風の影響を受けすぎる 【立花宗茂】 なら、賭けようか。お前の鉄砲、俺の弓、どちらが勝つか -------------------- 宗茂ははるか前方を指差した。そこには的が二つ立っていた -------------------- 【立花宗茂】 新武将、お前はどっちが勝つと思う? 【選択肢:孫市の鉄砲】 【選択肢:宗茂の弓】 -------------------- 二人はそれぞれの得物を構えた。張り詰めた静寂が、三人を包む ゴウッという音とともに突風が吹いた。新武将は思わず「撃て!」と合図を送った 宗茂の矢は的の真ん中を射抜き、孫市の弾は少しだけずれて的を貫通していた -------------------- 【立花宗茂】 さきほどの突風…。さすがの鉄砲の弾も影響を受けたようだな 鉄砲と違い、弓は風の影響を受けて当然。だから俺は風に応じて弓を調節する術を身につけた 【雑賀孫市】 …はいはい。お前にゃかなわねえよ。が…肝心の賭けるもんを決めてなかったな 【立花宗茂】 賭けるものは決まっているさ。お前をもらおうか、新武将 -------------------- そう言うと宗茂は新武将の手を取った。新武将は思わずこわばった -------------------- 【立花宗茂】 冗談だ |
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3-1立花家家訓 | |||||
【立花宗茂】 何気によく来るな…。俺の家臣になりたいのか? いいだろう -------------------- 宗茂には仲間になってほしかったのだが、話が変な方向に進んでしまった -------------------- 【立花宗茂】 俺の家臣といえど、法に背き、節義に欠け、表裏比興の振る舞いをしたら…斬る。いいな? -------------------- 新武将はうなずいた -------------------- 【立花宗茂】 断りもなく俺に雑炊を作ったり、俺の足元に栗を置いたりするな。いいな? -------------------- 新武将はうなずいた -------------------- 【立花宗茂】 最後に、俺の家臣となるならば、寝食を共にしろ。いいな? -------------------- 新武将はうなずいた -------------------- 【立花宗茂】 では、裸になれ。今から風呂に行く 【選択肢:ふざけるな】 【選択肢:それはちょっと…】 -------------------- 新武将はもう一度ちゃんと話を説明した -------------------- 【立花宗茂】 なんだ、俺を仲間に誘っていたのか? 最初からそう言えばいいものを… だが、お断りだ -------------------- 新武将は呆然と立ち尽くした -------------------- 【立花宗茂】 冗談だ |
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4-1すり抜ける風 | |||||
【立花宗茂】 朝早くにすまない。お前に見せたいものがある、新武将 -------------------- 新武将は目をこすりながら、宗茂についていった やがて二人は海岸についた。砂浜に床机が二つ、置いておった -------------------- 【立花宗茂】 ここは二人だけの特別席だ。さ、座って -------------------- 二人は並んで腰を下ろした。やがて、太陽の光が海を照らし始めた 暗かった空も徐々に明るくなってゆく。壮大な日の出の景色だった この景色は戦に明け暮れていた新武将の心を揺さぶった -------------------- 【選択肢:美しい…】 【選択肢:感動した!】 -------------------- 宗茂は新武将に優しくほほ笑んだ -------------------- 【立花宗茂】 俺はずっとこの景色をお前に見せたかった。お前が必ず泣くと思ったから 俺はお前の顔が好きだ。笑い顔、戸惑う顔、怒り顔、泣き顔…すべてが好きだ -------------------- 新武将はいつもの言葉を待っていた。だが、宗茂はずっと無言で海を見ていた -------------------- |
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甲斐姫 | |||||
1-1熊姫雄叫ぶ | |||||
【甲斐姫】 しゃあ! そりゃあ! てええい! きええい! -------------------- 大地を揺るがす怒声とともに、地面が揺れ、巨木が揺れていた -------------------- 【選択肢:ついにこの世が終わる!】 【選択肢:熊だ! 熊が出たぞー!】 【甲斐姫】 えっ! うそっ! やだっ! 怖い?! って、いい加減にしなさいっ! -------------------- 甲斐姫は新武将とともに木陰に座り、額にびっしり浮かんだ汗を拭っていた -------------------- 【甲斐姫】 ねえ、「戦国乙女武闘大会」って知ってる? 四年に一度行われる朝廷主催の武術大会よ。全国から腕自慢の乙女が集まって、技を競うの -------------------- 甲斐姫はふうっとため息をついた -------------------- 【甲斐姫】 あたしさ…これでもおしゃれには気を使ってるのよ。髪だって、爪だって、綺麗にしてるのに… 北は奥州、南は九州まで熊姫の異名が通っちゃってさ。モテるわけねーっての、悲惨だっての… だったら、武術で一番目指したるってね! 可愛さで一番目指せないなら、強さで一番! さっ! 休憩終了! 新武将、どいたどいた! |
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2-1必殺熊殺し | |||||
【甲斐姫】 新武将、今日はあんたに頼みがあるの。この前言ってた「戦国乙女武闘大会」だけど… あんたに大会の介添え人を頼みたいの。お願い! いろいろ助言もしてほしいんだ
いきなり甲斐姫は新武将の後ろに回り、首と腕を決めた 新武将は一瞬で気絶した…そして数時間後…新武将は甲斐姫のももの上で目を覚ました -------------------- 【甲斐姫】 大丈夫? まさか…あんなに強力だなんて…。必殺熊殺し…これは禁断の技ね… …ちょっと、いつまで乗ってんのよ。…恥ずかしいじゃない。どいたどいた! |
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3-1戦国乙女武闘大会開幕 | |||||
-------------------- 日本一の最強乙女を決める大会「戦国乙女武闘大会」がついに始まった 甲斐姫は順調に勝ちあがり、準決勝まで進んでいた -------------------- 【甲斐姫】 さて、準決勝の相手は井伊直虎… 【井伊直虎】 す、すみません、すみません! お、お手柔らかに、お願いします 【甲斐姫】 バインバインしてるわね…負けない! ゼッタイ! -------------------- 両者の攻防は一進一退。甲斐姫は一瞬の隙を突き、直虎の後ろに回った --------------------
やったわよ! 新武将! ついに決勝戦だー! -------------------- 甲斐姫は新武将に思いっきり抱きついた そして、的確な指示を出した新武将は名実ともに甲斐姫の介添え人として認められた -------------------- |
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4-1彼女が望んだ勝利 | |||||
-------------------- 日本一の最強乙女を決める大会「戦国乙女武闘大会」の決勝戦が行われた -------------------- 【甲斐姫】 なんであんたがあたしの前にいるのよ… -------------------- 新武将は甲斐姫の相手となった。甲斐姫があまりにも強いため、勅命が下ったのである -------------------- 【甲斐姫】 誰が相手でも一番は譲らない! お互い手の内は知り尽くしてるけど…ゼッタイ勝つ! -------------------- 新武将と甲斐姫はにらんだまま動かなかった。やがて、甲斐姫が先に動き新武将の後ろに回った --------------------
新武将は甲斐姫をももに乗せて介抱した。やがて、甲斐姫は目を覚まし、ぽろぽろと涙を流した -------------------- 【甲斐姫】 ずるいよ…こんなのってないよ…あんたを締め落とせるわけ、ないじゃん… ※新武将の性別が「男」の時 【甲斐姫】 この鈍感男! 最低、最悪! あんたなんか…あんたなんか…大嫌いっ! ※新武将の性別が「女」の時 【甲斐姫】 あたし、あんたのこと大好きなんだよ… どんな形であれ、戦いたくないよ! -------------------- 新武将は甲斐姫をそっと抱きしめた。甲斐姫はハッとした表情を浮かべた後、ふっと笑った -------------------- 【甲斐姫】 よかった… あたし、あんたの一番にはなれたのかな… |
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北条氏康 | |||||
1-1小田原の高札 | |||||
-------------------- 新武将は小田原の町を歩いていた。小田原はチリひとつない、綺麗な町だった 人々は生き生きとしており、活気にあふれていた -------------------- 【北条氏康】 新武将…物事には、度ってもんがある。適度にやりゃ、適度にうまくいくもんだ たとえば、高札。この町には数えるほどしかねえ。なぜだかわかるか?
肝心なとこさえ押さえときゃ、あとは民がうまくやってくれる、この小田原みたいにな ま、何事も度を超えりゃ、えらい目に遭うってこった -------------------- 氏康は小田原の町を誇らしげに眺めた後、城に帰っていった -------------------- |
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2-1梅干 | |||||
-------------------- 新武将は甲斐姫とともに氏康に呼ばれた。氏康の前には、梅干の山があった -------------------- 【北条氏康】 爺さんの代からよ、梅干は重宝してたのさ。物は腐らねえし、健康にもいい… ところでこの梅干… 一杯の飯にどれくらいが適量だと思う?
で、お館様、わざわざあたしたちを呼んで、梅干を食べさせた真意とは!? 【北条氏康】 てめえらには頭がちゃんとあんだろ? 梅干かじって、よーく考えな -------------------- そう言うと、氏康は席を立ち、去っていった。その姿を甲斐姫はうっとりと見つめていた -------------------- 【甲斐姫】 突き放すか放さないかの微妙な距離感…大人よね?。あの、ぱっくり空いた胸元に今すぐ飛び込みたい… -------------------- 少なくとも氏康が言いたかったことはそこじゃない。そう、新武将は思った -------------------- |
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3-1適度な距離 | |||||
-------------------- 新武将は氏康の姿を捜した。氏康は、海辺で釣りをしていた 新武将はそっと隣に座った。氏康はキセルをくわえたまま黙って浮きを見ていた --------------------
氏康は再び海を見た。二人の沈黙はしばし続いた -------------------- 【北条氏康】 なんか話があんじゃねえのか? -------------------- 新武将は思い切って氏康に、仲間になってほしいと伝えた -------------------- 【北条氏康】 今ぐらいの距離がちょうどいいと思うがな。まあ、てめえの好きにしろ -------------------- 氏康はとくに喜ぶこともなく海を見ていた -------------------- |
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4-1鉾書院 | |||||
-------------------- 新武将は氏康に鉾書院という新しくできた居室に呼ばれた -------------------- 【北条氏康】 うちにゃ珍しい豪奢な部屋だろ? てめえや家臣にお披露目しようと思ってな -------------------- 事件はその場で起きた。氏康に謀叛を企む家臣が新武将の首に刀を突きつけたのである -------------------- 【暗殺者】 北条氏康…俺の標的は貴様ただ一人。こいつの命が欲しければ、刀を捨ててこっちに来い! 【選択肢:こっちに来るな!】 【選択肢:こっちに来て!】 【松田憲秀】 お館様、気にせず暗殺者を討ちましょう! 流浪人一人の命など、捨て置くべし! -------------------- ところが、氏康は丸腰で暗殺者に近づいた。家臣たちが、色めきだつ -------------------- 【北条氏康】 ところで新武将… 一杯の飯に梅干はいくら必要だと思う? -------------------- 氏康の狙いを察した新武将は首を少し傾けた 氏康は口から梅干の種を吐いた。暗殺者の顔にあたり、一瞬ひるんだ 新武将は暗殺者の腹にひじを打った。暗殺者が身をかがめる その隙に氏康は家臣から刀を受け取り、即座に暗殺者を斬った -------------------- 【北条氏康】 ったく…どんくせえな。新武将。おかげで見ろ、新品の柱に刀傷つけちまったぜ -------------------- 柱には氏康が斬る際に勢い余ってつけた傷がくっきりと残っていた -------------------- 【北条氏康】 何事も度が過ぎるとえらい目に遭うってこった… てめえとの距離、近すぎたな -------------------- 氏康はニヤリと笑い、新武将の頭をぽんぽんと叩いた 氏康はその後、鉾書院の傷ついた柱を補修せず終生、大切に保存しておいたという -------------------- |
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竹中半兵衛 | |||||
1-1おかしな軍師 | |||||
【竹中半兵衛】 あ、君知ってるよ! 全国を旅して回ってるんだって? カラスの噂で聞いたよ。いや、猫のだったかな? 【選択肢:あなた誰?】 【選択肢:何言ってるの?】 【竹中半兵衛】 一応言っとくけど、今のは冗談だよ。俺、竹中半兵衛。一応、軍師やってるんだ 寝るのが趣味で、一生寝て過ごすのが夢。特技は寝言で孫子を暗唱すること。よろしくね!
