| オープニング | 
| その夜、カイン・モーガンは幼い頃の自分を夢に見ていた。 焼け落ちた家の跡。独りぼっちの自分。父や母は、どこにも見当たらない。
 そこが、ソルシアという名の国であったことも隣国である、アルダインが突如攻め入ってきたことも、幼かった彼は、知らなかった。
 …そうだ、皆は島に行ったんだ… 彼が覚えていたのは、ただそれだけだった。
 西大陸随一の大国、ヘインガリア。その実質的な支配者である「長老」達は、突如「不帰の島」と呼ばれる辺境の地に、騎士団を派遣した。
 穏健派で知られる国王、イアン・マーティンは その真意を問いただしたが、長老達は若き王の言葉に、何も答えようとはしなかった。
 忠誠を誓う国王の心痛を憂いた親衛隊グリアム・モーガンは、長老派の目的を探るべく調査を行ったが、彼が知り得たのは、長老がもらしたという謎めいた一言だけだった。
 あの島には、永遠の力を宿した指輪が眠っている、と。
 業を煮やしたグリアムは、遂に自らの息子カインを不帰の島へ送り込むよう、国王に進言したのであった。
 数日後、まだ夜も明け切らぬ内に一艘の小舟がヘインガリアの港を後にした。
 グリアムが極秘に雇い入れたその船には、国王から託された書簡を手にした、カインの姿があった。
 
 漁師:じゃあ、わしはこれで…
 カイン:世話になったな
 漁師:手紙を届けるんだか何だか知らんが暗くならないうちにお仲間を見つけることだな
 カイン:ああ…それじゃあ
 漁師:わしら漁師でもこの島には近づかんのに… 王国勤めも楽じゃないもんだ
 漁師:さて… とっとと引き上げるか…
 | 
| 調査隊集落 | 
| マークス:うう… く…来るな… 俺に…近寄るな!!! 
 石に座る兵士:…何だ 俺は眠いんだ 用があるなら後にしてくれ
 
 門番兵士:その紋章…本国から誰か来るとは聞いていたが、貴様がそうか
 門番兵士:ふん、王のお気に入りのわりには…
 門番兵士:貴様が来たら呼べとエバンスが言っていたな 向こうの小屋にいるはずだ
 門番兵士:この島は化け物だらけだ せいぜい死なないように気をつけるんだな
 門番兵士:この奥には神殿がある 俺達の当座の目的はそこの内部調査だ
 門番兵士:もっとも奥の方は水没していて調べようがないがな
 門番兵士:あの水門が動けばいいんだがどういう仕掛けなんだか…
 門番兵士:それとも、親衛隊員どのならそれぐらい朝飯前かな?
 門番兵士:向こうにある墓を見たか
 門番兵士:ここも最初はもう少し人がいたんだが、今じゃどいつも土の下だ
 門番兵士:島の裏側に行った部隊とも連絡が取れないままだし…
 門番兵士:ここに何があるって言うんだ…
 門番兵士:何か用か?
 
 ウォレス:よう、あんただろ? 本国から来たヤツっていうのは
 ウォレス:ようこそ、このろくでもない島へ ヒヒヒヒ…
 ウォレス:あんた、新入りって話だけど本当のところ何しに来たんだい?
 ウォレス:王様のお使いは『永遠の力』ってヤツかい? ええ?
 ウォレス:ヒヒヒ…悪かったよ、俺は何かと知りたがりなんでね 隊長には黙っとくよ
 ウォレス:気が向いたら神殿にでも行ってみたらどうだい? 何かあるかもしれないぜ?
 ウォレス:もっとも、あの水門が開けられればの話だが
 ウォレス:よう、調子はどうだい?
 