そんじゃ、お昼寝の時間なんで、続きはまた今度ね? |
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2-1箱入り軍師 | |||||
-------------------- 新武将は困った顔をした半兵衛を見つけた -------------------- 【竹中半兵衛】 あっ、ちょうどいいところに! あの新武将さん…俺のお願い、聞いてくれない?
お願いというのはね、俺温泉行きたいんだけど、仕事を終えるまで行かせぬ、と官兵衛殿がうるさいんだ そこで、俺を箱の中に入れて運び出してくれないかな。お見舞いの品です、とか言えば怪しまれないからさ -------------------- どうして温泉に見舞いの品を運ぶのかわからなかったが新武将は半兵衛を箱に入れて、温泉へと運ぶ 途中、半兵衛の親友である黒田官兵衛がこちらを見てため息をついたが、何も言わなかった ようやく箱を担いで、温泉についた -------------------- 【竹中半兵衛】 はふー、やっぱ温泉はいいね?! 癒されるよ?! 君も入りなよ。汗かいたし、きっと気持ちいいはずだよ |
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3-1おやすみ軍師 | |||||
【竹中半兵衛】 おーい、こっちだよー。君もこっちに昇っておいでよ。ぽかぽかして気持ちいいよ -------------------- 新武将は、半兵衛に誘われ、屋根の上に昇った -------------------- 【竹中半兵衛】 俺、仕事の合間を縫ってここに来るの好きなんだよね。ぬくぬくうらうらして、頭も体もなんだか休まるんだ うんざりするほど仕事多いけど、やりがいあるし、みんな喜んでくれるから、俺、軍師の仕事好きだよ でも、俺あんまり体強くないからさ、ときとぎごろごろして休むんだ
今日のことは、俺と君、二人だけの内緒ね! 破ったら俺、泣いちゃうから! なーんてね |
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4-1帽子の思い出 | |||||
-------------------- 半兵衛は、新武将に帽子を手渡した -------------------- 【竹中半兵衛】 それ、俺が昔かぶってた帽子。俺の形見だと思って大事にしてよ
悲しいこと言うことかもしれないけど…人間っていつ死ぬかわからないからさ なぜか大切なものを大切な人に持っててほしくなって。で、俺の大切な帽子を君に さー、暗い話はこれで、おっしまい?! 俺たちの旅はまだ始まったばかりだし! 心配なんて要らない。もうなにがあっても、それが俺と君の記憶をつなぐから |
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毛利元就 | |||||
1-1三矢の教え | |||||
-------------------- 新武将が毛利元就を元のを訪ねると元就は、三人の息子たちに、教訓を授けていた -------------------- 【毛利隆元】 うう… 【吉川元春】 長い… 【小早川隆景】 はあはあ -------------------- ここまで長く冗長な話が続いたであろうことは、三人の息子たちの表情から見て取れる -------------------- 【毛利元就】 やあ、新武将、よく来たね。歴史的な事象を交えて、協力の大事さを説いていたんだ さて、一本ならたやすく折れる矢も、三本束ねると…あ、新武将、この矢を折ってみてくれるかい?
その後も長々と冗長な教訓というか歴史話が続き、やがて、息子たちは解放され、部屋に戻っていった -------------------- 【毛利元就】 君だったらきっと力任せに折ってくると思って鉄の矢を渡したんだ 君は悪い人だね。ま、私も悪人だし、気が合いそうだ。今後ともよろしく頼むよ -------------------- こうして新武将は元就と知己となった -------------------- |
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2-1神の軍略書 | |||||
-------------------- 新武将が元就を訪問する途中、夜の町で、二人の男が毛利元就について語っているのを聞いた -------------------- 【牢人】 元就の悪辣な謀略にはネタ帳があるらしいぞ。なんでも出雲で手に入れた神の軍略書だとか… 【山中鹿介】 おのれ元就め…出雲のものは我ら尼子家のものだ。いずれ取り戻し、その軍略で毛利を倒してやる! -------------------- 新武将が元就を訪問すると、元就は眠っていた。その懐から、いかにもな書物がのぞいている これが噂の元就の謀略の元が記された神の軍略書か…? 新武将に緊張が走る --------------------
新武将は元就に、噂に聞いた神の軍略書の話をした -------------------- 【毛利元就】 ああ、あれか…・あれ…嘘なんだよ。こう言っとけば私の著作を見にくる人が来るかな…と そもそも軍略や謀略なんて、その場その場でなにが正解か変わってくるからね… そんな正解が書いてある神の軍略書なんて実在したら、それを息子に譲って、私ゃとっとと執筆に勤しみたいよ |
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3-1室内雪合戦 | |||||
-------------------- ある日ついに新武将はあの書物だらけの、元就の部屋を片づけた 元就の著作はたきつけにし、貴重な本は蔵にしまった。部屋は見違えるほど綺麗に片づいた その翌日のことである。新武将が元就の居室に足を踏み入れると… -------------------- 【毛利元就】 そうら、雪合戦だ -------------------- 雪玉が飛んできて、新武将の顔に当たった。片づいたはずの床は一面の銀世界に変わっていた -------------------- 【毛利元就】 やあ、雪が降ったけど、外は寒いから、中で雪合戦をしようと、雪を運び入れさせたんだ
こうして元就は新武将の仲間になった -------------------- |
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4-1歴史と未来 | |||||
-------------------- 新武将は元就の居室で話をしていた -------------------- 【毛利元就】 この乱世が永遠に続くことがないことは、歴史を学んで、知っていることなんだ だけどそうやって静まった乱世が、ずっと泰平のままじゃないってことも知っている 泰平の世に生まれながら、どうして乱の芽を放置するのか、いやむしろ助長するのか… 乱世に生まれた我々には理解できないだろうけど、それでも、まだ歴史から学べるものがあると思うんだ
歴史はね、今していることの言い訳によく使われる。自分の正当性。争う理由、そこから生まれる乱もある だけどね、私の思う歴史の使い道は違うんだ。もっと未来を意志すべきものじゃないかって思うんだ 今ある乱の芽に気づき、少しでも泰平を享受できるよう…あ、すまない。また話が冗長になってしまったね -------------------- 新武将と元就はしめやかに夜を過ごした -------------------- |
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綾御前 | |||||
1-1老婦人対毒舌眼鏡 | |||||
-------------------- 新武将は綾御前と一緒に町中を歩いていた -------------------- 【綾御前】 新武将、後につくのはやめなさい。あなたは私の従者ではないのですよ? -------------------- とはいえ、新武将は綾御前の気品に気圧され、どうしても肩を並べて歩くことができなかった -------------------- 【片倉小十郎】 これはこれは、老婦人。お孫様を連れてお散歩でいらっしゃいますか?
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2-1危険な舟遊び | |||||
-------------------- 綾御前は新武将を船遊びに誘った。新武将は綾御前のために懸命に船を漕いでいた -------------------- 【綾御前】 ああ、気持ちのいい風…。新武将…もし船がひっくり返ったら、私を助けるのですよ? -------------------- 船を止め、二人で景色を愛でていると一艘の船がすごい速さで近づいてきた -------------------- 【片倉小十郎】 老婦人、水の上で呆けていては危のうございます。ここは三途の川ではございませんよ
…気がつくと、新武将は綾御前の膝の上にいた。綾御前は冷たい手で新武将の額をなでていた -------------------- 【綾御前】 私に助けられてどうするのです? 本当に可愛い、新武将… |
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3-1大惨事 | |||||
-------------------- 新武将は綾御前の屋敷に招かれた。屋敷には、正体不明の異臭が漂っていた その激臭は綾御前の持っている鍋から発せられていた。鮮やかな赤色の液体がぐつぐつと煮立っている… -------------------- 【綾御前】 私が作ったのですよ、新武将。一日かけて煮込みました…色んなものを さ、召し上がれ。日頃の疲れも、吹き飛ぶはずです -------------------- 綾御前はほほ笑んだ。拒否できない雰囲気があった 新武将は食べた。夢中で食べた。やがて目の前が突然ゆがみ、動悸が止まらなくなった そして、自然と口が動き、言葉を発していた --------------------
こうして新武将は綾御前の仲間となった -------------------- |
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4-1御前の愛 | |||||
-------------------- 新武将は綾御前の屋敷に招かれた。その足取りは…重かった 約束の時間より遅れてついてしまったが、綾御前は居室にはいなかった どうやら綾御前は台所で、調理中らしい。新武将は隠れて彼女の様子を見守ることにした -------------------- 【綾御前】 ?♪ 新武将、この前は震えて喜んでくれましたよね。もっともっと、おいしいものを作ってあげますよ… -------------------- 綾御前はそうつぶやくと、何かの頭を丸ごと鍋に突っ込んだ 新武将は思わず心の中で叫んだ --------------------
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福島正則 | |||||
1-1ケンカ奉行の挨拶 | |||||
-------------------- いきなり新武将の前に、福島正則が飛び出した -------------------- 【福島正則】 ちょっと待った! てめえ、どこの将だ、マジで! いろんな戦でちょっかいだしやがってよ! 何とか言ったらどうなんだよ、あーん…? -------------------- 正則は前傾姿勢になり新武将ににらみを利かせた --------------------
怖がらせてごめんな? 実は前から俺、お前と話したくてよ 何か照れくせえから、ケンカ奉行流の挨拶しちまった。許してくれよ、な? -------------------- 正則は、そう言うと強引に新武将の手を取り、握手をした -------------------- 【福島正則】 今度、どっかであったら話しかけてくれよ、ガチで! |
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2-1酒中別人 | |||||
-------------------- ある日、各大名が集まっての宴が開かれた。新武将も招かれた その中で、ひときわ騒いでいた武将がいた。福島正則である 新武将は正則に、声をかけた -------------------- 【福島正則】 うい?? ひっく…誰だ、てめえ…? この福島正則に気安く話かけんじゃねえー! 【選択肢:え、え?っ…!】 【選択肢:前に話しかけてくれって言ったじゃん?】 -------------------- 正則はまったくこちらの言葉を無視し、強引に肩を組んできた -------------------- 【福島正則】 けっ! てめえみてえな無礼な奴は切腹だ、切腹! おい、小十郎! てめえもだ! -------------------- 正則の酒ぐせの悪さを知ってか、彼の周りには新武将と小十郎しかいなかった -------------------- 【福島正則】 ご無礼ながら、あなた様とはつきあえません…ってかあ! その眼鏡たたき割っぞ、コラァ! -------------------- 小十郎の眼鏡が光ったように見えた。新武将は必死に正則を止めていた -------------------- 【福島正則】 てめえら伊達は…奥州で威張ってるだけじゃねえか? 島なき鳥の蝙蝠って奴? 今、うまいこと言った、俺! -------------------- 正則の周りの空気が凍った。だが、小十郎は涼しい顔をしていた -------------------- 【片倉小十郎】 正則様はさしずめ…ちんちくりんのりんりんでございますね -------------------- 小十郎はふっと笑うと、去っていった --------------------
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3-1ケンカ奉行平謝り | |||||
-------------------- いきなり新武将の前に、正則が飛び出し、土下座した -------------------- 【福島正則】 すまねえ! 新武将! こないだの宴で俺、ひどいことを…! 覚えてねえんだよ…ガチで! 俺何した? お前に何した? なあおいっ!
正則の必死な姿に新武将は笑った -------------------- 【福島正則】 とにかく、俺、お前についてく! この借り… 一生かけて、返すからな! |
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4-1一件落着 | |||||
-------------------- 新武将と正則は並んで町の往来を歩いていた その時、町の一角で騒ぎが起こった。老人を数人の無頼漢が囲んでいた -------------------- 【福島正則】 しゃああ! 弱い者いじめはやめやがれー! コラッ! -------------------- 正則はあっという間に無頼漢を片づけた。そして、犬のように目を輝かせ新武将の下に戻ってきた --------------------
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藤堂高虎 | |||||
1-1使い捨ての将 | |||||
【藤堂高虎】 お前は確か…新武将。一度会った者は忘れない、それが生きるための術だ ところで、お前は手ぬぐいを持っているか?
手ぬぐいはよいものだ。手をふくという使い道のほかに怪我の手当てをしたり、速く走るときにも使えたりする だが、高いものである必要はない。三尺の長さがあれば、何だって構いはしない 手ぬぐいは消耗品。使うだけ使って買い換えればいい。そう、下級武士である俺みたいにな -------------------- 言うだけ言うと、高虎は去って行った -------------------- |
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2-1まんじゅう嫌い | |||||
【まんじゅう屋】 おいしいおまんじゅうは、いかがですか?! ほっぺたが落ちるほどの絶品ですよ?! -------------------- 新武将が高虎と町を歩いているとまんじゅう屋の前を通りかかった -------------------- 【藤堂高虎】 なにっ、まんじゅうだと!? …ところで、俺の嫌いなものを知っているか?
俺はまんじゅうが嫌いなんだ。大量のまんじゅうを家に投げ込まれでもしたら、卒倒してしまうに違いない -------------------- 言うことを言うと、高虎は去って行った --------------------
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3-1城郭の縄張り | |||||
-------------------- 高虎が築城を任されたとのことで、新武将は高虎を訪ねてみた -------------------- 【藤堂高虎】 ちょうど縄張りを行うところだ。お前も来るか?
近くで一番高い山に登った。城の立地を確認するため、頂上から辺りを見回す -------------------- 【藤堂高虎】 城は武士の心だ。高い塀、深い堀で周囲を固め、決して侵入を許してはならない 加藤清正らは、わざと城に入り込ませて討ち取る手法を好むが、それで本当の城と言えようか -------------------- 地形の確認を終えた二人は、今度は帰るために山を下りる だが、下山の途中、新武将は足を滑らせ怪我を負ってしまう -------------------- 【藤堂高虎】 おい、大丈夫か!? …足をひねったようだな。やむを得ん、俺の手ぬぐいを使え -------------------- そう言うと高虎は自分の手ぬぐいを破り、新武将の足をしばって固定した -------------------- 【藤堂高虎】 気にするな。どうせ消耗品だ。ほら、乗れ。歩けないんだろ、おぶってやる -------------------- 新武将は高虎の背におぶさり、山を下りた -------------------- |
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4-1使い捨てでない将 | |||||
-------------------- 高虎は長身であるため、戦場のどこにいても、その高い頭が見える 今日も馬に乗り、前線を駆け回っている様子が遠くからでもわかる 急に銃声が響いた。次の瞬間、高虎が落馬した --------------------
ば、馬鹿野郎…! なぜ助けにきた、死ぬぞ! 俺のことなんかほっといて、逃げろ… -------------------- 落馬した高虎は重傷だ。そこに高虎を討ち取ろうと、大勢の敵兵が迫っていた -------------------- 【選択肢:見捨てられない】 【選択肢:一緒に逃げる】 【藤堂高虎】 お、お前って奴は…。うおおおおお…! -------------------- 高虎は満身創痍ながら立ち上がり、死力を振り絞って、周囲の敵を次々に蹴散らしていった 新武将も共に戦い、群がる敵をすべて倒した -------------------- 【藤堂高虎】 お前に情けをかけられるとはな。武士失格だ。いや、感謝してるんだ お前は俺を使い捨てにしなかった。それは俺が信用にたる将となった、ということだ さあ、共に帰ろう。戦場より生きて帰ってこそ、真の将たり得る |
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井伊直虎 | |||||
1-1鎧箱から虎 | |||||
-------------------- 新武将は日頃使っている武具を整備するため、蔵に入った 蔵には甲冑を入れた具足櫃が所狭しと並んでいる。どれが自分の物かわからず、一つずつ箱を開けていく -------------------- 【井伊直虎】 きゃああっ!? すみません、すみません! 大きいのに箱の中に入ってたりしてすみません! -------------------- 開けた箱には甲冑は入っておらず、代わりに大きな女の子が入っていた -------------------- 【井伊直虎】 私、井伊直虎と言います。悩んでるとき、よくこの箱の中で考え事をするんです この鎧と箱、直平お爺ちゃんからもらったのですが、代々井伊家の当主が身につけたものらしいんです -------------------- 井伊直虎と名乗る女の子は、どう見ても新品と思われる露出の多い鎧を身につけていた -------------------- 【井伊直虎】 これには歴代井伊家当主の誇りや思いが込もっていて、鎧を着て箱に入ると何かわかってきそうな気になります
直虎はひょいと身軽な動きで箱を抜け出し、長身を折り曲げ会釈をすると蔵から出て行った -------------------- |
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2-1亀姫 | |||||
-------------------- 新武将は直虎に会いに行った。そこには見知らぬ女性もいた -------------------- 【井伊直虎】 親友のお田鶴ちゃんです。遠州を守るために頑張ってる仲間で、地元では椿姫と謳われるほどの人気者なんです 【飯尾田鶴】 飯尾田鶴と申します。いつも直虎がお世話になってます
やっぱり田鶴ちゃんのお茶は最高です! 遠州のお茶と田鶴ちゃんに適うものなんてないです! -------------------- 新武将はまた一緒にお茶を飲もうと約束して二人と別れた -------------------- |
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3-1鶴姫 | |||||
-------------------- 新武将はまた直虎に会いに行った。そこには落ち込んだ直虎がいた 新武将は何があったのかと直虎に尋ねる -------------------- 【井伊直虎】 実は瀬名ちゃんが…あ、私の親戚なんですが、義元様の姪で、今は家康様の奥さんなんですけど 信長さんによく思われていないみたいで、ひどい扱いを受けていると相談されたんです… 信長さんが今川嫌いだからといって、他の家のことに文句つけてくるのっておかしいですよね 【選択肢:おかしい】 【選択肢:やむを得ない…】 【井伊直虎】 自分もいろいろありますし、政治はもろもろ複雑だってわかってるんですけど、どうも納得いかなくて… すみません、いつも愚痴聞いてもらっちゃって。新武将さんと話せて、少し気が楽になりました あ、あの…これから困ったことがあったら、相談乗ってもらってもいいですか…?
こうして新武将は直虎の相談役に就任した -------------------- |
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4-1鷹獲り | |||||
-------------------- 新武将は相談に乗るため、直虎の居室を訪れた。だが、直虎は上の空で、こちらの訪問に気づかない様子 -------------------- 【井伊直虎】 きゃああっ!? すみません、すみません! 大切な鷹逃がしちゃって、浜名湖より深くすみません! あ…あなたでしたか。取り乱しちゃってすみません。その…家康様の鷹を逃がしちゃったんです… -------------------- 家康は鷹狩りが趣味で、鷹をいつも可愛がっていた --------------------
いつもいつもすみません…。私なんかのために… -------------------- こうして、新武将と直虎は鷹捜索のため近くの山に入った -------------------- 【井伊直虎】 あっ、もしかしてアレ、家康様の鷹さんかもです! さっそく捕まえちゃいましょう! -------------------- 新武将が鷹の注意を引きつけているうちに、直虎が木に登り、鷹を捕まえる作戦を実行する -------------------- 【井伊直虎】 鷹さん、お縄頂戴! わっ、きゃああっ!? 鷹さん、天竜川より大暴れです! -------------------- 直虎は鷹の背後より綱をかけるが、鷹は翼をばたつかせて抵抗する 次の瞬間、直虎は姿勢を崩し、巨体が木から落ちる -------------------- 【選択肢:助けにいく】 【選択肢:助けない】 -------------------- 考えるより早く、体が動いた。落下する直虎のもとへ走り、ぎりぎりのところで捕まえた -------------------- 【井伊直虎】 きゃああああーっ! はうっ!? す、すみません、助かりました…。あ… -------------------- 直虎は新武将の腕の中で赤面する -------------------- 【井伊直虎】 私…あなたがいないとダメみたいです…。でも、見てください。鷹さん、私が捕まえました |
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柳生宗矩 | |||||
1-1万人を活かす法 | |||||
-------------------- 町中で騒ぎが起きていた。どうやら金貸しに雇われた傾奇者たちが、暴力で返済を迫っているらしい -------------------- 【傾奇者】 おい! 期限はとっくの昔に過ぎてんだよ! …俺たちを舐めてんのかあ? おらっ! 【まんじゅう屋】 ひいっ…お許しください! もう少し、もう少しでめどが立つんです!