 マリー:あら…ああ、あなたが
 マリー:副長から聞いてます 本国からいらしたんですよね
 マリー:マリー・ファウラーです 医療を担当してます よろしくお願いしますね
 マリー:怪我をしたらすぐ言って下さい ある程度なら薬を用意してますから
 マリー:そうそう、向こうの奥の小屋にはマークスさんが寝てますから静かにして下さいね
 マリー:隊長と一緒の所を怪物に襲われて…それからずっと寝たきりなんです
 マリー:ずっと眠り続けてて、時々暴れるんです… 何か、怯えてるみたいに…
 マリー:前にも同じことがあったんです。でも、その隊員は突然いなくなってしまって…
 マリー:怪我はもう治ってるはずなのに時々ひどく苦しがって… 何か悪い病気でなければいいんですけど…
 マリー:あの…隊長にはお会いになりましたか?
 マリー:奥の離れた小屋にいる方です
 マリー:こんなこと言って良いのか分からないですけど……何か変じゃなかったですか?
 マリー:皆さんは調査が進まなくてイライラしているだけだろうと言ってましたけど…
 マリー:話かけても返事もなさらないし、私…なんだか怖くて…
 マリー:私、本当は軍属じゃないんです
 マリー:前からこの島の話しを聞いていて、どうしても行きたくて…
 マリー:ここの奥にはかなり古い神殿のような場所があるんですよ
 マリー:あれを見て、昔この島に文明があったっていう話しは本当だったんだって…
 マリー:今は怪物の巣だけど、あれを作った人たちはどうしたんでしょうね
 マリー:体には十分気をつけてください
 マリー:あら、もうこんな時間【夜になった時に自動的に発生】
 
 隊長:………
 
 レオ:お前は…例の新入りか?
 レオ:副長が用があるそうだ 向こうの小屋にいるが、もう寝ているかも知れん
 レオ:朝になったら、会っておいた方がいいだろう
 レオ:…副長に会ってからにしろ
 レオ:何だ…
 
 エバンス:ああ 本国から来られた方ですね 連絡は聞いてますよ
 エバンス:副長を代行している、エバンスと申します 書簡は私が受けましょう
 エバンス:………あなたを隊を加えるように、と書かれていますね
 エバンス:これは弱ったな…隊長のご指示がないと…
 エバンス:隊長はあんな感じだし…どうしたものか…
 エバンス:ま…まあ、しょうがないですね 王直々のご命令ですし、すぐ帰れるわけでもないし
 エバンス:そうですね…とりあえず剣を預かります 隊の備品として管理しますので
 エバンス:代わりは倉庫にいるウォレスからもらって下さい 彼が物資を管理してますから
 エバンス:伝達書です 倉庫に行ってそれをウォレスに渡して下さい
 エバンス:我々は現在、この集落に隣接する神殿跡を調査しています
 エバンス:半ば水没しているので奥の方はどうなっているのかまだ分かっていません
 エバンス:神殿内にある水門が動かせればいいのですが…
 エバンス:操作盤らしきものはあるのですが壊れているのでしょうね、何の反応もないんですよ
 エバンス:本当は副長は別の方がなされてたんですが…先日亡くなられて…
 エバンス:隊員もかなり減ってしまいました…あなたも気を付けなさい
 エバンス:今のところ、調査は中断しています あなたも指示があるまで待機していて下さい
 エバンス:やれやれ、今日も無事に過ごせましたね…【夜になった時に自動的に発生】
 
 ウォレス:ふんふん、剣を渡せ、か
 ウォレス:はいはい、と… これでも下げときな
 ウォレス:ところで、この島じゃ、たまに変わった水晶が見つかることがあってな…
 ウォレス:本国に持ち帰ればかなりの値打ちもんだと見てるんだ
 ウォレス:ここも人が減っちまって物資が余り気味なんだよな…
 ウォレス:あんた、色々と物が必要なんじゃないのかい?
 ウォレス:さてと、そろそろ寝るとするか…【夜になった時に自動的に発生】
 
 門番兵士:奥の方はどうなってるかわからん あんまり勝手なことはするなよ【朝/水の神殿前の門を開けるとき】
 
 レオ:邪魔だけはするなよ…【夜/水の神殿前の門を開けるとき】
 レオ:深入りしない方が身のためだと思うがな…【夜/水の神殿前の門を開けるとき】
 
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 【水の神殿クリア後/集落襲撃時】
 怪物化した隊長ダレル:長老どものねずみが…この程度か
 怪物化した隊長ダレル:エターナルリングは俺の物だ
 
 レオ:魔物が…皆…やられた
 レオ:あれが隊長…… リングの力なのか…?
 レオ:早く奴を… エターナルリングを追わなければ…
 レオ:くそ… 不覚を取った…
 
 マリー:ば、化け物…
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| 水の神殿 | 
| 水竜:…ソナ…タ… …ナ・ニモノ…ダ… 水竜:…カギ……マリョクヲ…ヒメタ……モノ…
 水竜:…ソルシ…ア…?
 水竜:………
 水竜:…ソナ…タ…モ… …エイ…エン…ヲ… …モトメ…テ…?
 水竜:………
 水竜:…モハ・ヤ… …シャベル…コトモ… ……カナワ……
 水竜:…ライ…ラ…ヲ… …サガス…ガ…ヨイ…
 水竜:…ワガ… …ハラ…カラヨ…
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| 忘却の祭壇 | 
| 魔導師:我は古の英知を伝えん 魔導師:今は忘れられし 大いなる魔の力を求めし者よ
 魔導師:これぞ英知と力の器
 魔導師:汝、魔を秘めた石を捧げるがよい 力を宿す指輪を授けよう
 