宗矩は懐から金子を出した。十分な額だったらしく、傾奇者は納得して帰った -------------------- 【選択肢:なぜ戦わない?】 【選択肢:金で解決するなんて…】 【柳生宗矩】 おじさん、果し合いとか、嫌いでねェ。だから、金で解決できるなら喜んで出すよォ? -------------------- 宗矩は下卑た笑いを浮かべた -------------------- |
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2-1猿と剣術 | |||||
-------------------- 新武将は宗矩の屋敷に向かった。宗矩は昼間から酒を飲んでいた -------------------- 【柳生宗矩】 新武将、一献つきあってくれないか? 大名連中にも評判の酒だよォ -------------------- しばし歓談していると、宗矩の弟子が現れた。宗矩と手合わせをしたいという武芸者が来ているという -------------------- 【柳生宗矩】 おじさん、酒入っちゃってるからなァ…。秀吉に相手させてやってくれるかい
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3-1往来演武 | |||||
【柳生宗矩】 新武将、よく来てくれたねェ。今日はお宅に頼みがあるんだァ 町の往来で無刀取りの演武をしようと思うんだが、いいやられ役がいなくてねェ -------------------- 宗矩と親しくなっていた新武将は快諾した。さっそく宗矩は人を集めた 宗矩は、打ちかかる新武将の真剣をかわし、奪い、急所に寸止めでつきつけて、降参させた 集まった人々はその妙技に感嘆の声を上げた。だが、その喝采は一人の台詞で突如、切り裂かれた -------------------- 【宮本武蔵】 あんな踊りで誰が活かせるってんだ? てめえの命ひとつ活かせやしねえよ -------------------- 武蔵の台詞に辺りが静まりかえる。宗矩が静かに武蔵に振り返った、目が笑っていない -------------------- 【宮本武蔵】 俺が試してやろうかい、糸目のおっさん -------------------- 【選択肢:うるさい、私が相手になる!】 【選択肢:いんちきだっていうのか!】 -------------------- 新武将は武蔵に突っかかろうとしたが…。凄まじい殺気に気圧され、動けなくなった… 次の瞬間、宗矩がスッと新武将と武蔵の間に入った -------------------- 【柳生宗矩】 大丈夫だよォ、おじさん、大人だからさァ。名を上げたいだけの武芸者の挑発になんか乗らないって 【宮本武蔵】 挑発じゃ…ねえ! 人を活かす剣ってのは…そんなんじゃねえんだよ! -------------------- 武蔵は絶叫していたが、連れの者に引きずられて去っていった -------------------- 【柳生宗矩】 幸運だったねえ、新武将。あんなに無防備に剣豪の間合いに入ったら普通、死ぬよォ? おじさん、もう少しで太刀抜いちゃうとこだったよ。今度から気をつけてほしいねェ -------------------- 宗矩の真剣な眼差しを受けて新武将は何度もうなずいた その後、宗矩はいつもの弛緩した顔に戻った -------------------- 【柳生宗矩】 でも、お宅はいい役者だ。迫真の演技だったよォ。これからも時々、よろしくお願いしたいねェ |
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4-1無刀取り敗れたり | |||||
【柳生宗矩】 新武将。無刀取りのやられ役、板についてきたよォ やられ役っていうのは技術がいるからねェ。無刀取りの欠点…わかっちゃったんじゃないのかなァ?
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真田信之 | |||||
1-1聞き上手 | |||||
-------------------- 新武将は戦で思うように戦えなかった自分に苛立ちを覚えていた 武器を取ると、側にあった木に滅茶苦茶に斬りかかる。小枝や葉があたりに飛び散った -------------------- 【真田信之】 ずいぶん荒れているな。だが、その梅はまずい。父上が気に入っておられるのだ -------------------- 新武将は、はたと手を止めた。そこには無残な姿の梅の木が立っている
それにしても、お前らしくないな。私でよければ話を聞こう -------------------- 新武将は、思いのたけを信之にぶちまけた。信之は嫌な顔一つせず最後まで話を聞いてくれた -------------------- 【真田信之】 悔しいと思えるのは、伸びしろのある証拠だ。木に当たるより鍛錬するといい、幸村のようにな -------------------- 気づけば気分は晴れていた。明日から鍛錬に励もう。新武将は梅の木のお詫びを言って信之と別れた -------------------- |
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2-1自慢の弟 | |||||
-------------------- 真田兄弟が手合わせをしている。新武将は木の陰から様子を見守った -------------------- 【真田信之】 私の負けだ。やはり強いな、幸村 【真田幸村】 兄上! もう一勝負! 【真田信之】 すまない。そろそろ行かなければ。この後、父上に従って領内を視察することになっている -------------------- 幸村は不承不承うなずき、去っていった -------------------- 【真田信之】 …新武将? 見ていたのか。幸村は日に日に強くなっていく
私は弟の手本にはなれない。その分、弟が存分に槍を振るえるよう支えたいと思っている お前にも弟や妹がいるのか?
信之は、幸村に打たれた腕をさすりながら、城へと戻っていった -------------------- |
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3-1苦労人 | |||||
-------------------- 信之に悩みを打ち明けて以来、肩の力が抜け、思うように戦えている気がする 信之にお礼を言うため、信之の部屋に向かった。開いている襖の向こうから深刻そうな話し声が聞える -------------------- 【大谷吉継】 一筆書いてやるんだな。三成もお前の言うことなら聞くやもしれん 【真田信之】 どうだろうな…。だがやってみよう。友を失いたくはない -------------------- 大谷吉継の目がこちらを向いた。信之に来客を伝えるように目配せすると、出て行った 信之は持っていた手紙を長持にしまうと、新武将の方を向いて、いつもの笑顔を作る -------------------- 【真田信之】 すまない、待たせてしまったか -------------------- 何か面倒ごとだろうか…。新武将は信之に尋ねた -------------------- 【真田信之】 世の中、面倒でないことのほうが少ないものだ。それでも折り合いをつけてやっていくしかない 槍一本で生きていけるような強い人間ではないからな。…それより、何か話があったのではないのか? -------------------- 新武将は言いたかったことをひとしきり話した。信之は、いつものように穏やかに話を聞いてくれた 気づけば自分ばかりが話している。新武将は、信之にも悩みがあれば聞くと言った -------------------- 【真田信之】 ああ…そうだな。ありがとう -------------------- 結局、信之はこれといったことは話さなかった。それでも、二人は夜遅くまで語り合った -------------------- |
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4-1一緒に帰ろう | |||||
-------------------- 新武将は、また信之に話を聞いてもらおうと、部屋を訪ねた 信之はいつにも増して深刻な顔で手紙を読んでいる。信之の口から大きなため息がもれた -------------------- 【真田信之】 …新武将? ああ、すまない、気づかなかった。入ってくれ -------------------- 信之は手紙を長持ちにしまい、いつもの笑顔を見せた。新武将に悩みを語るつもりはないらしい -------------------- 【選択肢:たまにはブチ切れたらどうだ?】 【選択肢:城を捨てて逃げ出そう!】 -------------------- 新武将は嫌がる信之を強引に連れ出した 初めは渋々従っていた信之だが、徐々に乗り気になった 人里離れた見知らぬ土地まで来て、川で釣りをしたり、野原に寝転がって歌を歌ったり、童心に帰って遊んだ -------------------- 【真田信之】 幼い頃、幸村はよく黙って城を抜け出した。その度に騒ぎにならぬよう必死に探し回ったものだ 幸村をとがめた日もあったが…自由に駆け回るというのはこんなに楽しかったのだな ※新武将の性別が「男」の時 -------------------- 月に照らされた信之の笑顔はいつもと少し違った。心の底から笑っているように見える ようやく信之の力になれたようだ -------------------- ※新武将の性別が「女」の時 -------------------- 月に照らされた信之の笑顔はいつもと少し違った。心の底から笑っているように見える ようやく信之の力になれたようだ。信之の目が新武将を見つめる 信之は何か言おうとしたが、まぶしそうに目を背けた -------------------- 【真田信之】 それでも、私は幸村のようには生きられないようだ。どうしても城が気になる たとえ無力でも、しがらみに手足をしばられていても、家族や家のためにできることをしたい 【選択肢:それも強さかもしれない】 【選択肢:残念だ】 【真田信之】 だが、こうして城を飛び出したおかげで気づいたよ。…守るべきものがあるというのは幸せなことなんだな 新武将、一緒に城に戻ってくれるか? -------------------- 新武将と信之は城を目指し、帰った。遠くに見える城の灯りがいつもより温かく見えた -------------------- |
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大谷吉継 | |||||
1-1辻斬りの下手人 | |||||
-------------------- 往来に人だかりができていた。不思議に思った新武将はその人だかりに首を突っ込んだ 人々はある高札を見上げていた。そこには「この者、千人辻斬りの下手人」と書いてあった -------------------- 【大谷吉継】 これは俺の顔だな… -------------------- いつの間にか新武将の隣に大谷吉継が腕を組み立っていた。人だかりの輪がさっと大きくなった 危機を感じた新武将は吉継の手を取って、路地裏に逃げ込んだ -------------------- 【大谷吉継】 何を焦っている 俺が犯人だとしたら、お前は危ないな。俺と二人きりでこんな場所に来て… 冗談だ。俺は誰一人として斬っていない 【選択肢:じゃあ、そう言わないと!】 【選択肢:でも、何も言わないと伝わらないよ?】 【大谷吉継】 俺の無実はそのうち証明される。ただ流れに身を任せればいい -------------------- そう言うと、吉継はすーっと去っていった -------------------- |
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2-1無実の罪 | |||||
-------------------- 吉継が千人辻斬りの容疑者として取り調べを受けているとの報が入った 新武将は急いで取り調べが行われている場所に向かった -------------------- 【兵士】 待てい! 貴様、何者だ! -------------------- 新武将は吉継の友人であると叫び、強引に吉継が捕らわれている牢に向かった -------------------- 【大谷吉継】 新武将、どうしたのだ。血相を変えて… -------------------- 吉継はまったく取り乱すことなく取り調べを受けていた -------------------- 【兵士】 吉継…白状せよ。お前が辻斬りの下手人であることは明白 友人の前でもしらを切るつもりか? あーん? 【選択肢:主張しないとダメだって、吉継!】 【選択肢:吉継は下手人じゃない!】 -------------------- 吉継は相変わらず、何も言わなかった。警手が吉継を打ち据えようとしたその時… -------------------- 【豊臣秀吉】 待て、待て。吉継がそんなことするわきゃねえ。町の高札も外させろ、あれじゃ、皆勘違いしてまうわ -------------------- 秀吉の鶴の一声で、吉継は解放された 秀吉様、ありがとうございます -------------------- 【豊臣秀吉】 いや、礼を言う相手を間違えとらんか、吉継 -------------------- 吉継は、新武将に一礼して、静かに去っていった -------------------- 【豊臣秀吉】 なんじゃ、吉継、照れとんのか? 表情が読めんから、わからんわ… あいつは確かに変わりもんじゃが、悪い奴じゃねえ 今後も仲ようしてやってくれ、な? -------------------- 新武将はうなずいた -------------------- |
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3-1諦観融解 | |||||
-------------------- 新武将は吉継の居室を訪ねた 吉継は居室で寝ていた。吉継の顔を覆う布が、少しめくれ上がっている… -------------------- 【選択肢:吉継の顔を覗こうとする】 【選択肢:吉継の顔の布を直そうとする】 -------------------- その瞬間、吉継の目がかっと開いた -------------------- 【大谷吉継】 見?た?な? 俺の顔を見た者は…三年後に死ぬぞ? -------------------- 新武将は飛びのいた。吉継は、さっと居住まいを正した -------------------- 【大谷吉継】 戯れだ -------------------- 新武将はほっとした後に笑った。吉継も静かに笑った その後、吉継はすーっと片腕を掲げた --------------------
二人は無言で挙げた手を合わせた。ぱちん、という音が響き渡った -------------------- |
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4-1以心伝心 | |||||
-------------------- 吉継は新武将を夕焼けの美しい川辺へと誘った。川はゆったりと流れていた 吉継は川の中に手を入れ、ころころと流れていた小石を拾った -------------------- 【大谷吉継】 この石は、俺の生き方そのものだ。何も発せず、動かず、ただ流れていく… お前は何も言わなければ、何も伝わらないと言った…。…やはり、俺の生き方は嫌いか?
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松永久秀 | |||||
1-1年越しの鈴虫 | |||||
-------------------- 夜更け、新武将が夜の町を歩いていると、向かいから、うろんな男が虫かごを手に近づいてきた -------------------- 【松永久秀】 松永久秀…見参。天下無双の大悪党とご記憶いただこうかな。んん?? -------------------- 久秀は、手に持つ虫かごを新武将に見せた。中には鈴虫が入っており、音を奏でていた -------------------- 【松永久秀】 この鈴虫は去年の冬を越えておる。鈴虫でも大事に飼うてやればかように長生きできるのよ
それを戦で死に飛び込み、不摂生で体を壊し、気遣いで心を病み、無駄に命を縮めておる…コワイ! あーつまらん! 実につまらん! んん?! 己が運命も管理できぬ愚図ばかり愚図ばかり! どうだ?? 我輩とともに、生命の神秘について、または運命の秘密について追求せぬか、んん?? 【選択肢:コワイ!】 【選択肢:はい、よろこんで!】 -------------------- 久秀は、顔を新武将にじーっと近づけて笑むと何も言わず、深夜の闇の中に消えていった -------------------- |
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2-1働けずとも食っていけ | |||||
-------------------- 新武将が町を歩いていると、久秀が貧しい人々に炊き出しを行っているところに出くわした -------------------- 【松永久秀】 はーい、皆さーん、おいしい粥はまだまだありまーす。一列に並んで、順番を待ってくださいね? 額に汗して自ら粥を炊き、貧しい人々に与えては、励ましの言葉を一人一人にかけ、握手までしている
働かざる者食うべからずというチンケな正義が嫌でな。そんなものに味方することないよう炊き出ししておる 正義に気をつけろ! 正義はお主に言い訳を与え、取り入り、操り、お主の運命を支配しようとする… だから正義には先がないことが多い。実にチンケ! だが、悪党は、常に先を読んでおるのよ。ほれ -------------------- 久秀はそういうといきなり粥を渡してきた。食うと大変おいしかった。久秀は片目をつむって笑んだ -------------------- |
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3-1怖いものなし | |||||
-------------------- 久秀と新武将が往来を歩いていると、家康に出会った。家康は久秀の服を見るなり震え出した -------------------- 【徳川家康】 くくく、クモ! クモ! クモ! ニギャー! クモーっ! 【選択肢:なにあれ?】 【選択肢:とんだ臆病だな】 【松永久秀】 そう言ってやるな、どんな奴にも苦手なものはある。家康のクモ嫌いは有名ではないか もっとも、天下無双の大悪党たる我輩には、この世に恐いものなどないがな
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4-1共に神秘に挑む | |||||
-------------------- 新武将が松永久秀を訪ねると、久秀は机に向かい、何かを執筆していた -------------------- 【松永久秀】 おお、新武将か…懐かしい、すべてが懐かしい。覚えているか、生命の神秘を解き明かそうと誓った夜空 今、生命の神秘についての本を書いているのだが…いかんせん臨床例が少なくてな、協力してくれるぬか??
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片倉小十郎 | |||||
1-1月下の笛 | |||||
-------------------- 月の綺麗な夜…。笛の美しい音色が響いていた 新武将はふらふらと、その音色の元へ向かった -------------------- 【片倉小十郎】 これはこれは…下手な笛でお耳を汚して申し訳ありません 時々、このように一人で笛を吹いております。多忙な日々、無性に一人でいたい時もございますので
で、まだこの場にいらっしゃるのでございますか? ご無礼ながら、相当鈍感な方でございますね -------------------- 小十郎はにっこりと笑うと、再び笛を吹き始めた -------------------- |
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2-1毒舌の裏 | |||||
-------------------- 月の綺麗な夜…。笛の悲しい音色が響いていた 新武将はふらふらと、その音色の元へ向かった -------------------- 【片倉小十郎】 これはこれは…またいらっしゃったのでございますか。ご無礼ながら、学習能力が皆無なのでございますか? 【選択肢:無礼なのはお前だ!】 【選択肢:ご、ごめんなさい!】 【片倉小十郎】 ご感情を害しましたか…これはご無礼いたしました。そういえば、こんな話がございます 南蛮のとある笛吹きは町の人々のため、笛の音で大量のネズミを誘い、川に流しました ですが、町の人々は笛吹きに報酬を出しませんでした。そこで笛吹きは町の子供たちを笛で誘って洞窟に… このように、笛には魔力が宿っているのでございます。決してあなた様が盆暗というわけではございません。 -------------------- 小十郎はにっこりと笑うと、再び笛を吹き始めた -------------------- |
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3-1従者でございます | |||||
-------------------- 綾御前と小十郎が突然、現れた。小十郎は新武将にうやうやしく頭を下げた -------------------- 【片倉小十郎】 こちらの老婦人より、あなた様にお仕えし、教育するようにと仰せつけられましてございます あなた様が立派に成長するのを見届けてから、墓に入って朽ち果てたい…と老婦人は仰せなのです -------------------- 綾御前は冷酷な笑みを浮かべ、いきなり小十郎の眼鏡を奪い取った -------------------- 【片倉小十郎】 あ、眼鏡…眼鏡…眼鏡… -------------------- 小十郎は両手を前に出して、うろうろし始めた。綾御前は優しく新武将に語りかけた -------------------- 【綾御前】 新武将、小十郎にあなたのことを何と呼ばせましょうか?
綾御前は手にした眼鏡をぽーんと放り投げた。小十郎は落ちた物音のほうに駆け出した -------------------- 【綾御前】 焦る必要はありませんよ、新武将。小十郎の主人たる器量、ゆっくりと身につけなさい -------------------- 綾御前は、にっこりと笑って去った。やがて小十郎が眼鏡をかけ直して戻ってきた -------------------- 【片倉小十郎】 あの老婦人にも困ったものでございます…。…とにかく、よろしくお願いいたします。ご主人様 |
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4-1従者の反撃 | |||||
-------------------- 新武将は、日々、小十郎から小言を受けていた -------------------- 【片倉小十郎】 ご主人様は相変わらず、愚図でいらっしゃる。こんなこともできないのでございますか? このままでは、あの陰険な老婦人から薫陶という名の暴力を受けてしまいますよ -------------------- 嫌気が差した新武将は、気分転換に町へ繰り出した -------------------- 【綾御前】 あら、新武将。やつれた顔をしていますね。ですが、少しは成長したようで、嬉しいですよ -------------------- 新武将は小十郎の暴言を綾御前にチクった -------------------- 【綾御前】 まあ、あの小十郎がそんなうろたえたことを…。わかりました…綾がよいことを教えて差し上げましょう -------------------- 綾御前は冷酷な笑みを浮かべると新武将の耳元でささやいた その後、新武将は小十郎の元に戻った。そして…綾御前から教わった秘策を実行した --------------------
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上杉景勝 | |||||
1-1代弁者の向こうで | |||||
-------------------- 新武将は上杉景勝のもとを訪れた。いかめしい顔の景勝の横には側近の直江兼続がいた 上杉の家臣らは景勝の威厳の前に静まりかえっている。景勝は重々しく口を開こうとした -------------------- 【上杉景勝】 おお… 【直江兼続】 景勝様は、お前のような義戦士と目通りすることを大変喜ばれ、愛をもってお前を迎えると言っておられる 【上杉景勝】 これからも… 【直江兼続】 景勝様はお前に、これからも義と愛に精進せよと、ただひたすらに義を愛し、義のために戦えと仰せだ
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2-1威風凛然 | |||||
-------------------- 新武将は景勝と共に町に出た 厳しい表情で歩く景勝の威圧感は半端なく、実は混み合った雑踏も、割れるように開いていく 景勝はまんじゅう屋の前で立ちどまった。まんじゅう屋はすっかり威圧されてしまっている -------------------- 【まんじゅう屋】 おっおおおお…お許しを…! 私には身重の妻と6つを頭に9人の子どもがおりやす、命ばかりは…!