 【最終決戦前】
 魔導師:滅びし魔法文明の血を引く者よ
 魔導師:我は古の魔導師 エイルシアの残せし忘れられた思念
 魔導師:忘却の祭壇に石を捧げよ 汝に最後の英知を授けよう
 魔導師:これより汝の向かいしは我らの手による永遠の檻 作られし神の子の眠る場所
 魔導師:子の心と姿 共に成長す
 魔導師:未だ幼きその姿 永き時をかけること叶えば成長する道あり
 魔導師:だが時すでに遅し
 魔導師:ほどなく永遠の檻は時取り戻し自然の理に従い役目を終える
 魔導師:子は縛めを解かれ世界は今一度滅びの危機を迎える
 魔導師:残されし最後の光明はひとつ
 魔導師:時の縛めを解かれし者は卵より孵りし雛 力を存分に振るえず
 魔導師:汝こそ魔の血を受け継ぐ最後の一人
 魔導師:さあ行くがいい 魔法陣より神の子の元へ…
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| 祭祀場 | 
| ターバンの男:水門を開けたようだな ターバンの男:おかげでこの辺りはこの有様…そうか、やはり動かせたか…
 ターバンの男:ならば、あの指輪も使えたはずだ
 ターバンの男:もう一つ、指輪がある 私には無用のものだ、持っていくがいい
 ターバンの男:毒を封じる魔法が宿っている それがあれば、この先の谷を抜けられるだろう
 ターバンの男:谷の向こうには大陸から来た連中がいる 奴らなら武器も持っているはず
 ターバンの男:うまく譲ってもらうことだ その剣では心許なかろう…
 ターバンの男:むっ……!?
 ターバンの男:収まったか… だが、もう間もなく……
 ターバンの男:いいか、谷も安全ではないがお前は指輪が使える 森に比べればまだましな所だ
 ターバンの男:吊り橋の向こうには行くな あの森は今のお前には危険すぎる
 ターバンの男:またいずれ、出会うことになる その時まで生きていろ
 ターバンの男:エターナルリング…それがお前達の言う『永遠の力』の名だ
 ターバンの男:この島には多くのものが眠っている
 ターバンの男:魔法の力、魔物、竜 そして…お前の過去
 ターバンの男:お前がこの島に来たことは決して偶然ではない いずれわかることだ…
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| 樹の集落 | 
| 集落の男A:おや、誰だ? 集落の男A:ヘインガリアの紋章… しかも親衛隊の騎士さまですね
 集落の男A:確か海岸にいたのは長老さまの部隊だったような…
 集落の男A:親衛隊は国王陛下の部隊でしたよね どっから来たんです?
 集落の男A:この辺りは危険です 特に森の方は…
 集落の男A:私どもは元々三人だったんですが一人は森の崖から落ちて死んでしまったんです
 集落の男A:たぶん谷のどこかにいると思うんですが…そのままでは不憫で…
 集落の男A:せめて国にいる奴の家族に形見になるようなものでもあればと思っているのですが…
 集落の男A:あそこは毒があふれていて近づくこともできません
 集落の男A:こればっかりはたとえ騎士さまでもどうしようもないですよね…
 
 集落の男A:私どもは時々島に渡ってきて高く取引できるものを集め大陸で売りさばいているんですよ
 集落の男A:この樹を寝ぐらにして周辺を探索してたんですが…
 集落の男A:最近谷の方に毒が流れてきましてね 戻るに戻れません
 集落の男A:森には厄介な怪物がわんさかいますからね やはり危なくて通れません
 集落の男A:いつまでここにいればいいのか…
 集落の男A:この島は昔、戦争があったらしくてあちこちにその跡が残っているんですよ
 集落の男A:でもまるで天変地異でもあったんじゃないかっていうありさまのとこもあるんで
 集落の男A:きっとでかい魔物が暴れ回ったに違いありません 恐ろしいことで…
 集落の男A:一体いつになったら国に帰れるんだか…
 