…わしは顔が怖いか -------------------- 新武将はまんじゅうを半分こして景勝に渡す。景勝は威圧的な表情のまま、まんじゅうを食った -------------------- 【上杉景勝】 …うまい。なぐさめられる |
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3-1厳酷な主とその家臣 | |||||
-------------------- 新武将は景勝、そして上杉の家臣と共に船で大きな川を渡っていた 川は折からの雨で増水し、波が逆巻き、船は大きく揺れた 小虫が飛んできて、景勝の頬をかすめる。景勝はうるさそうに払った -------------------- 【上杉の将】 (はっ! 景勝様は船が揺れてお怒りでご命令なのだ! 船を安定させるため、拙者に船を飛び降りろと!) いやーっ! 景勝様、おさらばにござる! -------------------- 家臣は、船から飛び降り、激しく荒れ狂う川の中へと身を躍らせた --------------------
…服を脱げ
…わしが怖い顔ゆえ 【選択肢:旅に出ないか?】 【選択肢:自分と一緒にいなよ】 【上杉景勝】 …それも、よいかもしれぬ -------------------- こうして景勝は、新武将の仲間となった -------------------- |
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4-1猿まね | |||||
-------------------- 新武将と景勝が、大広間に行くと景勝の飼い猿が、景勝の座にちょこんと座っていた 猿は黙って手足を動かし、景勝のまねをして、命令を出したあと、一人落ち込むしぐさをした -------------------- 【上杉景勝】 …ふ
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小早川隆景 | |||||
1-1問答 | |||||
【小早川隆景】 新武将殿、なぞなぞです。この糸の色はなんでしょう?
では次です。木に登った人が頭に草を乗せました。この人は何を飲みたがっているでしょう?
ああ、愉しい時を過ごせました。私は小早川隆景。新武将殿、今後ともよろしく -------------------- こうして、小早川隆景と知り合いになった -------------------- |
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2-1隆景の読書論 | |||||
-------------------- 新武将が小早川隆景を訪ねると、隆景は本を読んでいた -------------------- 【小早川隆景】 やあ、あなたでしたか。すみません、読書に夢中になってしまっていて…
【選択肢:元就の書いた本でも好き?】 【選択肢:でも、さすがに元就の著作は…】 【小早川隆景】 何をおっしゃるのです? 本は質ではありません。文字量なのですよ 父上の書かれる、冗長で文字量たっぷりの著作…。大好物です。夢心地です。うっとりしてしまいます… 私は、本当に父上の子でよかった… |
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3-1救急治療 | |||||
【小早川隆景】 あ…ああ…うう… -------------------- ある日、新武将が小早川隆景を訪ねると、隆景は、苦しみ、もだえていた -------------------- 【小早川隆景】 文字が…文字が…切れました…。…ほ、本を…
危ないところでした。この書がなければ、私は死んでいたかもしれません ありがとうございます。このご恩に報いるため、以後、どうかあなたの戦にお供させてください -------------------- 隆景は、新武将が持っている他の武将列伝に熱視線送りながら、言った -------------------- |
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4-1知恵と大気あれど | |||||
-------------------- 新武将は隆景の居室で一緒に本を読んでいた -------------------- 【小早川隆景】 これは…雨になりますね -------------------- 数刻前、隆景は雲一つない空を見上げてそう言った。今、予言は当たり、突然の雨が降り出していた -------------------- 【小早川隆景】 新武将殿…あの… -------------------- 文字中毒を自称するほどの隆景が、本に集中できないらしくちらちらこちらを見ている -------------------- 【小早川隆景】 どうも…自分のことを言うのは苦手です。他のことなら、的確にものが言えるほうなのですが…
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小少将 | |||||
1-1不幸を呼ぶ女 | |||||
-------------------- 新武将は小少将を見かけ、話しかけた -------------------- 【小少将】 あーあ、あたしに話しかけちゃったのね。かわいそ♡ あたしは小少将。人呼んで「不幸を呼ぶ女」。あたしに近づく者はみーんな不幸になるの♡
ま、不幸な目に遭ってみて、それでもまだあたしとお近づきになりたかったら、また声かけてね♡ -------------------- 新武将はその日その後、石にけつまずき、財布を落とし、犬にかまれ、暴れ馬に跳ねられた -------------------- |
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2-1もっと不幸を呼ぶ女 | |||||
-------------------- 新武将は小少将と濃姫が街頭で言い争っているのを見かけた -------------------- 【小少将】 素敵♡ そんなご立派なことをおっしゃるのね。そんな、感性なんて言葉知らないって格好で♡ 【濃姫】 あなたよりは無理してないと思うけど? 格好も、口調もね? 【小少将】 うるさい小娘…。誰に頼まれたわけでもないのに自分を演じて… 不幸を気取って、孤独を好むふりして、うざったい。…結局、一人の人間を愛し続けて死んでいけるくせに 【小少将】 はあーい、新武将さん♡ あたしがあげた不幸を満喫してくれてる?♡
ま、あたしとつきあうのは、自己責任でね。あたしの撒く不幸って、しゃれにならないから♡ -------------------- 新武将はその日その後、暴れ牛、暴れ馬、暴れ牛、暴れ牛、暴れ馬の順で跳ねられた -------------------- |
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3-1安眠 | |||||
【小少将】 …また、あたしが不幸を呼んでしまった。…また、大事な人が、あたしのせいで…! …また、いつもの夢。…なんで、夜なんてあるのよ。眠りたく…ない… -------------------- 夜、三人の強盗と二人の辻斬りに襲われ、撃退した。新武将は、目を真っ赤にした小少将を見かけた -------------------- 【小少将】 …はぁーい、新武将、お疲れみたいね。今日はどんな不幸に遭って来たの…? 【選択肢:自分より小少将だ】 【選択肢:目が赤いよ】 【小少将】 …別に …ありがと -------------------- 新武将は黙って小少将の側にいた。疲れ果てた様子の小少将はいつしか、眠りについていた -------------------- 【小少将】 …こんなにちゃんと眠ったの、久しぶり…往来だけど。あなたのおかげ…かな 【選択肢:旅に出ないか?】 【選択肢:自分と一緒に来いよ】 【小少将】 いいかもね。ぐっすり眠れそう -------------------- こうして小少将は、新武将の仲間となった -------------------- |
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4-1不幸を呼ばない女 | |||||
-------------------- 小少将が、新武将のために料理を作ってくれることになった 小少将の料理は案外、危なっかしいところもなく、てきぱきと、調理が段取りよく進んでいく --------------------
料理は手際よ。味は適当で大丈夫。偉そうに言ったって男なんて甘からく味つけしときゃ、大満足だし -------------------- 瞬く間に、おいしそうな料理が、いっぱい並ぶ。味見すると、甘からい味がたまらなく食欲をそそる! -------------------- 【小少将】 で、仕上げにすだちをかけて…
…って、ふふ、愉しい♡ 不幸のことなんて忘れそう -------------------- 新武将はその日その後、特に不幸なこともなく、小少将と愉しい時間を過ごした -------------------- |
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島津豊久 | |||||
1-1子犬 | |||||
-------------------- ある日…新武将は背後に殺気を感じ、振り向いた -------------------- 【島津豊久】 うわっ! あんた、なんで俺のことがわかった? すげえな…やっぱ諸国を渡り歩く武芸者は一味違うや -------------------- 新武将の背後にいたのは島津豊久だった。豊久は、ぽーんと武器を放り投げ、腰を落とした -------------------- 【島津豊久】 でも、簡単に気取られるなんて未熟だなあ、俺…。こんなんじゃ、また餓鬼って馬鹿にされる…
やった! ありがとう! 俺、頑張る! いつでも声かけてくれよな! -------------------- 新武将はその健気な姿に思わず、わしわしと豊久の頭をなでた 豊久は鎖から放たれた子犬のように、駆け去っていった -------------------- |
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2-1名家の苦悩 | |||||
-------------------- 新武将は豊久に声をかけ、少しだけ、剣稽古の相手をした その後、突然、豊久は新武将に島津四兄弟の紹介を始めた -------------------- 【島津豊久】 長男・義久! 古の雄・楠木正成に例えられる名将! 次男・義弘! 俺の伯父上! 言わずと知れた鬼島津! 三男・歳久! 島津の頭脳! 冷静沈着、頼れる参謀! 末弟・家久! 俺の父上! 軍法戦術の妙を知る武人! いずれも天下にその名をとどろかす男たち! しかも全員、猫が好き! 俺、こんなすごい人たちに囲まれてるんだぜ。で、いつも怒られてるんだ。戦も知らぬ餓鬼がってさ…
父上や伯父上は自分たちが強いからって…俺をからかって面白がってるんだ… …俺だってもう、立派な島津の武士なんだ! でも褒めてくれないんだ、認めてくれないんだ! だから、もっと強くなって、認めさせるんだ! そのためには鍛錬、あるのみ! -------------------- 豊久はいきなり立ち上がり、がむしゃらに素振りを始めた -------------------- |
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3-1重たい言葉 | |||||
-------------------- 新武将は豊久に会いに行った。豊久はまた、鍛錬を求めてきた ならばと、新武将は豊久をとある武人の元に連れていくことにした --------------------
※【選択肢:島津義弘の元へ連れていく】を選択時
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4-1島津は諦めない | |||||
-------------------- 新武将は急ぎ豊久のもとを訪れた。豊久の父・家久が突然、倒れたという -------------------- 【島津豊久】 医者によると、何か盛られたんじゃないかってさ。もしかしたら、危ないかもしれないって… いつも俺に厳しい伯父上たちも、妙に優しくてさ…なんか調子狂っちまうよ -------------------- 豊久の声は震えていた。だが、次の瞬間、いつもの口調に戻った -------------------- 【島津豊久】 …俺、今、はっきりとわかった。父上たちが俺に厳しいのも…すべて愛情なんだって 馬鹿にされてもいい、けなされてもいい! 父上には生きてまた俺のケツ、たたいてほしいんだ!