 集落の男B:ん…おまえは誰だ ライラの仲間か?
 集落の男B:いや、ヘインガリアの紋章をつけてるな 海岸にいた連中の仲間か
 集落の男B:ずいぶんのんびり調査してたな ようやくここまでたどり着いたってわけだ
 集落の男B:この島に関しては俺たちの方がずっと詳しいようだな…
 集落の男B:おい、なにか必要な物があるなら譲ってやってもいいぞ
 集落の男B:もちろんタダじゃない 宝石と交換だ 俺たちも生活があるからな
 集落の男B:なにが欲しい?
 集落の男B:ライラって女を知ってるか? いたら連れてきて欲しいんだ
 集落の男B:何度か会った事があるんだが、どうやら、この島に住んでいるらしい
 集落の男B:俺の話をもの珍しそうに聞いていくんだぜ 島の外の事が知りたいんだと
 集落の男B:そんなことよりここから出る方法を教えて欲しいぜ、くそっ
 集落の男B:そういえば少し前、羽根の生えた化け物が火山の方に飛んでったな
 集落の男B:人間みたいにも見えたが…あんなのは見たことがない
 集落の男B:もっとも、ここには見たことのない生き物ばっかだけどな
 集落の男B:本当はもう一人仲間がいたんだが森の崖から落ちて死んじまった
 集落の男B:あんたも気をつけな…無茶するなよ
 集落の男B:ここから海岸へは森かその下の谷を通れば行くことができる
 集落の男B:谷の方が通りやすいが今は毒のせいで通れないからな
 集落の男B:あんた、よくあの森を通れたもんだぜ
 集落の男B:おい、あまりいじるなよ【集落の男Bが起きている時に箱を調べた時】
 
 【腕輪を渡したあと/崖から落ちた人物のことを聞く前のみ】
 集落の男A:あっ、それは…
 集落の男A:この腕輪は友人の物なんです 奴は谷に落ちてしまって…
 集落の男A:これを奴の家族に届ければ せめてもの供養になります
 集落の男A:ありがとうございます、騎士さま これはほんのお礼です
 集落の男A:島の奥を探索するなら谷にある急な坂道を降りればいいですよ
 
 【腕輪を渡したあと/崖から落ちた人物のことを聞いたあとのみ】
 集落の男A:おお、騎士さま、ありがとうございます
 集落の男A:これで奴も浮かばれるというものです
 集落の男A:これはほんのお礼です 受け取ってください
 集落の男A:あ、あと奥への道ですが谷に急な坂道になった穴があるんです
 集落の男A:そこを降りると奥へ行けます 戻りは別を探さなきゃなりませんが…
 集落の男A:そういえば、この間も別の方に同じ事を教えました 剣士風の格好をした方でしたよ
 集落の男A:へへ…それにしてもいい品ですね
 
 集落の男A:この間の剣士さんは灰色の髪で、革の鎧を着た方です
 集落の男A:島の奥の様子を尋ねられてその後すぐに出ていかれましたが…
 集落の男A:誰かを心配しているようにも見えました 騎士さまのお知り合いですかね?
 集落の男A:いや、でもヘインガリアの紋章はつけていなかったような…
 
 集落の男B:あんたいい奴だな わざわざ遺品を拾ってきてくれるなんて
 集落の男B:これはほんの気持ちだ やるよ
 集落の男B:お国の命令で大変だろうががんばってくれ …ついでに俺たちも助けてくれよ
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| 大鍾乳洞 | 
| レオ:久しぶりだな、お互い無事で何よりだ… レオ:俺はあの隊長を追っている 奴を捕らえるか、それが無理なら殺す
 レオ:お前のことは大体察しが付く 調査隊の目的を探りに来たんだろう
 レオ:一度助けられた借りがある 俺の知っていることはすべて話そう
 レオ:あの部隊が探っていたのはエターナルリングというものだ
 レオ:二十年前、ソルシアの民はこの島で滅んだ 彼らが持っていたというのがエターナルリングという指輪らしい
 レオ:その指輪は不思議な力を持っているそうだ 長老達は『永遠の力』と呼んでいた
 レオ:ヘインガリアの発展か、それとも自分たちの野心なのか… 奴らがその力で何を企んでいるかまでは知らん
 レオ:部隊のほとんどの連中は自分達が何を調査しているのかさえ知らされていなかった
 レオ:長老達はその隊長をも信じていなかった だから俺を雇い、部隊に潜り込ませた
 レオ:もし隊長が余計な野心を持つようなら殺せ、そしてリングを奪い取れ、と
 レオ:だが、もう奴はリングを見つけていたのかもしれない あの姿もそれが原因の可能性がある
 レオ:お前は変わった力が使えるようだな
 レオ:それが魔法というものなら、ソルシアの血を引いているのかもしれん
 レオ:…一度だけ、妙な女を見たことがある お前と同じような力を使っていた
 レオ:覆面をした男と一緒だった 俺に気づくとすぐ逃げてしまったが…
 レオ:確か、ライラと呼ばれていたな
 レオ:知っていることはすべて話した 俺はもう行くぞ
 レオ:この先に、古い施設がある 俺はそこに行ってみるつもりだ リングのことも何か分かるかもしれん
 レオ:騎士だろうが傭兵だろうが生きて帰ることが最大の使命だ …幸運を祈る
 | 
| 鉱山跡 | 
| 【日記】 我がアルダイン軍によるソルシア侵略は失敗に終わった
 あの恐るべき竜共がソルシアの生き残りであるなどと私にはいまだに信じられない
 私の体も徐々に魔物と化しつつあるソルシアの呪いだ
 あるいはこれこそが王の追い求めたエターナルリングの力なのか
 私はこの建物に鍵を掛け最後まで呪いと戦う決心をする
 もし人間としての私が失われるなら溶けた鉄に身を投げ醜い姿を葬り去る覚悟だ
 いつの日かここを訪れる者があったならどうか頼む リングの力を止めてくれ
 