よし、鍛錬しよう、新武将! 父上が全快したら、今度こそ認めてもらうんだ 俺も父上たちと同じ、島津の武士だってことを! -------------------- 新武将は豊久の頭をわしわしとなでた。豊久はにんまり笑った -------------------- 【島津豊久】 なんかさ、あんたになでられるの、癖になってきた。でも、子犬じゃないぞ、俺は! -------------------- その後、新武将と豊久の願いが通じ、家久は全快した -------------------- |
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早川殿 | |||||
1-1早川殿の理想の人 | |||||
-------------------- 戦後、新武将は、早川殿がひとりでいるのを見かけた 早川殿は北条氏康の長女、関八州の姫君である。高嶺の花に話しかける機会と、挨拶してみた -------------------- 【早川殿】 こんにちは。よろしくね、新武将さん 【選択肢:思ったより親しみやすいですね】 【選択肢:思った通り親しみやすいですね】 【早川殿】 それはそうよ。だって、お母様の娘ですもの お母様はものすごく親しみやすい人なの。考えてみて、あのお父様がなついちゃうほどの人よ 家中の人たちも、国のみんなも慕っているわ。私の理想。あんな人になるのが私の目標なの じゃあね、新武将さん。また会いましょう -------------------- 新武将はこうして、早川殿と知己となった -------------------- |
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2-1北条の家族 | |||||
-------------------- 新武将が早川殿を訪ねると、そこには早川殿の父・北条氏康、弟・上杉景虎もいた 丁度いいので、早川殿の「お母様」についてどんな感じの人か聞いてみることにした -------------------- 【早川殿】 私の顔を見てもらえばいいわ。自分で言うのもなんだけどとっても似てるから 【北条氏康】 似てるってんなら、実の兄の義元のほうが似てるぜ。知らない奴が見たら、絶対義元の妹だって気づけねえ 義元本人だって思っちまうだろうからよ。とにかくそのくらい瓜二つだ 【早川殿】 お言葉ですが、お父様、私と瓜二つです。伯父様とは、馴染みやすい雰囲気だけ似ていますけど… 新武将さん、お父様と私、どっちの言うことがあっていると思う?
早川殿と氏康は同時に同じような台詞を言い、同じように笑った。その様子は親子でとても似ていた -------------------- |
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3-1領民も皆家族 | |||||
-------------------- 新武将は早川殿と北条の城下を歩いた。町の人間が会う人会う人親しげによく挨拶してくる -------------------- 【まんじゅう屋】 姫様、まんじゅうが蒸し上がったばかりでさあ! ひとつ持ってってくんなせえ 【早川殿】 ありがとう。いつもおいしくいただいてるわ。お商売、今日も繁盛するといいわね
私が慕われてるわけじゃないのよ。お父様がいて、お母様がいて、北条の政事があって… 皆が安心して暮らせる生活があるからこそ、皆がこうやって明るく挨拶してくれるのよ だから皆の生活を…「今」を守れる力が欲しくって。ねえ、武者修行のため、一緒に旅をさせてほしいの -------------------- こうして早川殿は、新武将の仲間になった -------------------- |
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4-1北条の家族に | |||||
-------------------- 新武将が早川殿に呼ばれて参上すると、そこには氏照、氏規、氏忠、景虎、氏光… ずらりと早川殿の弟たちが並んでいた -------------------- 【早川殿】 今日は、弟たちにあなたのことを紹介したくって。それで呼んだの 【北条氏照】 我ら姉上の弟衆。その代表として北条氏照がご挨拶申し上げる 【上杉景虎】 こちら、新武将殿、姉上の彼氏さん 【北条氏照】 姉上に彼氏などおらぬ! 【選択肢:これって、自分も家族扱いしてくれるってこと?】 【選択肢:なんだが怖いんだけど】 【早川殿】 そうね さ、これであなたも、北条の家族。こっちへ来て。お母様も会いたがってるわ -------------------- 新武将は早川殿にうながされるまま、奥の座敷へと通っていく 新武将は早川殿の母と対面した。新武将はいっぺんに早川殿の母が好きになった こうして、新武将は北条の一員となり、早川殿らと楽しく過ごした -------------------- |
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新武将 | |||||
1-1最初の仲間 | |||||
-------------------- 戦の後、阿国は新武将に礼を言った -------------------- 【阿国】 やあん、おおきに?。新武将様のおかげで、ほん助かりました 全国の武士を書に記す、流浪の旅の途中なんどすて? やあん、素敵! うちも、ご一緒しとおす? -------------------- 新武将が答えかねていると横から傷だらけの五右衛門が現れた -------------------- 【石川五右衛門】 ちょいと待ったあ! てめーと阿国さんを二人っきりにゃあ、あ、させねえ?! 【阿国】 五右衛門様も仲間に入れてほしそにしてはるわ。どないしはります?
そうと決まれば戦だ戦! まずはこの地方で名を上げて、将とたくさん出会おうぜ! 【阿国】 武将でもうちくらいになると一筋縄ではいきませんえ。ぼちぼち仲よなって、書を埋めてっておくれやす? |
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2-1志を立てる | |||||
-------------------- 新武将は名を名乗り、旅の事情を説明した -------------------- 【佐々木小次郎】 ふうん。じゃ、君はさる方の命で、書を編纂する旅をしてるんだ 【宮本武蔵】 …で、お前自身は何を目指してるんだ? 書の編纂は与えられた目標だろ。お前自身の目標って奴をちゃんと持っといたほうがいい 一個の武士として何を目指し、どうなりたいか…その明確な像も含めてな 【選択肢:最強の剣豪になりたい】 【選択肢:歴史を記す学者になりたい】 【選択肢:とりあえず大金持ちになりたい】 【宮本武蔵】 おう! 志はでかいほうがいい 【佐々木小次郎】 で、いずれ君自身がその書に名を残せるくらいに、なれたらいいよね そのためなら、僕らも協力を惜しまないよ。ね、武蔵 -------------------- かくして、新武将は武蔵と小次郎の協力を得て旅を続けることとなった -------------------- |
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3-1家康の依頼 | |||||
-------------------- 新武将は、ある地方の戦に参戦していた 戦の後、その戦の大将であった徳川家康に声をかけられた -------------------- 【徳川家康】 新武将殿、こたびの戦、ご活躍、まことに見事でござった しかし世は広く果てない。そなたほどではないにせよ、この乱世には、優れた将が数多くござる だがその多くは、世に知られず、その生き様を誰にも称えられぬまま、散ってゆく… なんとも無念ではござらぬか、同じこの乱世に生まれ、生きた者として わしは思うのです、すべての武士たちの生が世に知られ、末永く伝えられればよいのに…と 【選択肢:世に知らせ、伝えてはいかがでしょう】 【選択肢:何がいいたい】 【徳川家康】 その言葉、待っておりました。その腕を見込んで、頼みたい この日本をあまねく旅し、武士たちの生を、書に記してみる気はござらぬか
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4-1依頼報告・家康 | |||||
-------------------- 新武将は書を携え、家康のもとに戻った -------------------- 【徳川家康】 おお、新武将殿、ついに書がここまでに…! 長い間ご苦労でござった…よくぞ、よくぞ! -------------------- 家康は新武将が達成した偉業を喜び、その書を手に取り、一枚一枚、丁寧に見ていった -------------------- 【徳川家康】 なんと、これほどの将が集まろうとは…。これで将の生き様が、後世に伝えられましょう では、わしもこの書に彩りを加えさせていただこう。日本中の強者を集めた戦を用意いたしてござる 新武将殿…数多の将と歩み、記せし将ご自身の、誉れをその書に刻む戦となりましょうぞ |
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5-1書に名を刻む・家康 | |||||
【徳川家康】 見事な戦にござった、新武将殿。そなたもまた、まさにこの書に残されるべき将にござる -------------------- 家康は、新武将の名を、書に記し入れた -------------------- 【徳川家康】 この書には、この時代にきらめいたすべての生への敬意と慈しみが込められておりまする 人の世ある限り、争いが絶えることはござるまい。されどこれよりは乱世の記憶を語り継ぐこの書がござる その言葉は、必ず人々の胸を打ちましょう。そしていつの時代も、世に泰平を導く光となりましょう 新武将殿、その手でこの書を成されたこと この家康、大変嬉しく思いまする 新武将殿、これよりも心のまま、旅を続けられるのですかな? この先も、多くの出会いがござろう。そして数多くの将と心を通わせられるのでしょう それはこの書に蓄積され、未来の人の心を打つ…。言うなれば未来への揺けき旅ですな… 新武将殿、その旅路に、大いなる実りと幸あらんことを |
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6-1元就の依頼 | |||||
-------------------- 戦後、一人無人の戦場を見つめていた毛利元就は、新武将の姿を認め、ほほ笑んだ -------------------- 【毛利元就】 やあ、君か。戦ではとても助かったよ、ありがとう -------------------- 元就の視線が再び無人の戦場の彼方に向いた -------------------- 【毛利元就】 君は「勝者の歴史」という事場を知っているかい? 歴史とは、常に勝者の言葉でしか語られない。争いの後に生き残るのは、常に勝者だからね 時を経る中でその多くは変化し、ゆがめられていく。そして、死者や敗者の記憶は埋もれ、忘れ去られてゆく そうしてできていくのが歴史さ。…だが、君は思わないかい? 埋もれ忘れ去られていく将たちの声、痛み。そっちこそ、生き残った我々が失ってはならないと 私は思うんだ。誰かがそれを伝えなければいつになっても、人は争いを繰り返すだろうってね
世の歴史のすべてを記し、後世に伝えたい… 実は、それが私の夢なんだ だが、私にはもう時間があまり残されてないからね。何人の将に出会い、どれだけのことを書き残せるか そう思うと、何を書くにも筆が止まらなくなってね。ついつい冗長になってしまう 【選択肢:私のほうが文才がありますね】 【選択肢:あなたのお手伝いをしたい】 【毛利元就】 えっ、本当かい! じゃ、君も歴史書を編んでくれるかい?
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7-1威勢報告・元就 | |||||
-------------------- 新武将は書を携え、元就のもとに戻った -------------------- 【毛利元就】 やあ、新武将、君の書ができてきたんだね。ご苦労様だったね。さっそく見せてくれるかい? -------------------- 元就は新武将が達成した偉業を喜び、その書を手に取り、一枚一枚、丁寧に見ていった -------------------- 【毛利元就】 本当にたくさんの将と会ってくれたんだね…。将たちの思いや生き様がまざまざと感じられるよ でも、まだこの書にどうしても加えたい人物がいてね。数多くの将の生き様を見つめた将・新武将、君さ 舞台として、日本中の強者を集めた戦を用意したよ。さ、この戦に勝って、この書に君の名を記させてくれ -------------------- 新武将は元就に応え、仕合への参戦を決めた -------------------- |
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8-1書に名を刻む・元就 | |||||
【毛利元就】 いやあ、活躍、素晴らしかったね。君のことを記すのに、格好の戦だったよ -------------------- 元就は、新武将の列伝を、書に記し入れた -------------------- 【毛利元就】 諸国を巡り、戦国のすべてを知り得た君の列伝だ。きっと世に二つとないものになる ああ、そうそう、今の戦の間に、じっくり君の書を読ませてもらったんだよ。すごく楽しかった 君の心が伝わってくるんだ。数々の将と出会い、絆を深めた君の胸踊る感動がね 君の書は、皆に愛されてゆくだろう。そして、時を越えて人と人との心をつないでゆくだろう そうして、万人の可能性と生の尊さとを皆が知るとき、私が描く理想の世も、実現するのかもしれないなあ… ところで、新武将、このあとも心のまま、旅を続けるのかい? 若い君には、この先も、多くの出会いがあるだろう。そして数多くの将と心を通わせることだろう それはこの書に記され、未来の人の心を打つ…。言うなれば君の旅は、未来への遥かな旅だね… 新武将、君の旅路に大いなる実りと幸あらんことを、心から祈ってるよ |
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9-1政宗の依頼 | |||||
-------------------- 戦後、新武将に伊達政宗が声をかけてきた -------------------- 【伊達政宗】 見事な戦であったわ、新武将! 貴様、何故戦場を渡り歩いておる? 【選択肢:生活費のため】 【選択肢:出世のため】 【伊達政宗】 そんなことじゃろうと思うたわ。なれば話が早い。貴様、わしのために働け わしには野望がある。貴様には、それを成す一翼になってもらう 諸国を旅するのじゃ。そして出会った将のすべてを、書に記して参れ
わしの手の者が動いては必ず諸国の目を集める その点、お前は身分、実力ともに申し分ない。おまけにその間抜けな目、嘘のない人間の証よ
貴様、思った以上に頭が回るようじゃな。その調子ならば歴戦の将、大大名とでも渡り合えよう 新武将、これよりしばし竜の翼となれ。わしに代わりもこの日本の空を存分に舞うがよいわ! |
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10-1依頼報告・政宗 | |||||
-------------------- 新武将は書を携え、政宗のもとに戻った。政宗は新武将の帰還を喜んだ -------------------- 【伊達政宗】 でかした、新武将! その書、さっそく見せてみよ -------------------- 政宗は新武将が達成した偉業を喜び、その書を手に取り、一枚一枚、丁寧に見ていった -------------------- 【伊達政宗】 なんと…この国にはかほど数多の将がおったのじゃな。十分すぎる働きじゃ、新武将 -------------------- 政宗はそこまで言って、ふっとほほ笑んだ -------------------- 【伊達政宗】 じゃが、この書には最も重要な者の名が抜けておるぞ。そう、貴様の名じゃ 数多の将とともに歩み、その生き様を知る将…貴様ほど、稀代の勇士の名にふさわしき者もおらぬわ 日本すべての強者が集う大舞台を用意した。勝て。そして貴様の名に、何よりの彩りを添えてみせい -------------------- 新武将は政宗に応え、仕合への参戦を決めた -------------------- |
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11-1書に名を刻む・政宗 | |||||
【伊達政宗】 新武将、あっぱれな活躍じゃ! 貴様の名、この書に華々しく書き入れてくれるわ! -------------------- 政宗は、新武将の列伝を、書に記し入れた -------------------- 【伊達政宗】 新武将、貴様にはこの日本はもはや狭いわ! どうじゃ、いずれわしと海を渡る気はないか? わしには夢がある。海の彼方の国々と交易し、この日本を豊かにする そのためには、まずこの国のすべてを知らねばならぬ。そして、あまねく将と志を分かち合わねばならぬ 新武将、貴様の書がもたらす可能性は果てないのじゃ…
なれば、新武将、貴様はこれより竜の右目じゃ! この天下、その大空を、どこまでも飛び続けい! いずれ貴様の列伝に、もう一文書き加えねばなるまい、海を越え、ついには世界にその名を遺したとな! |
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12-1立花の依頼 | |||||
-------------------- 流浪の兵・新武将は戦にて大きな武功を挙げた。戦の後、新武将に立花宗茂が声をかけてきた -------------------- 【立花宗茂】 見事だった、新武将。お前は流浪の身らしいな。羨ましい。俺はなかなか国許を離れられなくてな 【立花誾千代】 世間知らずな貴様にはよい出会いではないか。この者より、諸将の治世について学んではどうだ? 【立花宗茂】 いいね…だが俺も何かと多忙でね。できれば一冊の書にでもまとめてもらいたいのだが 【立花誾千代】 相変わらず勝手なことだ。だが、名案だ 新武将、今よりお前が出会う将のすべてを書にしてくれぬか?
では、新武将。お前の冒険譚、楽しみにしているぞ |
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13-1依頼報告・立花 | |||||
-------------------- 新武将は書を携え、立花家に戻った。宗茂と誾千代は新武将の帰還を喜んだ -------------------- 【立花誾千代】 書ができてきたのだな。よく務めを果たしてくれた、新武将 -------------------- 二人は新武将が達成した偉業を喜び、その書を手に取り、一枚一枚、丁寧に見ていった -------------------- 【立花誾千代】 まさに戦国全書と呼ぶにふさわしい。本当に、これほどまでの将と会ってくれたとはな 【立花宗茂】 だが、新武将、この書には致命的な何かが欠けているとは思わないか? 【立花誾千代】 これより日本すべての強者を招き、仕合を開催する。新武将、お前も参戦せよ 【立花宗茂】 誰もが望んでいるんじゃないかな、歴戦を制し、数多の将を知るお前との手合わせを 勝てるな、新武将? 俺はお前の名を、無双の名将としてこの書に加えたい -------------------- 新武将は宗茂に応え、仕合への参戦を決めた -------------------- |
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14-1書に名を刻む・立花 | |||||
【立花誾千代】 新武将、見事な勝利だった。世にお前に並ぶ智勇兼備の将はおるまい -------------------- 二人は、新武将の列伝を、書に記し入れた -------------------- 【立花誾千代】 よき書だ。お前の書に刻まれた数多の将の生き様に、人々は感じ入らずにはいられないだろう。 この書は必ず、数多の人々の心をとらえてゆくだろう。そしてこの先も、守り継がれてゆくだろう 【立花宗茂】 世は日々変化する。将の生き方も志も一つじゃない。お前は、出会い、見てきて知っているな? この後も無限に世界は広がっていく。やがてこの国にも、海を越え様々な人間が現れるだろう そうなれば、この時代の記憶を永遠につなぐことは難しいかもしれない -------------------- 誾千代が眉をひそめた。宗茂は、新武将に向き直り問うた -------------------- 【立花宗茂】 新武将、お前の意見を聞かせてくれ。後世も、この時代の記憶は失われていないだろうか?
人は不思議だ。その可能性は、常に俺たち人の想像を超える 新武将、お前はこの先も心のまま生きろ。そしてまた、その冒険譚を書にして、聞かせてくれ お前こそ、俺たちの誰をもしのぎ、永劫の未来までも名を残す人物になるのかもしれないな |
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15-1ガラシャの依頼 | |||||
-------------------- 流浪の兵・新武将は戦にて大きな武功をあげた。戦の後、新武将はガラシャに突撃された -------------------- 【ガラシャ】 新武将、そちは流浪の将じゃそうじゃな! わらわに諸国の話を聞かせてほしいのじゃ? 【明智光秀】 旅のお方をお止めだてするものではありませんよ。それに、おそらくその経験は一言では語れません 【ガラシャ】 誠か? 一冊の書となるほどか? その書が読みたいのじゃ! 書いてほしいのじゃ! -------------------- 新武将が対応に困っていると、隣にいきなり元親が立っていた -------------------- 【長宗我部元親】 迷うことはない…俺にはお前の魂の呼ぶ声が聞こえる。お前は誰よりもこの時代を意志しているはず… 乱世への反骨、将らへの情熱…筆のほとばしりのまま、書にぶつければいい
【明智光秀】 ですが、この乱世を生きる将について記された書、完成すれば、きっと世に二つとない至宝となるでしょう 【長宗我部元親】 光秀の魂も書を求め、酔いしれたいと叫び始めたか。無論、俺の魂もだ 【選択肢:あ…はい】 【選択肢:え…えっと…】 -------------------- こうして、新武将は書を記すべく旅に出ることになった -------------------- |
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16-1依頼報告・四国 | |||||
-------------------- 新武将は書を携え、元親らの元に戻った。元親らは新武将の帰還を喜んだ -------------------- 【明智光秀】 おお、新武将殿、ついに将たちの書がここまでに…! -------------------- 元親らは新武将が達成した偉業を喜び、その書を手に取り、一枚一枚、丁寧に見ていった -------------------- 【ガラシャ】 すごいのじゃ、新武将! 教えよ! いったい何人の将が載っておるのじゃ!? 【長宗我部元親】 一人でも多くの将と語らい、この心を知ろうとした…この書は、そんなお前のすべてをよく現してする 【明智光秀】 では、そのお方ご自身の名がこの書にないということは、あってはならないことですね 【ガラシャ】 ほむ! 数多の将の志を知る無二の者として新武将、そちの名をこの書に書き入れたいのじゃ 【長宗我部元親】 それゆえ、お前のため、全国から猛者たちを集め、その花道となる戦を用意した 勝て、新武将。そしてお前自身の物語に、何よりの彩りを添えるがいい |
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17-1書に名を刻む・四国 | |||||
【ガラシャ】 見事な勝利だったのじゃ、新武将! これにてもう、名実ともに天下に名だたる士なのじゃ! -------------------- 光秀は、新武将の列伝を、書に記し入れた -------------------- 【明智光秀】 私はこれまで、己が志がすべてと思い戦ってきました。ですが、あなたの書を読み、気づかされました… この世には本当に多くの人々が生きているのだと…その一人一人が、かけがえのない志を持っているのだと この書はきっと多くの人の心に光をもたらすでしょう。そしていつの世も、戦なき地平を導く標となるでしょう -------------------- 新武将は、元親が岩場で一人、物悲しく美しい旋律で口ずさんでいるのを見つけた -------------------- 【長宗我部元親】 …これは光秀の歌だ この世を生きる一人一人に物語があり、歌がある ゆえに、人は人にひかれ続ける。ゆえに、人は人を愛し、永久に世をつむいでゆく …そう、まるでこの世界が一体となって、終わることのない調べを奏でゆくがごとくな 新武将、お前にも曲を書こう 【選択肢:激熱の曲でお願いします】 【選択肢:では、甘く切ない調べを】 【選択肢:光秀の歌、いい曲だったね】 【長宗我部元親】 お前らしいな、新武将 お前もまた果てしない物語をつづり続けるがいい。俺もまた、終わらない歌を奏で続けよう |
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