 【出現時】
 怪物化した隊長ダレル:オレを…オってきたのか…
 怪物化した隊長ダレル:キサマも…あいつのように… …シテヤル…!
 
 【撃破時】
 怪物化した隊長ダレル:…はやく… …エターナ…ングを… …テに…イレ…
 | 
| 溶岩の河 | 
| ターバンの男:うまく切り抜けているようだな ターバンの男:あの傭兵は死んだようだな いくら剣の腕が立とうと この島では無駄なことだ
 ターバンの男:そいつは、隊長と呼んでいる怪物がエターナルリングを持っていると思っていたようだが…
 ターバンの男:…過去にも多くの者達がエターナルリングを求めた …永遠という名を信じてな
 ターバンの男:だが彼らは誰一人としてエターナルリングの伝説を正しく知らなかったため、呪われた
 ターバンの男:二十年前に島に渡ってきた、侵略者であるアルダインの民も魔法を操れるソルシアの民でさえも
 ターバンの男:お前に会わせたい者がこの先にいる すでに変わり果てた姿だがな…
 ターバンの男:私はかつてアルダインという国でその男に仕えていた
 ターバンの男:もう二十年も昔のことだ…
 ターバンの男:ライラを探せ エターナルリングへの道は彼女だけが知っている
 ターバンの男:それができなければ呪いに捕らわれ、醜く変貌し、この島をさ迷い続けることになる
 ターバンの男:私のようにな…
 ターバンの男:早く行け…
 
 マシュー王:ネルか…?
 マシュー王:いや、おぬしは誰だ…
 マシュー王:見かけぬ紋章を身に付けておるな どこの小国の者だ…?
 マシュー王:わしは偉大なるアルダインの国王 マシュー・D・ロス3世である
 マシュー王:このような姿ではあるが、我が領土へ帰還すれば幾千万の民が迎えてくれるだろう
 マシュー王:しかしここは王宮ではない 堅苦しくする必要はあるまい 楽にしてよいぞ…
 マシュー王:おぬし、ネルを見はせんか…?
 マシュー王:我が忠臣であり、此度の進攻を提言した者だ
 マシュー王:今はわしを元の姿に戻すための手段を探らせている
 マシュー王:そうだな…おぬしにも探ってもらうとしよう
 マシュー王:もしわしをこのいまいましい姿から元に戻せたならば騎士として登用してもよい
 マシュー王:親衛隊の隊長などはどうだ 名も知れぬ小国の戦士では野心も満たされまい…
 マシュー王:なぜこのような姿となったかを説明せねばならんな… 姿を戻す手段を探るには必要だろう
 マシュー王:二十年ほど前のことだ…
 マシュー王:わしは幾千の兵を率い、強大な力を封じてあるというエターナルリングを求めてこの島に渡ってきた…
 マシュー王:怪しげな魔術を操り襲いかかるソルシアの民どもを黙らせてゆき、エターナルリングを目前としたのだ
 マシュー王:しかし愚劣なソルシアは最後に奇妙な術を使った
 マシュー王:すると、わしも我が兵士達も見たこともない醜悪な怪物に変わっていくではないか
 マシュー王:こうなっては一時的に本国へ帰還し討伐隊を再編しなくてはならない
 マシュー王:そのためにはいのいまいましい姿を元に戻すのが先決なのだ…
 マシュー王:しかしネルめは何を悠長にしておるのか…あれから随分と経ってしまった…
 マシュー王:あまり長い間、王が不在では民衆の不安が…
 マシュー王:な、何事だ?
 
 【火竜出現後】
 ライラ:こっちへ、急いで!
 
 ライラ:ここまで来れば大丈夫…怪我はない?
 ライラ:あの火竜はもう自我がない… 危険だから気をつけて
 ライラ:島のあちこちで魔法を使うあなたを見かけたわ… ソルシアの人なのね?
 ライラ:もうソルシアの人はだれもいないと思ってた…
 ライラ:私の名前はライラ ライラ・ユノー 最後のエイルシア人です
 ライラ:エイルシアはかつてこの島で栄えた魔法の一族のことよ そして、ソルシアの祖でもある
 ライラ:うれしいわ 私の他にも魔法を使える人が生き残っていたなんて…
 ライラ:大陸から来たんでしょう? ねえ、島の外の話を聞かせて 私、ここから出たことがないから
 ライラ:もう少し奥に行けば私の住んでいるところが…!!!
 
 【火竜再出現後】
 ライラ:危ないから動かないで!!
 ライラ:私が何とかするから…
 ライラ:お父さん! 私です、ライラです 落ち着いて!!
 | 
| 南岸集落 | 
| ライラ:無事だったの! よかった… ライラ:ここが私の家…かつてエイルシアの人々が築いた街
 ライラ:今はもう私一人だけど…
 ライラ:あなたはソルシアの人だから本当のことを知る必要があると思う
 ライラ:少し長い話になるけど…
 ライラ:かつてこの地では魔法を自由に操るエイルシアという文明が栄えていたわ
 ライラ:ある時、エイルシアの魔術師達は究極の生命を作り出そうと考え、研究をはじめた
 ライラ:犠牲に犠牲を重ねついに彼らは一体の人工人間、ホムンクルスを作り出した
 ライラ:その子は誰よりも強い魔力を持ち、そして死ぬことのない完璧な人間だった
 ライラ:魔術師達は喜び彼を『神』と呼んで祀りあげたわ
 ライラ:だけど彼には足りないものがあった …彼には心がなかったのよ…
 ライラ:彼は他人の悲しみや痛みを感じることができなかった
 ライラ:だから誰かを傷つけても何も感じず、そして誰かが死んでも…死自体、理解できなかった
 ライラ:魔術師達は無邪気に街を破壊する『神』を見て事の重大さに初めて気が付いた
 ライラ:死なない彼を大人しくさせるには閉じ込めるしかなかった 時間も空間もない、永遠に閉じられた檻の中に…
 ライラ:その檻がエターナルリング 皆が力だと思っているのは実はホムンクルスのこと…
 ライラ:ホムンクルスをエターナルリングに閉じ込めたエイルシアの人々は…
 ライラ:エターナルリングを管理するためのわずかな監視の民を残して島を出たの
 ライラ:大陸に渡った彼らがソルシア…長い年月のうちに一族の名前も変わって、かつての歴史もしだいに忘れられていった…
 ライラ:そのソルシアが二十年前、突然島に戻ったの…
 ライラ:アルダイン軍に追われていた彼らはあいまいな伝説を頼って島に渡った
 ライラ:エターナルリングには救いの神が封印されていると信じて
 ライラ:彼らは制止する監視の民を振り切りエターナルリングを無理やりこじ開けたの
 ライラ:時代を超え目覚めたホムンクルスは面白半分で、アルダイン軍と戦う力を欲するソルシアを竜に変え…
 ライラ:そしてその強すぎる魔法の力が島じゅうに呪いをかけた…
 ライラ:…あの子はまだ小さいから…していい事と悪いことの区別がつかないだけなの…
 ライラ:監視の民はエターナルリングをなんとか修復し、ホムンクルスを再び封じることができた
 ライラ:もう昔ほど力のある魔術師達はいなかったから完全に元に戻すことはできなかったけど…
 ライラ:犠牲も大きかった… 生き残ったのはまだ赤ん坊だった私と母の二人だけ
 ライラ:その母も二年前に… あっ…!
 ライラ:もうあまり時間がない… あなたはここにいて!
 
 【ライラの母の日記】
 親愛なる娘、ライラへ
 これは私の遺言です 昔話をしながらですが最後まで読んでもらえればうれしいです
 もう知っているようにあなたはソルシアの民の最後の一人です
 二十年前、ソルシアが島に渡ってきてエターナルリングを破壊したたため、
 監視の民の多くが死に 残ったのは年老いた私一人となってしまいました
 生きる希望もなくしかけていた私に再び活力を取り戻してくれたのがライラ、あなたです
 私はあなたを娘として育て あなたもすくすくと成長してくれました
 十歳になった日 もう他界したあなたの本当の母、火竜となった父のことを話した後も
 あなたは私を母と呼んで慕ってくれましたね
 それにあなたは監視の民が皆恐れていたあのホムンクルスとも仲がよく、
 その忌まわしき存在でさえ救おうと努力しています
 あなたならいつかホムンクルスに心を教えることができるような気がします
 だから私がいなくなってしまっても優しいライラでいてください
 そうすればあなたの願いは叶うはずです
 あなたに良き魔法の導きがありますように
 ソルシアの末裔の娘へ エイルシアの末裔の母より
 | 
| 地底湖 | 
| 水竜:…ライ…ラ…… …ホムン…クルス… ……ジカ…ン… 水竜:…聞こえるか…?
 水竜:今、私は魔法を使って声を出している…
 水竜:もう随分竜化が進んでしまい言葉を発するのも困難になってきた…
 水竜:本当に久しぶりだな… 私はソルシアの長、ロード・オエイル
 水竜:意識をもつ竜は私だけとなってしまった
 水竜:他の者は…”魔力強き者”ギル・グレイも もはやただの火竜だ…
 水竜:日々失われていく意識に耐えかね自ら命を絶つ者達も大勢いた
 水竜:結局、ライラが最後のソルシア人となってしまった 私もあの子を残したまま すべてを忘れてしまうだろう…
 水竜:…我々が破壊してしまったエターナルリングはもう完全修復は不可能で今も徐々に機能が低下している
 水竜:ホムンクルスが外に出ようとする度 島全体が揺れ動く… その揺れも次第に大きくなってきた
 水竜:ライラには逃げるように言っているが あの子はホムンクルスを救おうとしている…
 水竜:人としての心を他を思いやる心を教えているのだ…
 水竜:心の存在しない者に人の痛みを理解させるなど不可能だというのに…
 水竜:四つのカギを持つ者が古代の実験場からエターナルリングへ行くことができる
 水竜:ライラはそこに向かった… 魔法文明の悪しき遺産に縛られる あの子を救ってくれ…
 水竜:私の知っている幼い頃のお前は やさしい心の持ち主だった…
 水竜:お前ならきっと… よい結果を残してくれる…
 水竜:”魔力強き者”の長子、リン・グレイよ…
 | 
| 吹雪の荒野 | 
| 元兵士のワーウルフ:待て! 人間か? 元兵士のワーウルフ:俺は魔物じゃない! 攻撃しないでくれ
 元兵士のワーウルフ:俺はアルダイン軍の兵士だ 知ってるだろ? アルダイン… 大陸で一番大きい国だ
 元兵士のワーウルフ:知らない国の紋章だな… あれから随分経ったから大陸の様子も変わったんだろう
 元兵士のワーウルフ:あんた、アルダインとソルシアの事情は知ってるか…?
 元兵士のワーウルフ:俺はこんな姿になってから ずっとここに隠れてて…
 元兵士のワーウルフ:この奥にいる竜は俺の友達なんだ 本当は敵同士なんだけど こんな姿になってまで争っても仕方がないから…
 元兵士のワーウルフ:他の竜と違って俺を襲ったりしない優しい奴だった
 元兵士のワーウルフ:でも少しずつ人間らしさがなくなってきて…
 元兵士のワーウルフ:疲れたからって眠りに入ってもう三年だ…
 元兵士のワーウルフ:だんだん人でなくなるのに絶えられなかったんだろう
 元兵士のワーウルフ:俺はこのペンダントのおかげか なぜか気持ちが落ち着いて大丈夫だったんだが…
 元兵士のワーウルフ:あんたもこの島にいると俺みたいになっちまう 早いとこ出てった方がいい
 元兵士のワーウルフ:俺には年老いたお袋がいたんだが…もう二十年も経った 生きてはいないだろうな…
 
 【土の鍵を入手後】
 元兵士のワーウルフ:あ、ちょっと待ってくれ!
 元兵士のワーウルフ:大陸に戻るんなら…お袋の墓が弓隊隊長の母親の墓があるに違いないから…
 元兵士のワーウルフ:こう伝えてくれないか 『俺は静かに暮らしている』って…
 元兵士のワーウルフ:じゃあ、お袋によろしくな…
 | 
| 永遠の空間 | 
| 【ライラ死亡時】 ライラ:まだ…だめ…
 ライラ:あの子は…まだ…
 ライラ:これから…教えなきゃ…いけない… …こと…が…
 
 【隊長ダレルと遭遇時】
 隊長ダレル:…リ…ング…
 
 【隊長ダレル撃破時】
 ぐああああ…!
 | 
| エターナルリング | 
| ホムンクルス:…いくら聞いてもわかんない事はわかんないよ ホムンクルス:そんな退屈な話はまたあしたにしよう
 ホムンクルス:ほかの話にしてよ 海鳥の雛の様子とか…
 ライラ:だめ 今日は分かるまで聞きなさい、いい?
 ライラ:その雛だって 傷つけたら死んでいなくなってしまう… それは悲しいでしょ?
 ホムンクルス:…… でも海鳥はたくさんあるから 雛の代わりもたくさんあるよ
 ライラ:でもそれは違う雛でしょ?
 ホムンクルス:ライラの言いたい事はわかるよ でもそれがどうだっていうのさ
 ホムンクルス:だいたい『心』なんていらないじゃないか ライラや人間みたいに不安定になっちゃうだけだよ
 ホムンクルス:…あれ? 誰かここに入ってきたみたいだ
 ライラ:え? …もしかしてあの人かな
 ライラ:いい? 私はちょっと見てくるけど出ようとしちゃだめだからね 揺れるからすぐに分かるよ
 ホムンクルス:じっとしてたら すぐに雛の話をしてくれる?
 ライラ:うーん… わかったわかった だからおとなしくしてててね
 ホムンクルス:すぐに戻ってきてね、ライラ …ここは何もないから退屈だよ…
 
 【ホムンクルスと戦闘時】
 ホムンクルス:あっ、お前! 僕は見てたぞ ライラに何をした!
 ホムンクルス:お前と話してたら動かなくなった!
 ホムンクルス:何でだ? ライラはどうなったんだ!
 ホムンクルス:ここから出せ! があああああああああ!!!!!
 
 【ホムンクルス撃破時】
 魔導師:神の子はその動きを止めた… 永遠の檻は間もなく崩れる…
 魔導師:さあ…時の流れし場所に帰るがよい 汝の役目は終わった…
 
 ホムンクルス:ううん…
 ホムンクルス:うまく体が動かせない… こんなことは初めてだ…
 ホムンクルス:ライラ… ライラに聞いてみよう…
 ホムンクルス:ライラ…
 ホムンクルス:ねえ、ライラ… いつまで倒れてるの?
 ホムンクルス:僕、勝手に出ちゃったけど… 雛の話はしてくれるよね…
 ホムンクルス:…そうか… もう外にいるから いっしょに見に行こう
 ホムンクルス:……もしかして…怒ってる?
 ホムンクルス:ライラ…? ねえ、ライラ…
 ホムンクルス:ライラ? ライラ? ねえ…
 ホムンクルス:……………………
 ホムンクルス:………………あ…
 ホムンクルス:そうか… これが… 『死』なのか…
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| エンディング | 
| 数日の後、カイン・モーガンはヘインガリアの王城へと帰還した。 
 不帰の島の異変について報告を受けていた国王イアンは、彼に島での出来事を尋ねたが、カインはただ調査隊の壊滅と、隊長であるダレルの死という事実のみを答えただけだった。
 
 騎士団長でもあったダレルの死は、王国内で大きな物議をかもし、長老派の責任を追及する声は小さくなかった。
 
 これを機に、国王派は徐々にその勢力を盛り返し始め、後にヘインガリア王国の実権は名実共に、国王の元に統合されることとなる。
 
 カイン・モーガンは、騒動が落ち着きを見せると いずこへともなく姿を消したが、数年後、一人の男を連れ、再び王国に帰ってきた。
 
 帰還を歓迎したイアンは、彼を親衛隊長の座につけると、そのすすめに従い、男を家臣に迎え入れた。
 
 男はカインと共に王によく仕え、イアンは稀代の名君として、後世にその名を残すこととなる。
 
 イアンの没後、男は王国を去ったが、その姿は数十年を経ても変わる事はなかったという。
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